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No.6ベストアンサー
- 回答日時:
お礼拝見しました。
鋭い突っ込みですね。もう少し書きますね。
>しかし企業の場合はそうではなく、そのカネを元手に利益を生み出し
それが投資者に還元されるわけです。
そうです。しかし質問者さまの想定している「投資者」というのはいくつか種類があります。
まず資本を提供する投資者です。
これは起業する人そのものとか、資本金を拠出する支援者などです。これはまさに資本(カネ)を元手に、利益を生み、株式の値上がりとか配当金などでその利益を分配してもらいます。
この場合は、会社がつぶれればパーです。何も戻ってきません。
次に銀行などの金融機関ですが、これは上記の投資者と同じ意味で投資をしているのではありません。金融機関はお金を貸し、利息を得ることが仕事です。
ですから
>既存の工場などは、その工場を建てる際に投資した分の「期待」であって新たに投資する分の「期待」とは全くの別物ですよね。
という意味の「期待」はもっていません。きちんと経営が成り立って利息を払ってくれることが金融機関の「期待」していることです。ですので上記のようなつぶれたらパーというようなリスクは負いません。担保を取って、つぶれたら確実に貸した分(全部ではありませんが)が帰ってくるようにするのです。利益が生まれるハズという期待は担保になりません。実質的な担保がなければ絶対に貸してくれないのです。
また、地震災害の後で
>既に有名で、投資すればほぼ確実に元手を増やしてくれるという場合
何故融資する側が融資を渋るというのかわかりません。
という考え方も危険です。
たとえば有名でシェアがナンバー1の会社でも、たとえばそれば洗剤ななどの日用品なら、工場が閉鎖されていた期間にほかの会社がシェアを伸ばし、さらに新しい魅力的な商品を出してくることが予想されます。
そうすると生産設備が回復しても、同じように売り上げを上げられるとは限らないのです。
すでに阪神大震災のときに例があります。神戸港の荷揚げ取扱高は、震災前年の56%程度まで落ち、官民上げて2年で完全復興、それも最新設備を整えての復興でしたが、6年後の2000年でも7割までしか回復しませんでした。韓国などの港に荷揚げシェアを取られたのです。
現在では環境対策によるトラック輸送からの振り替えで回復している様ですが、それでも震災前の水準には戻っていないのです。
そして、
>仮に既存の工場などを担保にするにしても、別に東京に工場を建てる場合は必ず東京の土地や工場を担保にしなければならないというわけではありませんよね。
もちろんありません。ただこれは大きな会社の場合です。日本の経済は中小企業が中心です、日本の9割が中小企業ですので、ほかの土地に工場を持っていない会社も多いのです。
中小企業は一般的に資金(資本)に余裕が無いところが多く、もし地震が起きれば、立ち上がれずに廃業という可能性も大きいのです。
結局資本主義の国では何をやるにもカネがかかります。地震で資本(生産設備など)がダメになっても、それを直すのは自己資金(自己責任)が原則になるのです。
もちろん国などの援助はありますが、広範囲に被災した場合、国家予算を逼迫させるまで援助するわけにはいきませんので、それを超える損害が発生すれば、復興原資が足りなくなるのです。
阪神大震災の復興を視察に来た北欧の政治家が、「わが国にはこれだけの建設重機も建設資材も無い。まさに経済大国ニッポンだからできる復興工事だ」と発言されたそうです。その国で阪神レベルの損害が発生したら、耐えられないということです。
もし東京で震災が起これば、工場だけでなく情報産業などの人的産業・国際金融なども打撃を受け、復興に時間がかかればかかるほど、日本の国力を損なう恐れがあるのです。
うまく復興し始め、お金と人が回り始めれば復興特需もあるでしょう。しかしうまく回るまでに時間がかかれば、利益が生まれていないのに食べさせなければならない人が減らず、時間がかかるほど復興につかえたはずのお金が食費に消えるという悪循環が生まれるのです。
長々と付き合っていただき、申し訳ありません。
投資者ですが、双方に共通しているのは「投資している企業が潰れては困る」という点ですよね。
前者については前の返事で書いているので割愛します。後者についてですが
確かに銀行側が融資しなければ企業は一巻の終わりです。しかし、需要が消えてなくなったわけじゃない以上
融資すれば企業は潰れないし、少なくとも新たに融資した分については先ず損することはありません。
何のメリットもないのに早期返済を迫り、貸した金ごと企業を沈めてしまうのか
前の損については目をつぶり、融資して企業を復活させ、復活の過程で前の損分を取り返すのか。
銀行にとってどちらがメリットがあるかは明らかです。
その工場がしまっている間にシェアが乗っ取られる、という例えについてですが
