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NMRの原理についての質問です。

NMRは、核スピン量子数が0でない原子核の磁気モーメントの変化を測定している事は理解できます。しかし、なぜ外部磁場によって磁気モーメントが磁場に平行なスピンと逆平行なスピンに分かれるのかが理解できないでいます。外部磁場を加えた瞬間に磁気モーメントを持つ全ての原子核が安定なスピン状態に反転しそうなものですが・・・・・・?

A 回答 (5件)

No.4です。

混乱させてしまったならすいません。

まず、細かい(けれど大切な)訂正です。

>量子力学ではスピン角運動量Lはスピン量子数IでL=I(h/2π)と表され、束縛状態ではL=m(h/2π)、m=I,I-1,…,-Iの値を取るように量子化されます。
>(陽子は)スピン量子数Iは1/2ですので、スピン角運動量はL=+1/2(h/2π),-1/2(h/2π)のみの値を取り得ます。

と書いてしまいましたが、正しくは、

・スピン角運動量Lはスピン量子数I でL=I(h/2π)と表され、束縛状態ではスピン角運動量の「磁場方向成分」はLz=m(h/2π)、m=I,I-1,…,-Iの値を取るように量子化されます(mまたはmzを磁気量子数と呼びます。また磁場方向=量子化軸をz軸と呼ぶ習慣があるので、Lzと書かれます)。
・(陽子は)スピン量子数Iは1/2ですので、スピン角運動量の「磁場方向成分」はLz=+1/2(h/2π),-1/2(h/2π)のみの値を取り得ます。

です。


さて、このことを受け入れるならば、
「中途半端な磁気モーメントの方向は許されないという結論は承知しております。その原因が古典力学的に説明が可能であるのか、あるいはエネルギー状態が量子化されているからという事なのかはっきりできないでいます。」
とおっしゃるのは???です。角運動量の磁場方向成分が量子化されていることにより=古典力学でなく量子力学により、中途半端な方向が許されないのです。


さて追加のコメントです。

>核磁気モーメントは外部磁場の方向を軸にして歳差運動をしますが、外部磁場の方向と磁気モーメントの成す角度は一定に保たれるはずであると考えます。
>核磁気モーメントと外部磁場平行のときにエネルギー極小になる角度+θと核磁気モーメントと外部磁場が逆平行のときにエネルギー極小になる角度-θです。

少し違います。核磁気モーメントと磁場方向のなす角度は±θではなくて、θと(180°-θ)です。また、このような角度になる理由は、
>エネルギー的に極小と成る角度
だからではありません。

角運動量Lの大きさは量子力学的には√(|L|^2)=(h/2π)√(I(I+1))です。これに対し、磁場方向成分の大きさはLz=m(h/2π)、m=I,I-1,…,-Iです。陽子(I=1/2)の場合、角運動量の大きさ(ベクトルの長さと考えて下さい)は√(|L|^2)=(h/2π)√(I(I+1))=(h/2π)√(1/2(1/2+1))=(h/2π)(√3)/2=0.866(h/2π)です。これに対して角運動量の磁場方向成分(ベクトルのz軸への射影)はLz=+1/2(h/2π),-1/2(h/2π)=±0.5(h/2π)です。ベクトルの長さがベクトルの射影より大きいのです。図を描いてみればすぐ分かりますが、これはベクトルが磁場方向から傾いていることにほかなりません。

すなわちスピンが磁場中に置かれると必ず、「斜め」上向きか、「斜め」下向きに傾くのです(これが上向き状態、下向き状態ということです)。


一方、Larmor才差運動についてはまったく古典力学からの帰結です。

古典力学により、磁場B0は(一般の)磁気モーメントμに対して、トルクN=μ×B0を与えます。ここでN、μ、B0はすべてベクトルで、×はベクトル積(外積)です。Nの方向は磁気モーメントμ自身および磁場B0の両方に垂直な方向になります。ただの磁気モーメントであれば、Nの方向を軸として磁気モーメントは回転運動をする=磁気モーメントが磁場に近づくような運動になります。

