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抵抗が起こる理由は、「原子核の振動」と聞きました。

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http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~terkita/dennkitei …
「原子核は+の電荷を持っているため、原子核が振動すると電荷分布が変化します。これにより、-の電荷を持った電子の運動に影響を及ぼすため、これが電気抵抗の元となっています」
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しかし、+の電荷を持つ原子核は、別に振動しなくても、-の電荷を持った電子の運動に影響を与えると思うのですが、なぜ「振動」が重要なのでしょうか?

おおざっぱに考えると、電荷+の原子核が振動していたら、振動で引っ張ったり押したり(?)で電子への影響はプラスマイナスゼロのような気がするのですが・・

A 回答 (6件)

ANo.4です。



> ということは、抵抗の理解自体には量子論の知識はいらないと思って良いでしょうか?

そうですね。たしかに、電気抵抗そのものは「量子効果」ではありません。「なぜ電気抵抗が生じるのか?」ということの本質については量子力学の知識がなくても理解できると思います。実際、量子力学が必要ない状況を設定して電流を流しても、十分な散乱があれば抵抗は生じると思います。

ただし、少し歯切れのわるい言い方になるのは、固体中の電子を考える場合には、実はその振舞いはそもそも量子力学の範囲でないと記述できないことが知られており、その意味で量子力学は固体中の電子を考えるときの大前提だからです。

つまり、電気抵抗の本質は量子力学にはないというのは正しいのですが、その本質が古典力学ではなく量子力学が必要になる状況でも成立っているということには、本当は気をつけなければなりません。

ANo.4の回答では、どのぐらいまで予備知識にして良いかわからなかったので、古典力学的な解釈でも理解できるように書いたのですが、実は一つ一つ量子力学のことを念頭においているのです。例えば、「電子が一つ一つ決まった運動量を持って存在する」とは、量子力学の言葉で表現すると「運動量はよい量子数である」という言い方になります。

なお、固体中の電子の電気抵抗をより詳しく、正確に理解しようとすると、やはり量子力学の範囲で考える必要が出てきます。とくに低温では、電気抵抗に関して「超伝導」「近藤効果」といった顕著な現象があり、これらの現象の本質を理解するのには量子力学が必要であることが知られています。「超伝導」は電流を流す多くの固体で、低温で電気抵抗がゼロになる現象です。「近藤効果」は磁性不純物を含む金属で、やはり低温で、電気抵抗が極小をもつという現象です。これらの現象は「量子現象」「量子効果」と呼ばれています。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>電気抵抗の本質は量子力学にはないというのは正しいのですが、その本質が古典力学ではなく量子力学が必要になる状況でも成立っているということには、本当は気をつけなければなりません。

よく分かりました。

>「運動量はよい量子数である」

まだこのあたり、理解できないので、勉強してみます。
ありがとうございます。

お礼日時:2007/09/02 09:35

高校生ですか?


電気抵抗はなぜ起こるかを知るには、電気抵抗が起きない場合(超電導)について知るれば理解が早いですね。しかし、この超電導の理論(BCS理論)は物理学科の学部レベルではちょっとむずかしいですね。とちらかというと、大学院レベルの内容です。
しかし、分かりやすく言えば、これはエネルギーの問題です。質問者さんが引用している「「原子核は+の電荷を持っているため、・・・」は、正直言って、ちょっと、的が外れています。このURLの内容がどの程度、正確か、についての言及は差し控えますが、初心者には、「エネルギー」という立場で説明したほうが、分かりやすいのではないでしょうか。つまり、「抵抗」というのは、
「電流」という「電子の運動エネルギーの一部」が、「格子振動のエネルギー」に転化したために生ずる、エネルギー損失です。
「原子核が電子を引っ張る、引っ張んない、どうのこうの」というのは関係ありません。問題の核心は、「エネルギー損失」があるかどうかです。

ちょっと、アルコールが入っているため、説明が雑になってしまったとことがあるかも知れませんが、要点は理解していただけるものと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
学部レベルでは難しいのですね。

お礼日時:2007/09/01 11:04

white-tigerさん、こんにちは。



たいへん良い質問だと思います。

電気抵抗のことは語りだすときりがないので、できる限り簡潔にご質問の要点だけに答えるようにしますね。

> しかし、+の電荷を持つ原子核は、別に振動しなくても、-の電荷を持った電子の運動に影響を与えると思うのですが、なぜ「振動」が重要なのでしょうか?

