
硫酸は、いろいろ調べたところによると、98.33 %のものが普通に得られる最も高い濃度のもののようです。対して、硝酸は、「濃硝酸」として市販されているものは、70 %とか63 %程度のもののようです。しかし、ウィキペディアによると、硝酸の性質として、
密度と相: 1.4 g/cm3、液体
沸点: 121 ℃
となっており、また、今手元にありませんが、「理化学辞典」第4版(岩波)によると、沸点が83 ℃とか86 ℃くらいの液体だ、とあったと思います。ということは、100 %かそれに近い濃度の硝酸も得られるということだと思いますが、なぜ市販の濃硝酸は70 %程度なのでしょうか。濃硫酸のように100 %付近の濃硝酸というのは何か問題があるのでしょうか。たとえば、塩酸は硫酸や硝酸と違って塩化水素の水溶液ですので、塩化水素の水への溶解度の理由から、100 %の塩酸というのが存在し得ないことは分かるのですが。
ご存知の方、ご教示いただきたくお願いいたします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
98%の硫酸は共沸混合物になっています。
沸点338℃というのもこの共沸混合物のものです。68%の硝酸も共沸混合物です。沸点121℃というのはこの共沸混合物のものです。
組成が共沸混合物になると蒸留によって分離できなくなりますので通常はその濃度が蒸留による最高濃度になります。もっと高い濃度のものを必要とするときは別の製法を利用しなければいけません。コストも変わってきます。
薄めて使うことが想定されている場合はこの濃度で十分ということでしょう。
化学辞典(東京化学同人)には
「無水の硝酸は硝酸に濃硫酸あるいは無水の硝酸マグネシウムを加えて減圧蒸留をすると得られる」
とあります。
ご回答ありがとうございます。
68 %の硝酸は共沸混合物なのですか。それでは、「理化学辞典」にあった、沸点83 ℃の硝酸は、無水の硝酸なのですね。ウィキペディアの硝酸の沸点は、共沸混合物の沸点だったのですね。
この質問をしたのは、どこかのサイトに、
「濃硫酸は98 %、濃硝酸は63 %、濃塩酸は36 %である。これらの値が、その分子量に近い事は、興味深いことである。」
と書かれてあったからです。よく考えると、分子量は、硫酸が98.08、硝酸が63.01、塩化水素が36.46ですが、濃硫酸の98 %と濃硝酸の63 %は、共沸混合物の組成に由来するものであり、濃塩酸の36 %というのは、塩化水素の水への溶解度に由来するだけで、ただの偶然だということの根拠をつかんでおきたかったからです。確かにそれぞれ分子量の値に近いですが、ただの偶然ですよね。
ご回答ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
偶然だというものの良く数字が一致していますね。
混合物の濃度が分子量になっているということを書いているサイトがあるのですね。驚きました。
巷の科学では数字の一致を見つけただけで法則のように扱っているものがあります。単なる偶然なのか根拠があるのかの吟味が必要なのですが。
再度のご回答ありがとうございます。
そのサイトは、高校生向けのレベルだったと記憶しています。ですので、それをもって何らかの法則のようなことをうたってはいませんでしたが、私は妙にその事実がひっかかり、質問に到ったわけです。単なる偶然だと思うのですが。ご回答ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
H2SO4という物質はそれなりに安定な液体なので、水を含まないほぼ100%の物質として存在するし、普通に市販するのに問題ないのでしょう。
HClはご存知の通り気体で、水に溶かさないと塩酸になりません。なので100%は無理な話です。
ではHNO3はどうかというとウィキペディアの情報より100%に近い状態では液体として存在するようです。ただしあまり安定ではなく市販したり普通に使用できるレベルではないのでしょう。
硫酸は不揮発性だけど硝酸は揮発性という性質からもある程度想像ができるかもしれません。
ご回答ありがとうございます。
硝酸は、あまり安定でないので純硝酸は市販されていないのだろう、ということですね。よく分かりました。硝酸は揮発性の部類に入るのでしょうか。「理化学辞典」第4版(岩波、1987)が今手元にありますが、硝酸の沸点は83 ℃とのことです。ウィキペディアでは、上の通り沸点は121 ℃となっていますが。試薬メーカーなどの専門家の方のご意見を伺いたいと思っています。ともあれ、ご回答ありがとうございました。
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