ところが「核」磁気モーメントの場合、現象はまったく違い、才差運動になります。これも次のような古典力学から理解できます。

原子核は(スピンによる)角運動量Lをもちこれが核磁気モーメントμを作り出しています: μ=γL。角運動量Lをもった物体にトルクが働くと、その瞬間的変化量はdL=Ndtであることが古典力学(運動方程式N=dL/dt)から分かります。この結果、核磁気モーメントμが運動する方向はN=μ×B0の方向(核磁気モーメントμ自身および磁場B0の両方に垂直な方向)になります。各瞬間でそのような運動をすると、連続的な運動として核磁気モーメントμは外部磁場B0を軸として円錐状の軌跡を左ネジの方向に描く「首振り運動」をすることが分かります。この首振り運動のことをLarmor才差運動と呼びます。

なお、同様の運動としてしばしば例に挙げられるのは、傾いて自転しているこまの軸の才差運動です。傾いたこまは重力と地面からの抗力を受け、その軸が一致していないためトルク(力のモーメント)を受けます。こまは自転している限り角運動量をもつので、トルクによって発生する運動は上に書いたのとまったく同じ理由で才差運動になります。


これで分かりますでしょうか?

ちなみにLarmor才差運動が古典力学で説明されることから、才差運動(首振り運動)の周波数を求めることは古典力学の演習問題です。少し計算すれば分かりますが、首振り運動の周波数はω0=γB0になります。すなわち、量子力学でエネルギーレベルの差として登場したLarmor周波数ω0が、古典力学で才差運動の周波数ω0として再登場するのです。NMRを理解するにはLarmor周波数の両方の意味を理解することが必要になります。

この回答への補足

回答ありがとうございます。

磁気モーメントがある決まった配向性を持つ理由が古典力学的ではなく量子力学的に説明される事について理解することが出来ました。しかし、4つめの回答の補足項でも申し上げました通り、私は量子力学について深く学んだことがありません。回答を下さった皆様方に多大な感謝をしておりまが、この問題につきましては量子力学を一度きちんと学んでから取り組んだ方が良い理解につながると感じました。よって、中途半端ではありますがここでQ&Aを締め切ることにします。本当にご協力ありがとうございました。

ご回答くださった内容につきましては、後日再び参考にする事が有ろうかと思います。

補足日時:2007/11/26 01:51
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ほかの方の回答でだんだん理解が深まって来たようで良かったですね。

でも最初の質問と違う部分の説明はあっても質問部分は回答できていないようです。また、次から次へと新しい疑問が出て来ているようなので、少々長いですが、全部まとめてお答えします。


・「なぜ外部磁場によって磁気モーメントが磁場に平行なスピンと逆平行なスピンに分かれるのか」

つきつめると、「そういうものだから」としか言い様がないのですが、スピン角運動量(に限らず一般に角運動量)が量子化されることの現れです。量子化とは電子が束縛状態に置かれた場合など、物理量がとびとびの値を取ることです。たとえば電子が原子内に束縛されている場合、そのエネルギーはとびとびの値を取り、K殻・L殻などの殻構造を説明します。

スピンに由来する磁気モーメントμが磁場B0中に置かれた場合もエネルギーは量子化されます。磁気エネルギーは古典力学的にも量子力学的にもE=-μ・B0です。磁気モーメントμがスピン角運動量Lに由来している場合、すなわちμ=γLで表される場合(比例係数γを磁気回転比と呼ぶ)を考えます。量子力学ではスピン角運動量Lはスピン量子数IでL=I(h/2π)と表され、束縛状態ではL=m(h/2π)、m=I,I-1,…,-Iの値を取るように量子化されます。この結果、エネルギーはE=-γ(h/2π)B0 I,-γ(h/2π)B0(I-1),…,+γ(h/2π)B0 Iのように量子化されます。このように分離したエネルギーをZeeman分裂と呼びます。なお上のエネルギーの式でγB0=ω0=2πν0のようにまとめると、E=-(h/2π)ω0 I,…=-hν0 I,…のように書けます。このω0およびν0をLarmor角周波数およびLarmor周波数と呼びます(両方区別しないで簡単にLarmor周波数と呼ぶことが多いです)。

さて電子やNMRの対象である陽子(プロトン)が磁場中に置かれた場合を考えます。スピン量子数Iは1/2ですので、スピン角運動量はL=+1/2(h/2π),-1/2(h/2π)のみの値を取り得ます。これをスピンが、磁場と平行状態、反平行(逆平行)状態を取ると言います。あるいは上向き状態、下向き状態とも呼びます。

