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原子のポテンシャルを求める方法としてトーマス・フェルミ近似があります。ポテンシャルφ(r)についてのトーマスフェルミ方程式を求める事が出来ません。どなたかコメントを宜しくお願いします。

ポアソン方程式
∇^2φ(r)=-4πe[ρ(r)-ρ_0]
(ρ_0:平均電子密度、ρ(r):電子密度)

フェルミエネルギーの式
E_F+eφ(r)=(h^2/8π^2m)[3π^2ρ(r)]^(2/3)
(E_F=(h^2/8π^2m)[3π^2ρ_0]^(2/3):フェルミエネルギー)

を用いて、トーマス・フェルミ方程式
∇^2φ(r) = α φ(r)^(3/2)
(αは係数を適当にまとめたもの)
を求めたいのですが、ρ_0の項が残ってしまいます。つまり
∇^2φ(r) = α φ(r)^(3/2) + 4πeρ_0
のようになってしまいます。なんとかρ_0の項を消したいのですが。

最終的には φ(r)=χ(r)/r と置いて、
微分方程式
r^(1/2)χ''(r)=[χ(r)]^(3/2)
まで求めたいのですが、導出出来ません。

途中で
[1+eφ(r)/E_F]^(3/2)~1+(3/2)(eφ(r)/r)
の近似を用いて湯川ポテンシャル型を導く事は出来ます。

参考にしている本は山下次郎著「固体電子論」朝倉書店p.153です。

宜しくお願いします。

A 回答 (2件)

A No.1 です。





(1) まず最初にわかることは、正確な式が

∇^2 φ = α φ^(3/2)

だと仮定すると、この式はφが小さいときにも成立つわけですが、そのときにも

∇^2 φ = αφ

には帰着しませんので、最初にφが小さいと近似してこれが得られるという事実と矛盾しますね。

ということは、同じ前提から、

∇^2 φ = α φ^(3/2)

は得られないことがわかります。

従ってご質問の前提条件と導きたい結論は矛盾していることがわかります。



(2) トーマスフェルミ近似は、もともと p と r を同時に指定できるとする近似なので、φが小さいことは通常は暗黙の前提です。大きければ根本的にトーマスフェルミ近似できません。



(3)

> 今、見直して思ったのですが、ポアソン方程式の右辺のρ0は
> 要らないのではないかと思い始めました。つまり
> ∇^2φ=-4πeρ(r), ρ(r)は電子密度
> でしょうか。

ですが、それはあなたがどのような物理系を考えているかに依ります。


(3-1) 最初のご質問の前提条件、

> ポアソン方程式
> ∇^2φ(r)=-4πe[ρ(r)-ρ_0]
> (ρ_0:平均電子密度、ρ(r):電子密度)
> と
> フェルミエネルギーの式
> E_F+eφ(r)=(h^2/8π^2m)[3π^2ρ(r)]^(2/3)
> (E_F=(h^2/8π^2m)[3π^2ρ_0]^(2/3):フェルミエネルギー)

は、固体物理学の話で、原子核たちの+電荷を一様に分布しているとみなしたジェリュウム模型で成立つものです。その場合は右辺の ρ_0 は原子核たちのポテンシャルへの寄与のために必要です。(電気的中性のため、一様とみなした+電荷の密度はちょうど電子の平均密度に等しい。)

そして、あとはφが小さいという近似をして(というよりは(2)で説明したように元々それは暗黙の前提なので、その近似を思い出してというのが正しいかもしれません)、湯川型の静電遮蔽ポテンシャルが出てくるわけですね。



(3-2) もし一原子の系を考えているとしたら、ジェリュウムモデルは適用できませんので、ご質問の前提条件の式は

∇^2φ(r)=-4πe [ρ(r) - Zδ^{3}(r) ]
eφ(r)=(h^2/8π^2m)[3π^2ρ(r)]^(2/3)

と修正すべきです。


第一の式の右辺の第2項は原点にある原子核の+電荷からの寄与です。

第二の式でフェルミエネルギーE_F=0と置いているのは、無限遠方にφの基準点をとった(r→∞でφ→0)ためです。(一原子では無限遠方r→∞でρ→0となることに注意。)


あとは、原点以外では、δ^{3}(r) = 0 なので、

∇^2φ(r)=-4πe ρ(r)

であり、これに ρ(r) ∝ [φ(r)]^{3/2} を代入して、

∇^2φ(r) = α[φ(r)]^{3/2}

が得られます。
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この回答へのお礼

再度のアドバイスありがとうございました。
今回いただいた回答で疑問点が解決いたしました。

ポアソン方程式の右辺の電荷密度ですが、
∇^2φ(r)=-4πe [ρ(r) - Zδ^{3}(r) ]
が正しいですね。
そして、実際にはr=0以外の領域について解くので
∇^2φ(r)=-4πe ρ(r)
としてよく、導出された微分方程式
∇^2φ(r) = α[φ(r)]^{3/2}
を解くときの境界条件として
r→0 のとき φ(r) = β/r (原子核近傍ではクーロンポテンシャル)
r→∞ のとき φ(r) = 0  (遮蔽)
を用いればよいですね。

完全に解決してスッキリしました。ありがとうございました。

お礼日時:2007/07/21 13:54

こんにちは。



δρ = ρ - ρ_0 とおくと、

δρが小さいとき、フェルミエネルギーの式の右辺で、

ρ^{2/3} = [ρ_0 + δρ]^{2/3} = ρ_0^{2/3} [ 1 + δρ/ρ_0 ]^{2/3}
≒ ρ_0^{2/3} [1 + 2δρ/3ρ_0 ]

と展開できます。これから、

eφ(r)=(h^2/8π^2m)[3π^2]^(2/3) ρ_0^{2/3} 2δρ/3ρ_0
∝ δρ

が得られますので、これを最初の式

∇^2φ(r)=-4πe[ρ(r)-ρ_0] =-4πe δρ

に代入すれば、目的の式が得られます。

ρ_0 は残らないと思いますよ。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
ご指摘の方法で解いてみましたが、最終的に
∇^2 φ = α φ (α:は係数をまとめたもの)
が得られました。これは解析的に解けて湯川型のポテンシャルを与えます。
φ(r) = Q exp(-λ/r)/r

しかしながら、私が得たい式は近似式ではなくて、ポアソン方程式とフェルミ・エネルギーの式を近似無しで変形して得られるトーマス・フェルミ方程式

∇^2 φ = α φ^(3/2)

又は、球対称を仮定して、φ=χ/r と置いて得られる

r^(1/2)χ''=χ^(3/2)

です。

フェルミエネルギーの式の密度ρは電子密度ですが、
ポアソン方程式の右辺の密度はイオンの電荷も考慮したときの
密度なので、どうしても余りの項が出てしまいます。

今、見直して思ったのですが、ポアソン方程式の右辺のρ0は
要らないのではないかと思い始めました。つまり
∇^2φ=-4πeρ(r), ρ(r)は電子密度
でしょうか。

もう少し考えてみたいと思います。
どなたか、コメントが有りましたら宜しくお願いします。

お礼日時:2007/07/21 11:14

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