振動が与える影響は、単なる影響ではなくて、電子の状態をかき乱すという影響だからです。

振動がない状態では、電子は一つ一つ、決まった運動量を持って存在しています。大変整理の行き届いた状態です。振動せず規則正しく並んだ原子核の正電荷から受ける力もすべて考慮したとき、それらの正電荷は確かに電子の状態に影響を及ぼし、その運動量は真空中で考える運動量とは実は違うもの(結晶運動量という)になります。しかし、原子核の並びが規則正しい限り、実は電子が一つ一つ決まった(結晶)運動量を持って存在しているという性質に変わりはありません。数学的な証明はさておき、原子核の並びが規則正しければ電子も規則正しいだろうということは、直感的にも理解できることだと思います。

そして、この状態に電場をかけると、電場の方向の運動量を持った電子の数が増えることによって、電子はスムーズに流れます。

ところが、原子核が熱によってランダムに振動すると、電子の運動量は散乱されて、違う運動量にどんどん変わってしまいます。つまり電子も乱されてしまうのです。せっかく電場と同じ方向に動いていても、どんどん違う方向に散乱されてしまうのですから、これが抵抗の原因になります。

要するに、振動が抵抗に重要なのは、振動がランダムであり、それによって電子の状態を乱すからです。

> おおざっぱに考えると、電荷+の原子核が振動していたら、振動で引っ張ったり押したり(?)で電子への影響はプラスマイナスゼロのような気がするのですが・・

振動している原子核が電子に近づけば引力が強くなるし、離れれば引力が弱くなるので、そのようになるように思われるかもしれません。しかし、一つの電子をある方向に散乱させたら、その電子はその後はその原子核から離れたところにとんでいってしまっていますので、±0にはなりません。

このことには実は、電子や原子核が固体中に無数に存在していることが関係しています。もしも電子と原子核が一つずつしかなく、それらが束縛された状態にあるなら、いくら原子核が振動したところで、電子は乱れません。これは平たく言えば、ご質問に書かれているように、影響が±0になるのに似ています。正確に言えば、振動の周期と一緒に電子への影響も規則正しく周期的に振動するということになります。トータルで周期的に振動することになり、その状態はずっと定常的に続きます。

ところが、無数の電子と原子核が存在している状況では、一つの電子がある原子核によって、他の原子核の近くに弾き飛ばされたら、それがまた最初の原子核のところに戻ってくる確率は限りなく小さくなります。ごくごく一部の電子は戻ってくるでしょうが、大部分は他所に行ったきりになります。つまり、一原子核一電子の場合のように、影響を周期的に受けることができなくなります。

抵抗が乱れによるということは上で説明しましたが、そもそも乱れるためには、沢山のものがないと乱れようがありませんね。

要するにプラスマイナスゼロにならないのは、無数の電子や原子核があるからです。

これをエネルギーを使って言い換えると次のようになります。まず電場が電子を加速してエネルギーを与えます。次に原子核と電子が散乱により、エネルギーをやり取りします。上で書いたことは、そのエネルギーを再び同じ相手に返す確率が非常に低いということです。相手に返す以前に、また他の相手と出会い、エネルギーをやり取りしてしまい、状態は乱れてしまいます。そうこうしている間に、最初に電場によって電子に与えられたエネルギーは、原子核の振動を通じて、物体の外部に逃げていきます。これがいわゆるジュール熱というものです。もし抵抗がなければ電場がかけられている限り、電子がどんどん加速されエネルギーが上がるだけなので、物体の温度はどんどん上がることになるでしょうが、ジュール熱は外部に逃げないことになってしまいます。

これらの話は、非常に面白く深いいろいろな物理学の話に関係するのですが、ここではこのぐらいの説明にとどめておきますね。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>もしも電子と原子核が一つずつしかなく、それらが束縛された状態にあるなら、いくら原子核が振動したところで、電子は乱れません。

これで分かった気がします。
エントロピーが広がる方向に行くから電子の運動エネルギー(?)が格子に広がって帰ってこなくなって、さらに物体の外部に行ってしまうのですね。
ありがとうございます!

ということは、抵抗の理解自体には量子論の知識はいらないと思って良いでしょうか?

お礼日時:2007/09/01 11:08

すみません


何か変なこと言ってました。
忘れてください・・・
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>>振動で引っ張ったり押したり(?)で電子への影響はプラスマイナスゼロのような気がするのですが・



例えば物体Aが右に進んでいるとき、物体Bに右からぶつかられるのと、
それと同じ速さで左からぶつかられるのでは相対速度が違うため、影響が変わってきます。
進んでる方向からぶつかられた方が影響が大きいため、あなたのいう「引っ張る」と「押す」は等価ではなくなります。
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>しかし、+の電荷を持つ原子核は、別に振動しなくても、-の電荷を持った電子の運動に影響を与えると思うのですが、なぜ「振動」が重要なのでしょうか?



それこそトータルでゼロになると思いますよ。表面近傍は別ですが。

>おおざっぱに考えると、電荷+の原子核が振動していたら、振動で引っ張ったり押したり(?)で電子への影響はプラスマイナスゼロのような気がするのですが・・

格子振動と原子核そのものの振動をきちんと区別して、もう少し考えてみるといいと思います。
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