ここまでで、質問者さんの「磁気モーメントが磁場に平行なスピンと逆平行なスピンに分かれるのか」あるいは「磁場の無い環境では縮重していたエネルギー順位が、磁場によって分裂する原動力が解りません。」に部分的に回答できたのではないでしょうか? 電子や陽子では磁場に対して垂直な状態(横向き状態)がないことも分かりますね? I=1/2ではL=0(h/2π)の状態を取らないからですね。なお、重水素核ではI=1ですのでL=1(h/2π),0(h/2π),-(h/2π)の3つの状態を取り得ます。つまり上向き・横向き・下向きが存在します。

スピン系の安定性はエネルギーから判断できますので、電子や陽子の磁場中のエネルギーを上の一般論から書き表しますと、E=-γ(h/2π)B0(+1/2),γ(h/2π)B0(-1/2)=-(1/2)hν0,+(1/2)hν0のようにZeeman分裂します。エネルギーは、上向き状態が下向き状態より低く安定です(ν0すなわちγが正の場合)。ついでに言うと、この2つのエネルギー差ΔE=E(-1/2)-E(+1/2)はhν0であり、NMR(陽子などが対象)やESR(電子が対象)ではこのLarmor周波数ν0を観測します。原子中で電子が受ける磁場の場合もまったく同じようにZeeman分裂が観測されます(NMRなどと違って磁場が外部磁場B0でないのでLarmor周波数とは呼ばないだけで、現象はまったく同じです)。

状態のエネルギーが分かったので、「外部磁場を加えた瞬間に磁気モーメントを持つ全ての原子核が安定なスピン状態に反転しそうなものですが・・・・・・?」に答えることができます。

「なぜすべての原子核(陽子)が安定な上向き状態にならないか」、に一言で答えるとエネルギーとエントロピーの兼ね合いからです。エネルギーが最小になるのはすべてのスピンが上向き状態を占拠する場合です。一方、エントロピーが最大になるのはスピンの半分(100個のスピンがあれば50個)が上向き、半分が下向きを占拠する場合です。エネルギーとエントロピーの兼ね合いから、実際はこれらの中間的な状況が生まれます。

中間的な状況として上向き状態の占拠数p(+1/2)と下向き状態の占拠数p(-1/2)がどのようになっているかは、両状態のエネルギーと温度によって決まります。統計熱力学から状態の占拠数はBoltzman分布に従うことが分かります。すなわち状態の占拠数はBoltzman因子に比例します: p ∝ exp(- E / kB T) (kBはBoltzman定数)。この式は、エネルギーEが高くて不安定なほど占拠数は小さく、エネルギーが低くて安定なほど占拠数は大きくなることを反映しています。

上向き・下向き両状態の占拠数の比はp(+1/2)/p(-1/2)=exp(- E(+1/2) / kB T)/exp(- E(-1/2) / kB T)=exp( +ΔE / kB T)=exp( hν0 / kB T)=ですから、計算することができます。室温T=300K、ν0が通常のNMR周波数100MHzとして計算してみて下さい。質問者さんの想像とは正反対に、占拠数比がほとんど1である、言い換えると上向き状態と下向き状態の占拠数はほぼ50%:50%であることが分かりますよ。絶対零度では上の占拠数比が無限大になり、上向き状態と下向き状態の占拠数は100%:0%になります。

なお占拠数が完全に50%-50%なら、磁気モーメントが作る巨視的磁化(上向き状態と下向き状態の差として現れる)は0で、NMRやESR現象は観測できません。極めてわずかにエネルギー的に安定な上向き状態の占拠数が多いためにNMRやESR現象が観測できます。ESRはともかくNMRが感度の低い分析法であるのはこのためです。

Boltzman因子中のΔEあるいはhν0を考えれば分かるように、Larmor周波数が100MHzより500MHz、さらには1GHzのように大きいほど、両状態の占拠数の差は大きくなり、感度が向上します。ESRでは周波数がもともとGHzオーダーなので(電子の磁気回転比が陽子の磁気回転比よりずっと大きいため)占拠数の差はNMRよりずっと大きく、したがって感度はずっと高くなります。またBoltzman因子中の温度Tとして室温でなく、極低温を考えると、やはり占拠数の差が大きくなり感度が高くなります。


こんなところで理解できますでしょうか?

