
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
私は,統計手法を「差異を調べる」手法と「類似を調べる」手法に大別して整理しています。t検定と分散分析は「差異を調べる」手法,重回帰分析は「類似を調べる」手法に分類することができるでしょう。
t検定と分散分析は「差異を調べる」手法に分類したように,複数の条件における平均値に違いがあるかどうかを調べる場合に使われます。もともとはt検定しかなく「二条件の平均値の差異」を調べる時に使われました(実際のt検定の定義は異なるのですが,心理学専攻生にイメージしやすい説明を優先しています)。しかし,実験や調査によっては,二条件だけではなく,「三条件以上の平均値の差異を調べたい」と思うことがしばしばです。このような思いに応えるべく開発されたのが分散分析です。
さらに,開発するときに,要因/水準という概念を導入して便利な分析道具となっていきます。分散分析は平均値の差異を調べる手法ですが,その平均値の差異がどのような原因(独立変数)に起因するのかを調べることができるのです。例えば,二要因の場合,平均値の差異が,「要因Aによるものなのか」,「要因Bによるものなのか」,「あるいは要因AとBの交互作用によるものなのか」,これらのいずれの影響によって平均値の差異が生じたといえるかを調べることができます。「差異を生じさせた」ということは,その要因の影響力があったと判断することができますね。
これに対して,重回帰分析は,複数の原因候補(独立変数)と一つの結果(従属変数)がどれぐらい類似しているかを調べることを通して,従属変数に,それぞれの独立変数がどれぐらいの影響力を与えているかどうか(また,その影響力は統計学的に意味があるといえるのか)の判定をする手法です。
このように考えると,両方とも「複数の原因(独立変数)が一つの結果(従属変数)に影響を与えているかどうか」という枠組みで検定を行う手法として共通しています(このため,両者は「線型モデル」という上位概念でくくることができます)。実際,同じデータに対して,分散分析と重回帰分析の両方を使うこともできます。
しかし,【通常の使い方をするならば】,分散分析は「要因(独立変数)間の交互作用を仮定して」分析を行う,重回帰分析は「独立変数間に交互作用を仮定せず」分析を行う手法であると考えるのが,とりあえずの理解としては良いのではないでしょうか?(工夫次第では,重回帰分析でも交互作用を仮定できますが,話が複雑になるので割愛)
回答、ありがとうございました。
「差異を調べる」、「類似を調べる」の考え方はとても理解しやすい
ものでした。
詳しく説明くださり、ありがとうございます。
自分なりに整理ができ、考えを進められそうです。
No.3
- 回答日時:
> 重回帰分析、分散分析、t検定の、それぞれの特徴、どういった場合に用いればよいのかを教えてください。
1度ちゃんとした教科書を読むことをおススメします。例えば「心理学のためのデータ解析テクニカルブック」とか,最近出たものでいえば「心理統計法への招待」とか良いと思いますよ。
ちなみに分散分析と重回帰分析は数学的には同じものです(ただし,非線形回帰の場合は違いますが)。分かりやすくくくってしまえば,
t検定・・・2群の平均値の差を確かめる
分散分析・・・3群以上の平均値の差を確かめる
重回帰分析・・・目的変数に影響している説明変数を見つける(例えば,売り上げに貢献している変数は何かということ)。
No.1
- 回答日時:
「重回帰分析、分散分析、t検定」これらは数学処理するためのものであって、
心理学でこれを使うことは、ちょっと信じられません。
工場などでは良く使われる手法です。
人間(心理学)相手の数学分析は向かないように思うのですが・・。
何かテストを行いその結果が、何かの要因で変わるか同かを調べるなら重回帰分析になります。
Y(特定値)=a1X1+a2X2+a3X3+a4X+,,,+anXn
Xは様々な要因で、a1,,,anその要因がどれだけ特定値に寄与しているかを求めます。
理屈で「+」のはずが「ー」になった場合は、要因の選択が間違えている可能性があります。
要因相互に相関関係があるものはどちらかを使ってください。
分散分析は、A,B,C,・・・Nのグループで、何か試験を行った値に差が有るかどうか、つまり各グループに差が有るかどうかを調べます。
t検定は忘れました。
回答、ありがとうございました。
心理学の研究においても、数的に統計処理をすることはあります。
何かのテストを行い、何らかの要因で変わるか否かを調べる。⇒重回帰
は、とてもよくわかりました。
参考にさせていただきます。
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