
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
こんばんは。
半導体デバイス・プロセスの技術開発業務経験者です。
「N型のキャリア移動度がどうしてP型半導体のキャリア移動度よりおおきいのでしょう?」
というよりは、
「P型のキャリア移動度がどうしてN型半導体のキャリア移動度より小さいのでしょう?」
という話になります。
N型半導体のキャリアは、文字通り電子ですが、
P型半導体のキャリアである「ホール」(正孔)は、おとぎ話の登場人物です。
実際に動くのは、ホールではなく、あくまでも電子です。
したがって、N型半導体とP型半導体を対称に考えることなど、そもそもできないのです。
15パズルって、やったことないですか?
http://weblogjapan.com/img_d/2007/05/23/3.jpg
15個の板を電子、1箇所空いているところをホールだと思ってください。
狙ったところまで「ホール」(空き)を移動させるには、周りの電子(板)を色々と動かさないといけません。
それがP型半導体です。
N型半導体は、15パズルの板と空きを反転させたもの、すなわち、板が1枚だけで、空いたところが15箇所あるパズルです。
狙ったところまで電子を移動させるのは、いとも簡単なことです。
そういうわけで、ホールの移動度は電子の移動度より小さくなっているのです。
以上、ご参考になりましたら。
No.3
- 回答日時:
leo-ultraさんがおっしゃるように、移動度は分散関係から決まります。
キャリアの有効質量が分散関係から決まり、移動度は有効質量に反比例します。
まずは有効質量の定義をよく理解することが重要だと思います。
>バンドギャップの違いからなのでしょうか?
バンドギャップは関係ありません。
しかし一般に、バンドギャップの大きい材料は電子移動度が小さい傾向にあります。
例えばGaN<GaAs<InAsといったように移動度は大きくなります。
これも分散関係の開き具合が決めることです。
>これは常にそうではなく、Siなどで成立するだけで、
>半導体の種類によってはP型の移動度が大きい場合も確かありました。
この通りです。全ての半導体で電子のほうが早いわけではありません。
No.2
- 回答日時:
> したがって、N型半導体とP型半導体を対称に考えることなど、そもそもできないのです。
電子と正孔の同等性は固体物理学で数学的に証明されています。
正孔は実際には存在しないから別という考え方は正しくありません。
> N型のキャリア移動度がどうしてP型半導体のキャリア移動度
よりおおきいのでしょう?
これは常にそうではなく、Siなどで成立するだけで、半導体の種類によってはP型の移動度が大きい場合も確かありました。
電子と正孔の違いは電子は伝導帯に、正孔は価電子帯に存在するという違いです。Siの場合は、価電子帯は伝導帯に比べて分散関係が平らなため、質量が重くなります。
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