A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
大正十四年五月十七日作。
「大阪毎日」一万五千号記念俳句大会での題詠出句。※「題詠」とは題をきめて、それに合わせて詩歌や俳句をつくること。
いえども・・・四段動詞「言ふ」の已然形に、逆接の確定条件を表す接続助詞「ども」が付いたもの。
句会席上で「シロボタン・・ベニ」と読み上げられると、虚子は即座に「ハクボタン・・コウ」と正したそうです。
私見ですが、「紅」の「ほのか」さを伝えるには「ベニ」だと音が強すぎるので、「コウ」と詠んだのではないかと思います。「ハク」は「コウ」という読みに呼応させているわけでしょう。
これ以上の私見は質問者さんに目くらましを食らわせるに等しいでしょうから、しかるべき人の見方を紹介しときます。
大岡信 『折々のうた』
牡丹の美には原産地中国の感触がある。艶麗豪華な点で、桜などとは持味が違う。花王とよばれ、百獣の王獅子と好一対とされた。
(しかし虚子の牡丹は中国趣味ではない、と以下のように続きます)
虚子には虚子の牡丹があった。すなわち清楚な牡丹である。しかしただ白なのではない。ほのかに紅をさしている、そのかそけさと深さ。別名「深見草」の本意を言いとめたような句である。
※「深見草」とは和歌における牡丹の名称。
鷹羽狩行 『俳句のたのしさ』
「紅ほのか」の語によって、紅白という既成概念の対立を活用して「白牡丹」の白さを生かしました。
山本健吉 『句歌歳時記 夏』
初句の字余りや、「いふといへども」という緩やかな、たゆとうような調子が、牡丹の豪華な美しさと、よくかけあってる。リズムによって生かされた写生句。
『俳句鑑賞辞典』(東京堂出版)
・・虚子は下五をどうしても「紅ほのか」としたかったに違いない。それでないと発見のおどろきが出ないのである。・・「いふといへども」というしつこい言い方・・があるために後の「紅ほのか」というすぱっとした驚きの表現が利いてきた。
No.2
- 回答日時:
しろうとですが、虚子の句に胸をかります。
(といいながら、じつはこの句についての山本健吉 『現代俳句』 (角川文庫) の4行の解説をたよりにしているんです)
この句は、 「白 (はく) 牡丹といふといへども紅 (こう) ほのか」 とよむようです。
季節は、初夏 (大正14年の5月)。
情景は、作者が白牡丹の花に心ひかれて、ながめいっているところ。
主題は、白牡丹の花 (の美しさ)。
表現技法は、上五の字余り。下五の形容動詞語幹 「ほのか」 での言い切り。さらに、上五と下五の漢字の対比でしょうか。
この句をよんだころ、高浜虚子は 「客観写生」 をとなえていたそうです。自然の姿をそのまま描こう、作者の感情の起伏などは介在させないようにしよう、というものです。これが後の 「花鳥諷詠」 の俳句論につながるはずです。もちろん、この句はそんなことを知らなくても鑑賞できる傑作です。それでも、やはりこの句の肝どころは、作者がむきあっている対象、余計なものを削ぎおとすことによって表現された対象ただそれだけを味わうところにあるとおもいます。
あながちにくれなゐならぬ紅葉哉 橘仙
紅葉は紅 (あか) いといったところで、穴勝 (あなが
ち) に紅ばかりではないというそれだけの句である。穴
勝というような俗語を使って 「くれなゐならぬ」 という
ような雅語を継 (つな) ぎ合わせたところにこの句の手
際はあるのである。
(『俳句はかく解しかく味う』 大正7年 岩波文庫より)
上の虚子自身のことばをかりれば、この句も、白牡丹は白という名前がついてはいるけれどほのかに紅がさしている、というそれだけの句です。
虚子がこの句と同時によんだつぎの句とくらべてみると、この句ならではの味わいがわかるとおもいます。
白牡丹いづくの紅のうつりたる
さて、山本健吉は上の句を紹介したうえで、つぎのように書いています。
七の 「いふといへども」 と、おおらかに停滞した調子が、
白牡丹の豪華清艶な美しさとよく照応している。そして初
五の字余りから中七へかけての緩徐調が、結びの 「紅ほ
のか」 でほどよく引き締められている。
No.1
- 回答日時:
http://www.kyoshi.or.jp/j-index.html
「虚子記念文学館」に問い合わせてみては?
「鳥」のページにお示しの句がありましたが、解説ではないですね。
http://www.kyoshi.or.jp/j-tyou.htm
「虚子記念文学館」に問い合わせてみては?
「鳥」のページにお示しの句がありましたが、解説ではないですね。
http://www.kyoshi.or.jp/j-tyou.htm
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