よろしくお願いします。
ある人生相談を見ていて、不自然というか疑問に思ったことがあるので質問したいと思います。
ある相談者が、許せないという思いを抱いていました。彼は両親に対して怒りを感じています。彼が怒りを感じるのは、彼が語るところを素直に聞く限り、私個人としては、もっとなことのように感じます。ですが、誇張かもしれませんし、抱かない人もいるのかもしれません。しかし、彼はそういう家族とも接しなくてはいけないので苦しんでいます。離れる選択は、部分的には可能ですが、まったく離れるというわけにもいかない・・・。
こういう状況があるとします。
この場合に、家族と接するのが苦しいのは、彼の怒りによるものだから、彼が両親を許し、育ててもらったことに感謝することによって、彼自身が救われる、気持ちが軽くなるというアドバイスがなされています。そしてそのことによって、相手も変わるとも。
理屈としてはわかるのですが、このような人生訓は、カウンセリングとしてはどうなのか?というのが感想です。相談する人にすら受け入れてもらえないわけですよね? こういう厳しい言い方に、本当の愛がこもってると彼らは言ってますし、中にはこういうのが必要なことだってあるのかもしれませんが、杓子定規にこういうことを言う人がたくさんおられます。カウンセリングの勉強したことがあるそうです。
私はカウンセリングの勉強はしたことがないです。しかし、カウンセリングの基本概念とは、ぶつかりそうだという印象を持っています。
実際の所、カウンセリングに、このように許せ、許さないことによって自分が苦しむという理論はあるのでしょうか?
念のためですが、あくまでも個人的な疑問として聞いていますので、ここで、このやり方を否定にしろ賛成にしろ、回答をもらったからと言って、何もアクションはしません。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
まず第一に,人生相談はカウンセリングではありません。
対話を通して問題を抱えた人を援助するという点では共通するものがあるとは言え,
人生相談では即断即決,一問一答式に相談者に指針を与えねばなりません。
さらに決定的な違いは,
対話の状況を公にすることで読者や視聴者といったオーディエンスに向けて
何らかの教訓なりメッセージなりを発することが期待されている点です。
そのためオーディエンスを意識した演出やスタンドプレイ,
たとえば相談者の側の至らぬ点を叱責したり,
あえて極論を突きつけて相談者を動揺させたりというようなことがときにあります。
守秘義務に守られた通常のカウンセリング状況ではオーディエンスへの配慮など必要とされません。
第二に,非指示的,受容的なものだけがカウンセリングではありません。
日本ではカウンセリングという呼称がいい加減に用いられ,
サイコセラピー,コンサルティング,果てはセールストークのようなものまでが
カウンセリングの名で呼ばれることがあります。
その一方で,多少なりともカウンセリングの知識がある人は
ロジャーズ的なもの,パーソンセンタードで非指示的なものだけが
カウンセリングの名に値すると思い込んでいらっしゃることが多いようです。
たしかにロジャーズ的なアプローチが現在のカウンセリングの主流であることは事実ですが,
じつはロジャーズ以前からの指示的カウンセリングの伝統も進化しながらどっこい生きてます。
またクライエントの役に立つなら何でもやってみようと,
精神分析のような古典的なものからナラティヴのような流行りものまで取り入れて,
エクレクティック(折衷的;別名無節操)なアプローチを取るカウンセラーもじつは多いのです。
質問者さんが疑問に感じられた人生相談の回答は
たしかにロジャーズ派のカウンセリングの基本姿勢からは外れているように見えます。
ただ,現実の継続的なカウンセリングの流れの中で
行動のひとつの選択肢としてカウンセラーがそのような示唆をすることはあり得ないことではないと思います。
その人生相談の回答者がどのようなキャリアを持ち,
どのような姿勢で相談に応じているかはわかりませんが,
ロジャーズ派のカウンセリング理論を持ち出して人生相談を評価するのは
ミス・ユニバースの審査基準を持ち出して女優の魅力を論じるようなものではないでしょうか。
(比喩になってますかしら?)
人生相談の回答者にとってカウンセリングの知識は
ないよりあったほうがいいという程度のものだと思います。
心理学カテゴリーでの御質問ですので,ついでに申し添えますと,
心理学とカウンセリングの接点は世間の人が思うよりずっと限定的なものです。
欧米ではカウンセラーの養成は心理学ではなく教育学の大学院で行なわれるのが通例です。
日本でカウンセラーの仕事をしている方の多くは心理学の専門家ではありませんし,
逆に心理学者の中でカウンセリングの専門家と呼べる人は10人に1人もいません。
臨床心理士に限っても,欧米のカウンセラー並みの専門的トレーニングを積んでいる人はごく少数派でしょう。
回答ありがとうございます。
まず第一の点について。
よく分かりました。そうすると、そもそもほとんど関係のない人選相談の場に、カウンセリング理論を持ち出すことは、あまり意味がないことなのかなと思いました。私が書いている人は、カウンセリングの大学公開講座を受けている程度のようなので、プロではありません。生兵法で言ってるだけなのかもしれませんね。
また第二点についても了解しました。実際の場面では、支持的なことを言うこともありえるわけですね。そして、そういった個別的対応の中で、許せが出てきていることもあるだろうということですね。
一つ確認したいのですが、許すことによって心が楽になるという方法論を提唱してるような人はいるのでしょうか?
これはあくまでも、この人達個人の人生訓を、心理学的な装いで話しているだけなのでしょうか? もしよろしければ、そこの点だけ教えてくださると幸いです。詳しい回答をありがとうございました・
なお、案件はここのサイトの人生相談はありません。
No.6
- 回答日時:
#5です。
カウンセリングや臨床心理学の専門家ではないので
断定的なことは言えませんが,
>許すことによって心が楽になるという方法論を提唱してるような人はいるのでしょうか?
