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憲法13条の自己決定権に関してお伺いします。
医療訴訟などでは、しばしば患者の自己決定権が論点になると思いますが、
医療訴訟以外で、個人の自己決定権に関して判断を下した判例(できれば最高裁判例)はありますか?
ご存知の方がいらっしゃいましたらお願い致します。

A 回答 (4件)

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この回答へのお礼

ありがとうございます。
でも、これ、医療訴訟ですよね・・・・・。

お礼日時:2007/01/16 02:24

「判断」と言うのがどういう判断を想定しているのか不明ですが、自己決定権を理由に挙げた裁判なら、医療訴訟「以外」ですと、例えば

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/8C0F6F71F9F55 …
の尾崎行信裁判官の反対意見とか。

これを書くのはここ1週間で3回目ですが、
http://www.courts.go.jp/
の判例検索システムで「自己決定権」をキーワードに検索してみてください。医療事件以外でも一杯出てきますよ。ただ、どういう判例を求めているのかは質問からは分かりかねますのでいくつか目を通して自分で求める判例を探してみてください。
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この回答へのお礼

ご丁寧な回答を頂戴し感謝いたします。
自分でも質問する前に「自己決定権」というキーワードで判例検索はしてみたのですが、こうも「地方自治体の自己決定権」とか憲法とは関係ない話の判例が引っかかりがちで・・・。

ご指摘の判例の尾崎行信裁判官の反対意見を呼んでみたのですが、これも、どうも判例自体が自己決定権に関するものというよりは、文章中にたまたま自己決定権という言葉が出てきたに過ぎないようにおもうのですが・・・。
どうなのでしょう?

お礼日時:2007/01/16 02:05

>ご指摘の判例の尾崎行信裁判官の反対意見を呼んでみたのですが、これも、どうも判例自体が自己決定権に関するものというよりは、文章中にたまたま自己決定権という言葉が出てきたに過ぎないようにおもうのですが・・・。



さすがに「たまたま」というのは言い過ぎですが、「自己決定権」を前提にした論理展開でしかないのは確かです。

「どういう判例を求めているのかは質問からは分かりかねますので」と述べたとおりでして、とりあえず「自己決定権」に言及している判例という意味で挙げただけで、それが質問の趣旨に沿っているかどうかは全くこちらとしては分からないというのが正直なところです。
もう少し「どんな内容の判例を見たいのか」ということをはっきりさせてもらえればまた話も違ってくるとは思いますが、現段階では「お望みの判例がどういう判例かが皆目見当付かない」のでこれ以上は何とも言えないということです。
例えば「自己決定権が憲法13条により保障されるorされないことを正面から認めた判例」とか「自己決定権が憲法13条に保障されることを前提に問題となった権利侵害が自己決定権の侵害であるorでないということを述べた判例」とか、もう少し具体的な話をしてもらえれば、判例の探しようもあります。もっとも、自己決定権を憲法上の権利として正面から認めた判例は少なくとも2000年に第三刷が出版された芦部憲法(岩波出版)の記述によれば「存在しない」のですが。おそらく現在に至るまで少なくとも最高裁判例としては存在しないと思います(もし最高裁判例が出ればさすがに耳に入るはずなので)。
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この回答へのお礼

ご丁寧なご返信をありがとうございます。
私の言い方が言葉足らずで失礼がありましたようで誠に申し訳ございません。
自己決定権というのはパターナリズム(相手の善意)の文脈で語られる場合と(医療裁判はこれですね)、強者に搾取(相手の悪意)されず自立した人間として生きる権利(労働三権の基礎にあるのは自己決定権と聞いたことがあります)の概ね二種類があるような気がするのですが、どちらも憲法13条の幸福追求権に類似するものですよね。
それにもかかわらず、自己決定権に関する最高裁判例が存在しないというのは、人に自己決定権が備わっていることを前提として、憲法の話になる以前に、個別の法令による手当てがなされているために、法令違背の話(例えば医師の説明義務違反)になり、憲法の話になるには及ばないということなのでしょうか・・・?
しかし、最高裁は「単なる法令違背の話であり、憲法の話ではない」としてよく上告を三行棄却してますが、医療訴訟にしろ労働訴訟にしろ、もし法令違背が存在するのであれば「法令違背=憲法の自己決定権の無視」だと思うのですが、そういうことを突っ込みを入れる人はいないのでしょうか??

お礼日時:2007/01/17 00:41

>しかし、最高裁は「単なる法令違背の話であり、憲法の話ではない」としてよく上告を三行棄却してますが、医療訴訟にしろ労働訴訟にしろ、もし法令違背が存在するのであれば「法令違背=憲法の自己決定権の無視」だと思うのですが、そういうことを突っ込みを入れる人はいないのでしょうか??



