ちょっと先の未来クイズ第1問

料理の塩加減の計算について伺います。

ちょうど良い塩加減というものは、塩の濃度として
大体0.8%前後が目安だと一般的に言われているようですので、

調理時に加える塩の重さ = 料理の仕上がり重量 X 0.008 - 食材が含有する塩の重さ

ということで、
調理時に加える塩の目安が計算で求められると思うのですが、
食材に元から含まれている塩分は、どうやって調べればよいでしょうか?

一般的には、成分表とかで食材のナトリウム含有量を調べて、
23(ナトリウムの原子量)+35.45(塩素の原子量)=58.45(塩化ナトリウムの質量)
58.45÷23=約2.54ということで、
食材のナトリウム含有量を2.54倍すれば「食塩相当量」が分かるという理屈があるようです。

しかし、この計算方法は、
「食材に含まれるナトリウムはすべて塩化ナトリウムである」という前提があってこそ
成り立つものだと思うのですが、そもそも、この前提が正しいのかどうか、
つまり、主な食材に含まれるナトリウムが本当にすべて塩化ナトリウム由来なのかどうか、
合理的な説明を私はこれまで見たことも聞いたこともありません。

実際、食材の成分には塩化ナトリウム以外に由来するナトリウムがあります。

例えば、ある食材中に、
グルタミン酸ナトリウムやコハク酸ナトリウムといったうまみ調味料とか、
炭酸水素ナトリウム(重曹)やクエン酸ナトリウム(酸味)などが含まれていたら、
つまり、塩化ナトリウム以外のナトリウム化合物が食材に含まれていたならば、
ナトリウム含有量を2.54倍した「食塩相当量」というものは、
その食材に含まれる塩化ナトリウムの量とは異なる値になるでしょう。

このあたりをどう考えればよいのか、ご教示頂ければ幸いです。

A 回答 (2件)

>もしかしたら、塩化ナトリウム以外のナトリウム化合物で、


>食品中にナトリウムイオンとして存在するものがあるならば、
>それも塩味として作用するのかもしれないと思います。

味覚生理学は全くの門外漢ですが、手もとの啓蒙書『味の秘密を探る』(日本化学会監修、丸善)には、以下のような解説があります。
------------------------------
 塩味とは、いろいろな塩(えん)の味のことである。とはいえ、「これぞ塩味」の味を示すのは食塩つまり塩化ナトリウム(NaCl)だけで、煮たような塩(えん)である塩化カリウム(KCl)や硫酸ナトリウム(Na2SO4)は味がはっきりと違う。食塩の味は、ナトリウムイオン(Na+)と塩化物異音(Cl-)の両者の組み合わせで初めて生み出される。
------------------------------
つまり、塩味は塩化ナトリウム以外では代替できないということです。

ちなみに、JIS Z 8144 「官能評価分析―用語」の「塩味」の定義は以下の通りです。
------------------------------
 塩味(しおあじ) 食塩などを代表とする物質によって引き起こされる味覚  saltiness
------------------------------
この、「など」の部分が若干気になるところではあります。

食品に含まれるナトリウム分の測定方法は、健康増進法に基づく厚労働省告示「栄養表示基準」の別表第二に、「原子吸光光度法又は誘導結合プラズマ発光分析法」とあるだけです。
塩素は栄養表示基準の対象外なので測定方法の規定もありませんが、一般的には原子吸光光度法、つまり特定の原子が吸収する光のスペクトルを測定すれば可能でしょう。水道水の残留塩素濃度も同様の方法で測定しているものと思われます。

測定方法はどうであれ、
現実問題としてたとえば「ニラレバ炒め」を作るときに、
豚肝のナトリウム量:55mg/100g × 2.54(食塩換算) × レシピの分量
  +
にらのナトリウム量: 1mg/100g × 2.54(食塩換算) × レシピの分量
…などと材料の「塩分」をいちいち計算して塩加減を厳密に決める人はたぶんいないでしょう。

食べるほうも、その日のコンディション(よく汗をかいたとか)によって体が求める塩分が異なるはずですから、そちらをどうやって客観的に測定するかが問題になります。

そもそも、レシピの「塩一つまみ」といった超アバウトな分量による誤差のほうが遥かに大きいはずなので、厳密に計算する意味は全くないと思います。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

まず計量のことですが、
菓子作りではグラム単位でシッカリ計量するのが普通ですし、
0.1グラム単位で重さが分かるデジタル量り(数千円程度)があれば、
一般家庭でも簡単に塩の加減ができますね。

> 材料の「塩分」をいちいち計算して塩加減を厳密に決める人はたぶんいないでしょう。

野菜などナトリウム含有量が少ないものは、
食材に含まれる塩分をゼロとみなして塩加減を簡単に計算できますが、
ある程度ナトリウム含有量があるものは、
その食材の塩分というものを無視出来なくなってくると思います。

例えば、生卵のナトリウム含有量は100gあたり140mgなのだそうです。

これが塩味として作用するのかどうかが分かりませんし、
どれくらいの塩素イオンが生卵に含まれているのかも分かりませんが、
とりあえず、塩味として作用するであろうと想定すると、
食塩相当量はナトリウム含有量の2.54倍で356mgとなり、
生卵の塩分濃度は約0.35%という計算になります。