このハナシはあくまで「経済全体のハナシである」ということを思い出してください。
地震で大きな損害をこうむった企業が失ったシェア分、他企業が乗っ取るというのであれば
そもそもこの議論は必要がありません。
寧ろ経済全体で見れば願ったりかなったりの状況です。
日本経済の中心が中小企業、というのは単に数の問題では。
経済に及ぼす影響で見れば圧倒的に大企業が↑です。
特に大企業の下請けのように換えの効かない中小企業は大企業の援助で復活するでしょうし
仮に潰れたとしても、「他の地域に拠点は持っていない」のですから
影響は東京内のみに限られます。いろんな地域に拠点を持っている大企業が
潰れれば、それら地域にまで大きな影響が飛び火することになりますが。
あなたとの議論はタメになるし楽しいのですが、コメントの応酬は
gooのルールに反する可能性があるので、そろそろ締め切ります。
何か最後に書き逃げみたいで本当に申し訳ないのですが
長時間付き合っていただきありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
ちょっと誤解があるようですね。
>要するに今後生み出される利益が担保なんでしょ。
1億円で買った機械が1億円以上の利益を稼いでくれればいいな
という期待を込めて設備投資をするわけですよね。
そうです。会社はそのような期待を込めて設備投資をします。うまく行かないと倒産したりするわけです。
>だったら災害で生産設備が破壊されたとしても、それで潰れるのは
「前の期待」であり、今後設備を一新した後に生み出されるはずの
利益が消えてなくなるわけではないですよね。
設備を一新できれば、利益は新たに発生します。
>少なくとも設備さえそろえば今後も従来どおりの利益を
生み出すことはほぼ確実なわけですから、融資する側も
融資してあげない理由はないと思うのですが。
ここがそうはいかないところです。会社としては上記のように思惑があって設備投資をします。その際に期待できる利益を機会利益といいます。
しかし会社はそう思っても、貸す側の銀行はそうは思いません。そう思ったとしても、銀行は自分のリスクを減らすために担保を求めることになり、担保は今ある土地や建物・設備投資した機械などの資本を利用するということになるのです。
地震の前にお金を借りるなら、「今ある」ものを担保に出来ますが、自地震で建物が崩壊したり機械が使用不能になれば、価値は0になり、担保として使用できなくなります。
したがって地震などの災害の後、新たに設備投資をするためにお金を借りることが出来なくなるのです。
本当のことを言うと、何らかの理由で担保が無くなった場合、銀行は即時に全額返済を求めるか、新たな担保を追加するように求めることができます。地震で被害を受けた会社としては、どちらも受け入れることが困難で、その場合は破産しかありません。
大きな地震の場合は、国などが介入して、銀行に待ったをかけたりするのです。
個人的にもそうです。ローン支払い中の家が壊れてた場合、直さないといけません。もちろんその分の蓄えがあれば可能ですが、銀行などからお金を借りようとしても、自分の会社がちゃんと機能して給料を払ってもらえる状態でなければ、借りれません。
関東などの人口集中部で広域に地震災害が起きたときにはこのことも多きな問題になります。
要するに復興を開始するためには、お金がいるということです。しかしそのお金は担保が無ければ借りることが出来ません。個人なら給料が出る保障があってお金を借りれます。給料を払う会社は、先ほど書いたように担保があって初めて設備を修理・交換できます。
ですので会社に担保がなくなるということは、その会社が困るだけでなく、その会社の従業員の給料が出ない、その会社の製品を利用しているほかの会社が製品を作れなくなり利益が出なくなる、などの広範囲のデメリットが生まれるのです。
。
実際に最近の中越地震の際には、自動車部品の工場が操業停止になり、トヨタ・日産・ホンダなどの会社が技術とお金を出して、操業を早期に開始させました。
その会社の工場が動かないだけで、日本車全部に影響が出るのです。
もし関東などの人口集中部で同様の被害が出た場合、とても復興が追いつかず、日本全体の経済が落ち込むことが考えられます。
日本は世界に物を売って黒字を出している国ですから、日本経済全体が落ち込めば、さらに復興が遅れることになります。
ようするに復興するための資材や燃料などを買い入れるお金が無くなってしまうからです。
一部局所的な災害であれば、それなりの復興をして経済が活性化することもありえますが、復興するための原資を失うほどの被害だとデメリットが余りにも大きくて復興できなくなります。
回答ありがとうございます。
そもそも「今ある工場や産業機械、土地を担保にしている」という意味がわからないんです。
投資する側は投資したカネ以上の利益を投資した金を用いて生み出すことを期待して投資するわけでしょう?