それはほとんどの場合、的外れですから。

まず第一に、「法令違反だからといって自己決定権の侵害とは限らない」ということ。これは明らかでしょう。「自己決定権と関係のない規定などいくらでもある」のですから(と言いますか、むしろ関係のある方が少ない)。つまり、法令違反=憲法違反という式自体が成り立ちません。ほとんどの場合「憲法上はどちらでもいいことを法令によって定めているだけ」です。

憲法13条が「包括規定」であるが故に「その内容が抽象的」で「こじつければどんな権利も13条と結びつけることができる」のは確かですが、「それをやり始めると憲法上の権利がインフレ現象を起こして価値が下がる」ので「何でもかんでも憲法と結びつけるのは結局憲法上の権利の保障を危うくするだけ」です。つまり、自らの首を絞めるのは明らかです。そのような配慮があるので「憲法上の権利の安売りはしない」というのが憲法学の基本的な発想だと思えば理解できるかもしれません。

第二に、自己決定権侵害だとしてもだからといって直ちに憲法上の問題にはなりません。これに反する見解は、単に「判例理論とは前提が違うから的外れ」となるだけです。すなわち、判例(そして通説も)は、「憲法は私人間には原則として直接適用されない」という立場です。ですから、「私人間の契約あるいは不法行為が問題になっている医療訴訟において憲法が出てくるわけがない」のです。たとえ「自己決定権の侵害だ」と言ったとしてもそれは「憲法の個人の尊厳の理念から『私法上』も存在が認められる『私法上』の権利としての自己決定権の侵害である」という意味でしかないのです。

これが国公立病院だと一応私人間適用の問題にはならないので理屈の上では憲法問題にすることもできなくはないのですが、そうだとしても「自己決定権が直接に憲法により保障されているかどうかに関わらず、(国公立病院においても患者との間に適用される)民法上の問題として問題が解決できる以上、憲法判断をする必要はない」ということは最高裁が憲法判断をしない理由にはなっています。
これが第三の問題で、もともと憲法の(特に)人権規定の目的は「個人の権利保障」なので「個人の権利保障になくてはならないのではない限り憲法がでしゃばる必要はない」ということです。これは別に日本に限った話ではなくて、元々は(日本国憲法の基本思想の発祥である)アメリカの最高裁判例から来ている準則、すなわちブランダイス・ルールの第4ルールというもの。簡単に言えば、「他の方法で事件が処理できる限り憲法上の判断はしない」というルール。

#このルールが妥当かどうかは「現実の判例がどういう発想をしているか」とは別次元の問題です。いくらそんなルールはおかしいと思っても、それは判例とは違うの一言で終わってしまいます。自分の主張として述べる分には判例と違う独自の理論を言うことに意味はありますが、実務に沿った「事実」を「事実として」観察する時に事実と反する話をしてもそれは「百害あって一利なし」です。現実がどうであるかを知る際に「それ以外の話と混同してはいけない」のは言うまでもないことです。「現実を知った上でそれ以上の話をする」のであればそれは自由ですが、あくまでもそれは「現実ではない」ということは認識しておかなければなりません。ちなみに「それ以上の話」を私はする気がないのでその点についての質問には一切回答しませんとあらかじめ言っておきます。

この第4ルールに沿っているという意味では、

>個別の法令による手当てがなされているために、法令違背の話(例えば医師の説明義務違反)になり、憲法の話になるには及ばないということなのでしょうか・・・?

ということでもあります。

#これが理解できないとすれば、それは「憲法の基本書を立場の違う最低2種類(自然法思想と法実証主義が典型的に立場が違う)は読んで勉強をしてください」としか言えません。こんなところで私が何を書いたところで理解できるとは思えませんから(勘違いして欲しくないのは、理解できないのが悪いと言っているのではないということ。「現に理解できるかできないか」、もしできないなら「この場で理解させることはわたしにはできない」と、善悪などの価値判断を一切捨象した単なる「事実」(またはその推定)を述べているだけです。他人の言うことに勝手に述べてもいない善悪の価値判断を付加する人が多くて困るのですが、あくまでもただの事実を述べているだけです。その点誤解なきよう)。

ところで、労働訴訟は若干毛色が違い、「労働基本権は憲法規定の中の例外で私人間に直接適用される」のですが、「労働法違反が直ちに憲法違反とは限らない」ので、「労働法違反であっても憲法違反ではない」ものはいくらでもあります。例えば労働時間が週40時間というのは別に憲法上の要請ではありません。だから特例の48時間というが違憲の問題を生じないわけでして。無論、これが週80時間とか労働者に著しく過大な負担を強いる法改正をすれば、「当該法律は」違憲の疑いが出てきますが(ただ、この何時間というような具体的な話はやはり時代によって違います)。

しかし、これも本質的にはそれほど大きな差はありません。労働基本権として憲法に列記してある権利以外の争点については基本的には憲法の出る幕ではありませんし、仮に労働基本権あるいは憲法の出てくる可能性のある問題であっても具体的に憲法判断の必要がなければやはり憲法判断はしないというのが裁判所(特に最高裁)の「現在の立場である」ということです。
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