これを調理のときに塩を加えて、料理として妥当な塩加減にしようとするとき、
塩分濃度0.35%の違いというのは誰にでも分かると思います。

 塩分濃度0.5% → 薄め
 塩分濃度0.6% → やや薄め
 塩分濃度0.7% → やや薄め~ちょうど良い
 塩分濃度0.8% → ちょうど良い
 塩分濃度0.9% → ちょうど良い~濃いめ
 塩分濃度1.0% → 濃いめ~しょっぱい

つまり、生卵のナトリウム含有量について、
塩味として作用するだろうと考えて塩加減に含める場合と、
塩味として作用しないだろうと考えて塩加減に含めない場合とでは、
出来上がる卵料理の塩味が、かなり違ってくるということですね。

ですので、客観的に計算で塩加減をする場合、
卵のように、ある程度のナトリウムを含有する食材の塩分は、
いったいどれぐらいの程度なのか、無視できないと思うわけです。

それと、お年寄りとか病気で食事の減塩をする人や、
そういう人向けの献立を考える人は、
ナトリウム量を考慮せざるを得ない食材があるかもしれないですね。

ご指摘の本の内容はとても参考になるお話ですが、
包装の成分表示や食品成分表に掲載されているような、
食材のナトリウム含有量というものは、果たして塩味として作用するのでしょうか?

お礼日時:2007/11/12 08:08

>ちょうど良い塩加減というものは、塩の濃度として大体0.8%前後が目安だと



吸い物の場合は、塩分濃度0.8%~0.9%程度が最も“美味しい”といわれています。これはヒトの体液(血漿や細胞間液など)の塩分濃度と同等で、科学的に根拠があることです。

が、“最も美味しい塩分濃度”は料理の種類によって異なるはずです。たとえば味噌汁は少し濃い目の0.9~1.1%程度のほうが美味しいようです。漬物や干物は1%程度ではあまりにも味が薄すぎて不味いでしょう。

>食材のナトリウム含有量を2.54倍すれば「食塩相当量」が分かるという理屈

ナトリウム量×2.54という数字は、あくまで「食塩相当量」、つまり食塩に換算した場合の値であって、「食塩量」でないことはご承知かと思います。
市販加工食品の場合、栄養表示欄に示されている「ナトリウム量」は、文字通り「ナトリウムの総量」であって、食塩(塩化ナトリウム)だけの数字ではありません。原材料にもともと含まれているナトリウム分や
添加物としてナトリウム化合物を使用した場合は、そのナトリウム分も当然この数字に含まれています。
ちなみに、従来、食塩を加えていないバターやトマトジュースは「無塩」と表示されていました。しかし、原料の牛乳やトマトに含まれているナトリウム量が「無・ノン・ゼロ」等の表示許可条件である「100g(100ml)あたり5mg」を超えるため、「無塩」という表示ができなくなり「食塩不使用」に変更されています。

話を元に戻して、
「料理の塩加減」をナトリウム量で単純に示すことはできないし、あまり意味がないと思います。
ナトリウム化合物が全て塩化ナトリウムと同じ性質・程度の塩味を示すわけではありません。また、ヒトが感じる塩味の程度は、他の味との組み合わせによって変わってきます。甘味に少量の塩味を加えると甘味が感じられる「味覚の対比効果」は有名です。塩味にうま味を加えることによって塩分の使用量を減らすことができる効果もよく知られていいると思います。

要は、料理の塩加減はナトリウム量の計算だけで決まるものではなないということです。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

> 「料理の塩加減」をナトリウム量で単純に示すことはできないし、あまり意味がないと思います。
> ナトリウム化合物が全て塩化ナトリウムと同じ性質・程度の塩味を示すわけではありません。
> 要は、料理の塩加減はナトリウム量の計算だけで決まるものではなないということです。

う~ん、どうなんでしょうか。

人の舌には味を感じる仕組みというものがあるようで、
塩味の場合は、味を感じる役割の「味蕾」という細胞に、
ナトリウムイオンが作用して塩味を感じるのだそうです。

舌の味蕾細胞にナトリウムイオンが作用 → 塩味を感じる

塩、すなわち塩化ナトリウムの場合は、
食材や料理の水分に溶けてナトリウムイオンとなって、
それが味蕾で塩味として感じられるのだそうです。

塩化ナトリウム → ナトリウムイオン(塩味) + 塩素イオン

もしかしたら、塩化ナトリウム以外のナトリウム化合物で、
食品中にナトリウムイオンとして存在するものがあるならば、
それも塩味として作用するのかもしれないと思います。
(そういう化合物があるのかどうかは分かりませんが・・・)

とにかく、「味覚の対比効果」などの創意工夫をするとしても、
人間が塩味を感じるということの原点が、
ナトリウムイオンの作用だという仕組み自体は変わらないでしょう。

ですので、客観的で適切な塩加減をするためには、
ナトリウム量の計算を避けて通るわけには行かないと思うのです。

ナトリウム量にこだわらないとしたら、
食材に元から含まれている塩分は、どうやって調べればよいでしょうか?

お礼日時:2007/11/11 17:21

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!