なお上の説明では一箇所ごまかしっぽい部分があります。よく考えれば分かりますのでダマされないように批判的に読んでみて下さい。疑問に感じなければ結構ですが、もし疑問を持たれたならば再度お答えします。

この回答への補足

なんだか、雲を掴むような感じになってまいりました。
理解力が足りず、申し訳ございません。
回答No.3様、回答No.4様共に考察の参考にさせていただいております。

核スピンによる磁気モーメントが外部磁場に対して正確に平行・逆平衡状態に分裂することがNMR測定の大前提であるはずなので、中途半端な磁気モーメントの方向は許されないという結論は承知しております。その原因が古典力学的に説明が可能であるのか、あるいはエネルギー状態が量子化されているからという事なのかはっきりできないでいます。

原子核の核スピン角運動量が量子化されていて決まった角運動量しか持ち得ない事は理解しています。決まった角運動量を持つ原子核の核磁気モーメントと与えられた外部磁場によって原子核はラーモア歳差運動を始める事について学習しました。

核磁気モーメントは外部磁場の方向を軸にして歳差運動をしますが、外部磁場の方向と磁気モーメントの成す角度は一定に保たれるはずであると考えます。これは原子核のもつ核スピン角運動量は原子核によって決まった値をとる事、核磁気モーメントと外部磁場によって角スピンの方向を変えようとするトルクはどの原子核にも一定に働く事から考察されます。

つまり、全てのプロトンが同じ角運動量を持つ以上、全ての原子核について均等に働く外部磁場によって全てのプロトンは同じラーモア歳差運動を始める事が予想できます。プロトンの外部磁場による歳差運動についてエネルギー的に極小と成る角度が二つ存在するハズです。すなわち核磁気モーメントと外部磁場平行のときにエネルギー極小になる角度+θと核磁気モーメントと外部磁場が逆平行のときにエネルギー極小になる角度-θです。この二つのエネルギー極小角度によって核スピンは外部磁場に対して平行・逆平行状態をとるのではないのかというのが今のところの私の一つの考察です。

核磁気モーメントが外部磁場に対して平行・逆平行の二形態しかとらない理由が以上のような古典力学では説明できるものではなく、回答No.4様の仰る様に磁気モーメントが外部磁場によって量子化されるからという理由であるのならば、後々に詳しく量子力学について学ぶ機会までこの問題は後回しにしておこうと考えております。

「なぜすべての原子核(陽子)が安定な上向き状態にならないか」については良く理解することが出来ました。この疑問点につきましては回答No.3様およびNo.4様ともに大きく感謝しております。

補足日時:2007/11/24 18:52
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まず、第一の疑問について。


平行か逆平行以外にはなれないのか。
なれると言えばなれますし、なれないといえばなれません。
まず、簡単のためにI=1/2にします。
すると量子力学によってmz=+-1/2しかとれなくなります。
これが平行か逆平行しか取れないという事です。
ですが、核スピンは量子的なものなのでこれらの重ね合わせも実現できます。
例えば、平行と逆平行を一対一で混ぜると、外部磁場に垂直を向きます。

今は量子化軸(この呼び名は間違っているらしいですが)を外部磁場方向にとっているのですが、当然外部磁場と垂直に量子化軸を取る事も出来ます。
そうすれば、垂直な状態しか取らないということも出来ます。
もちろんこれらを重ね合わせて、磁場に平行な成分で語る事も出来ます。


というわけで、第一の疑問は量子力学の重ね合わせに関連していると思います。
実際には熱平衡状態になったならば、前回の回答のように絶対零度では平行のみ。
有限温度では逆平行も含めた状態が実現します。
逆平行がある以上、これをもってスピンが傾いていると表現しても構いません。
ただし、平均値として。
スナップショットをとれば、当然上か下かしか向いていません。
z軸方向を量子化軸にした測定を行なえばですが。

Iが更に大きいときは、そもそも平行逆平行以外の方向もあるので、当然変な方向を向いた状態もあります。
ただし、スピン自由度を実空間上に射影して考える事は必ずしも正しい理解ではないので、場合によっては誤解が生まれるかもしれませんが。

