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ふと疑問に思ったので、ご存知でしたら教えてください。
血液中には、アルブミンやイムノグロブリンが最もメジャーな蛋白成分として存在していますが、健康な人の血液中に存在するイムノグロブリン(IgG)は、何をターゲットにしたものが一番多いんでしょうか?
やっぱり何らかの細菌とかなんでしょうか?そんな事を調べた研究ってありますか?
また、感染症のような病気にかかった人の血液中に存在するイムノグロブリンは一般的にはやはりその感染症の原因になっている細菌なりウイルスをターゲットにしたものの存在比率が最も高くなると思って良いのでしょうか?
よろしくお願いします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
獣医師です。
大学で習った免疫学はもう役に立ちませんね。昨日の定説が明日には嘘になる分野ですから。ちなみにイムノグロブリンはIgGだけではないですよ。ImmunoglobulinでIgで、次のGはサブクラスです。No.1の方が書かれているとおり5種類あります。
で、具体的に「何に対する抗体か」と言えば、単純明快に「今までに接触したありとあらゆるものに対する抗体」でしょう。別にそれで何の不都合も感じません。
今までに感染した病原体はもちろんです。半減期が短い抗体もあるので全てに対して同じレベルで抗体を持っているというわけではありませんが、例えば子供の頃に感染した麻疹に対する抗体も測定すればちゃんとあることが判ります。
経口免疫寛容に触れている方もおられますが、これは主に腸管で起きていることなので血中抗体中の割合としてはあまり高くないかと思われます。というか高かったら「免疫寛容」になってない・・・
人に限らず生物は、健康体であっても常に何らかの病原体(微生物)に暴露されて生活しています。ですから常に抗体は産生されています。
AIDSを発症すると血中の免疫グロブリン量も低下します。
また、自力で抗体を産生する能力がない生後間もない子牛は、母親からの初乳によって免疫グロブリンを獲得しますが、初入を飲まなかった子牛は免疫グロブリン量が極端に低いです。
ちなみに「特定の何かの抗体を持っているか」ということは、調べるのは比較的簡単なのですが、「何の抗体を持っているか」を網羅するように調べるのは不可能でしょう。
第一、「抗原」となりうる物質の、いったい何%を人類は知っているんだ、という話なので。
「何の抗体が一番多いか」といえば、「直近に感染した病原体に対する抗体」ということになると思います。
発病して抗体価が跳ね上がった状態の血清を電機泳動で血清蛋白の分画をすると明らかにグロブリン量が増えてますから、その時の抗体量は、他に対するそれとはケタが10個くらい違うかもしれません。
感染によって発症してそういう状態になると、かなり長期間抗体は高いレベルで残っています。
まあ、このあたりまでは大学で習った免疫学、がまだ通用する世界ですが・・・
あ、ちなみにIgAは粘膜免疫(腸管や気道など)に関与するサブクラスです。経口免疫寛容などにも関係してきますね。
IgDは私も忘れました・・・
丁寧な解説をありがとうございました。
とてもわかりやすく答えていただけました。
食べ物に対する抗体というお答えは意外だったのですが、血中という意味では比率はあまり高くなさそうという事ですね。
やはり直近に感染した病原体の比率が一番高いという事で良さそうだという事はわかりました。
健康人でも日々色々な細菌に暴露されていますから、同じ事ですよね。
難しいながらもなんとなく納得出来た気がします。ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
たいていの食べ物に対する抗体が出来ています。
たとえば朝お米のご飯を食べたらご飯中の抗原に対する抗体が出来ます。しかし、毎日食べて、体に害がないと免疫系に認識された食べ物に対しては経口免疫寛容という作用が働き、抗体量が減少し、免疫反応は抑制されます。
ようするに、体や消化管内に存在するあらゆる物質に対する抗体が作られています。
具体的には腸管のパイエル板や眼窩にあるM細胞、喉の扁桃腺なんかで、外部の物質を取り込み、抗体を作ったり、免疫寛容を起こすようになっています。
体に無害で、しょっちゅう消化管に入ってくる物質には免疫寛容によって免疫が抑制されるのが普通ですが、なんらかの原因で免疫が抑制されずに過剰になったものがアレルギーです。
No.2
- 回答日時:
すごく興味深いところです。
でも、正確なところはあまり明記されてないし、測定や評価はけっこう難しそうですよね。ひとつの資料はグロブリン製剤を作っているというか精製している製薬会社さんから公表されてる(濃縮製剤だけど)製剤の各種ウィルスや細菌への抗体価が参考になるのかな。罹患したときにすぐに増えることのできるポテンシャルを維持すればいいので正常時の存在比率は、どれもうすく広くというのが実際の戦略なのかも。
#1の方への補足に書いてあった質問には、最近受験生が質問してた「免疫記憶細胞」のQ&Aは少し参考になりそうです。
アドバイス、ありがとうございました。
なかなか正確なところはわかりにくいとは思ってたんですが、健康な人といっても色々あるでしょうからね。
「免疫記憶細胞」のQ&Aの件、ご紹介、ありがとうございました。
探してみたいと思います。
No.1
- 回答日時:
抗体は5種類(IgM,IgG,IgE,IgA,IgD)あります
IgMとIgGがウィルスに対する抗体でIgEがアレルギーに関する抗体でIgAとIgDはなんだったかな?忘れたな(--;)
ウィルスが侵入するとB細胞(抗体を産生する免疫細胞)がまずIgM抗体を産生して次にIgG抗体を大量産生する
んで次に同じウィルスが侵入してきたらB細胞はそのウィルスの定義を覚えていて段階を飛ばして即座にIgG抗体を大量産生するんだったと思うけど・・・
大学の授業はあまり聞いてなかったからうろ覚え・・・(爆死)
参考URL:http://www.digiplan.co.jp/live/kouten-2.html
ご回答、ありがとうございます。
いやもちろん教科書的な抗体の基本的な役割は承知した上での質問なのですが、応答に関してではなくて、何らかの感染症に罹患している訳ではない、いわゆる健康な状態の人の血液中に存在している抗体というのは、どんなものに反応する抗体がメジャーになっているのかな?という事なのですが、例えば対風邪症候群用の抗体がメジャーで、アデノの蛋白に対する抗体が多いとかあるのだろうか?という疑問なのですが。。
ちなみに、過去にある感染症に感染した経歴があった場合、同じ感染症にまた感染すると、すみやかにIgG抗体が産生してくる訳ですが、その感染をどのように記憶しているのか??という疑問って最近は解消されたりしてるんでしょうか?
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