そのような人は釈迦とイエス・キリストぐらいしか知りません!
逆に抑えつけてきた感情を表に出し,
怒りをその対象や代替物にぶつけることで
いわゆるカタルシス効果を期待するアプローチならあるようですが。
>これはあくまでも、この人達個人の人生訓を、心理学的な装いで話しているだけなのでしょうか?
その可能性が高いように感じます。
ひょっとして特定の宗教の信者さんたちだったりしませんか?
補足いただきありがとうございました。
やはり方法論としては、おそらくですが、出されているものではないのですね。許すというのは、自発的な心の流れでしょうし、仮にそれに効果があるとしても、人工的に作り出すことには、通常は無理があると考える方が自然なのでしょうね。
と、大多数の人は思うと思っていたのですが、そうでもないようです。
実は、そこの場合に限って言うと、宗教は関係あります。あまり細かくは欠けませんが、宗教にある一定の心理療法的効果なども参考にして、カウンセリングに取り入れたというようなことをおっしゃってました。参加者は全くの一般人も多いですが、影響されている人も多いので、全体としてそういう感じになっています。
なので、一般人でもそう考える人って多いのだなと驚いた次第です。
ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
おそらく頭ごなしに『許せ』と言われたわけではないと思います。
例えば、大事に取っておいたケーキを、誰かに食べられてしまったとします。よくあることですね。
普通の人なら怒るでしょう。
許せと言われても、許せませんね。
そこでカウンセラーは「まぁダイエットができてよかったんじゃない?」とか「相手も悪気はなかったんだよ。あなたにもそういうことない?」などとアドバイスします。
すると状況は何一つ変わっていないのに、相手を許せる気分になってきます。
相手を許さずに責めていれば今頃、関係は悪化しているでしょう。
相談者の考え方を変えて、良い捉え方ができるようにするのもカウンセリング手法の一つです。
(適さない場合ももちろんあります)
回答ありがとうございます。
頭ごなしというのとも違うのですが、許さない限り人は、その許さないという気持ちから解放されないということは、前提としてあるようなのです。ですから、かなり極端な内容でも、許すという前提は、本人の治療のためということらしいのです。でも、もちろん怒って当然だということは誰の目にも明かなことだってありますから、それはその人を中心とする方だって分かってはおられるようですので、いつかは許してあげてくださいね、という優しい言い方にはなっていますが、許さない選択肢は「本人のために」ないようなのです。
確かに許して忘れてしまった方が楽だと思いますが・・どこかに不自然さを感じるものでもあります。でも正論というのは、根深いものなのかもしれません。
No.3
- 回答日時:
加藤諦三ホームページ
http://www.kato-lab.net/→「人を育てる」→「良い子」を参照ください。その他も参考になると思います。回答ありがとうございます。
ほとんどその手の本は読まないのですが、加藤先生の本だけは、ここのサイトで紹介してる方がいましたので、読んでみました。「よい子」はむしろ自分自身の身につまされる部分も多かったです。というよりは、全く当てはまらない人が逆に少ないのかもしれません。
No.2
- 回答日時:
カウンセリングの基本は、相手の思いを聞く(傾聴が原点です)心で聞く事で相手と共感出来るものが原点と聞いています。
クローズクレッションでは無く、相手が如何に話をしたい気持ちにさせてスキルとも思います。
極論は、カンセリングを受ける人の心の整理を手伝う事であり、カウンセラーは回答も、自分の気持ちも言わず、相談者の言葉を旨くファシリティートする。
主体は相談者自身でそれを援助(心の整理を手伝う)のみが本来の目的であり、オープンクレッションの持って行く力がカウンセリングには求められると聞きます。
回答ありがとうございます。
私もカウンセリングの基本は、そういうものだと思っていました。ただやはり人生相談の場にそれを持ち込んでもいつのまにか、みのもんたみたいになってしまうものなかもしれませんね。だったら最初から、みのもんたや細木数子みたいな説教屋やってる方が、分かりやすいのかもしれません。
No.1
- 回答日時:
正論は正論なのでしょうが、問題の核心は元の質問者が「両親を許す事が出来ない」ですので、それを「許せ」ってのはミもフタも無いです。
真っ当にカウンセリングするのなら、「なぜ許せないのか?」の原因を確認し、「どうすれば許せるか?」って事をしっかりフォローする必要があるかと思います。
> 中にはこういうのが必要なことだってあるのかもしれませんが、
確かにガツンと言われて効果があるようなケースもありますが、専門医の立場からの言葉として相手に伝えてこそ、効果が発揮されるケースも多いかと思います。
カウンセリングに必要なのは、医師と患者の信頼関係です。
こういうコミュニティで信頼関係を築き上げるのは、なかなか困難かと思います。
> 相談する人にすら受け入れてもらえないわけですよね?
こういう事で形だけの「ありがとうございました。」なんて回答をする分には、さして問題にはならないかと思いますが…。
回答ありがとうございます。
他の回答者の方からも指摘がありますが、カウンセリング的なことを、掲示板でやるというところが、そもそもそぐわないこと、無理なのかもしれませんね。一応理由は聞くものの、どうしても結局はおせっかいおじさんみたいになってしまうのは仕方のないことなのかもしれません。書き言葉の難しさもありますし、表情もわかりませんし。
あたりさわりの無いことを言っている分には実害はあまりないのかもしれませんね。
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