J.J.Sakuraiの量子力学が分かりやすいとは思います。


第二の疑問について。
原動力自体はゼーマン分裂です。
それは、スピンの自由度を電気の流れと考えてそこに磁場をかければ分かります。
正確には、記憶によれば(私は詳しく計算した事ありませんが)相対論的量子力学で磁場とスピンの相互作用を求めれば良いだけだと思います。
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えっと・・・



色々と誤解がたまっていきそうですが・・・
異常・正常ゼーマン効果は私は門外漢なので知りませんが。


外部磁場を、核スピンIを持つ原子核に印加した場合に、核スピンのエネルギー順位はm=I,I-1,I-2,...-Iの状態に分裂します。
このように分裂することを(少なくともNMRを研究するものは)ゼーマン分裂と呼びます。
提示したPDFのP7に該当します。
ですので、ゼーマン分裂は勘違いではありません。
ゼーマン効果は私は知りませんが。


絶対零度では、全ての磁気モーメントは安定な核スピン状態になります。
つまり、外部磁場と平行方向のみになります。

しかし、有限の温度では統計力学から他の状態も現れます。
ですので、実際には温度も含めて安定な核スピン状態になります。


簡単のためにI=1/2を考えると、これは核スピンが平行と反平行の両方が現れることになります。(温度の効果)
もっと大きなIでは平行と反平行以外にも色々と出てきます。

http://www.agr.hokudai.ac.jp/ms-nmr/assign/nmr2. …

例えばURLの下のほうを見てもらえば分かると思います。

なお提示いただいたPDFは
「磁場方向と反対方向にきれいに分かれる!!」
「交流電流の周波数をラーモア周波数に一致させる

Mはくるくると回り出し、傾いて行く(エネルギーの吸収)
交流電流を止める

Mはくるくる静磁場の方向へ戻って行く(エネルギーの放出)
コイルにより交流電流信号として検出する」
などにおいて、少々混乱させるような表現や間違えられるような表現をしているので、あまり参考にはならないかもしれません。

この回答への補足

アドバイスをよく吟味して整理してみました。
詰まるところ、私の疑問は原子核のゼーマン分裂による所が大きいようです。

今現在の疑問点を整理いたしますと、原子核の磁気モーメントは磁場に対して平行か逆平行以外にはなれないのか。例えば原子核の磁気モーメントが磁場に対して垂直な状態を取る事はできないのか。ということです。

あるいは、磁場の無い環境では縮重していたエネルギー順位が、磁場によって分裂する原動力が解りません。


お二方様のおかげで少しずつ疑問が晴れてきたように思います。
よろしければ以後も知恵をお貸しください。

補足日時:2007/11/24 00:25
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ちょっとだけ勘違いしているようなので、指摘させていただきます。



ゼーマン分裂(正常ゼーマン効果)は、原子核の周りに存在する電子軌道の遷移が、磁場エネルギーなどによって移動することによって生じるスペクトル線が生じるものです。

この時、電子軌道の遷移は、原子の外側へ遷移したり、原子の内側へ遷移することになります。このことによって、電子軌道遷移によって、生じる吸収(この時は、エネルギーが吸収される)や放出(この時は、エネルギーが放出される)によって、ある光の波長に吸収が生じることによって生じます。

ちなみに、NMRの場合には、質問者のおっしゃるとおり、原子核が安定なスピン状態になります。つまり、超伝導磁石などによって、核子(原子核、特に中性子)が持つ磁気モーメントを一斉に同じ方向へ向け、それを一時的にきったり、発生させたりすることによって測定するものです。つまり、ゼーマン効果はあまり関係がなかったりします。

この回答への補足

ゼーマン分裂は勘違いでしたか・・・知識足らずでしたね。

NMRについては回答をして頂いたにもかかわらず疑問が晴れません。
おっしゃる通り、磁場によって原子核の持つ磁気モーメントを一斉に同じ方向へ向けて測定するのであれば疑問は何も無いのですが、此方の手の届く限りの参考書ではその様に記述されておりません。その件につきましては下のpdfでも記述されています。

http://www.ge.kanazawa-u.ac.jp/~kunimoto/kougi/s …
p.p.4の図の所。

やはり、原子核の磁気モーメントは磁場に平行なものと逆平行なものに分かれるのではないのでしょうか?

補足日時:2007/11/23 22:34
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