それと「今ある機械や工場」とがどう関連するのか理解できません。
それら、既存の工場などは、その工場を建てる際に投資した分の「期待」であって
新たに投資する分の「期待」とは全くの別物ですよね。
新興企業が大きく事業を拡大しようとしているというのなら
本当に利益が得れるかどうか保証がない以上
信用の数値として企業資産、とりわけ生産に影響する工場なども融資先の評価に影響するでしょう。
しかし、既に有名で、投資すればほぼ確実に元手を増やしてくれるという場合
何故融資する側が融資を渋るというのかわかりません。
個人に例えてらっしゃいますが、そもそもその場合
貸す側は別に貸した個人がその金を用いて得る利益を担保にお金を貸しているわけではありませんよね。
個人の場合借りた金はただ消え行くのみなので、資産などを担保にしなければなりません。
しかし企業の場合はそうではなく、そのカネを元手に利益を生み出し
それが投資者に還元されるわけです。リスクを回避するためといいますが
リスクを回避するためにお金を貸している会社(それも投資すればほぼ確実にリターンを得れる会社)を潰すというのは本末転倒では?
仮に既存の工場などを担保にするにしても、別に東京に工場を建てる場合は
必ず東京の土地や工場を担保にしなければならないというわけではありませんよね。
No.3
- 回答日時:
江戸時代にはご質問の趣旨と同じテーマの錦絵(鯰絵)が多数描かれています。
地震の後で「復興景気」になると、大工・左官などの職人の懐が暖かくなり、地震を「世直し」とする考え方も出てきています。もちろん地震で家族や財産を失った人も多かったので、地震をもたらした(と当時は考えられていた)大鯰を地震で被害を受けた人たちがやっつけようとするのを、大工や左官などの職人が守ろうとする風刺画のようなものもあります。現代でも災害が被害と復興景気の両方をもたらすことは基本的には同じだと思いますが、現代は江戸時代とは比べ物にならないくらい東京に一極集中が進んでいますので、首都圏で大被害を生じるような大地震などの災害が起きた場合、江戸時代のように復興景気を謳歌できるかどうかには疑問が残ります。
参考URL:http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/1999news/ …
No.2
- 回答日時:
会社経営のための会計学から考えれば、被害はものすごく甚大なものになります。
会社というのは、経営(というか仕事)のために、色々なものを購入して使用します。
営業用の自動車もそうですし、工場なら土地代・建物代・生産用の機械代などがあります。
会社の利益を確定するには、売った商品から土地代・建物代・機械代それと人件費・広告代などを引く必要があります。
このとき、土地代や建物代は買ったり作った時だけ差し引きするわけではありません。
減価償却といって、毎年価値を目減りさせるのです。たとえば100万円の車なら5年で価値が0になりますので、毎年20万円ずつ価値が減ります。
逆に言うと、3年目の車なら40万の価値があり、これは会社の資産として利益計算に使われるということです。建物や機械代金なども同じです。
ここで地震があり、建物が壊れたり、機械が壊れたりすると、まだ減価償却が残っているのに価値が0になってしまいます。
この損失が実は一番怖いのです。
なぜかというと、会社は長年にわたって利益を出せるようにするために、常に設備投資をしています。このときに必要なお金は、投資をした後に出る利益を当てにして、今ある設備や土地を担保にお金を借りるのです。
地震が起こると、すぐに生産できないだけでなく、壊れた設備を新しくしたりするための担保が無くなり、会社の復興そのものができなくなるのです。
阪神大震災のときは、都市型災害とはいえ、国の支援や銀行の支払猶予などで何とかなったようです(それでも小資本の町工場などは廃業したところが多いです)
関東に地震があれば、規模が全然違いますので、国の支援や銀行の支払猶予、そのほかの支援で踏ん張れる程度で済むとはとても思えません。
復興できれば、それなりの特需も考えられますが、復興するために立ち上がることすらできなくなる可能性もあるのです。
回答ありがとうございます。
要するに今後生み出される利益が担保なんでしょ。
1億円で買った機械が1億円以上の利益を稼いでくれればいいな
という期待を込めて設備投資をするわけですよね。
だったら災害で生産設備が破壊されたとしても、それで潰れるのは
「前の期待」であり、今後設備を一新した後に生み出されるはずの
利益が消えてなくなるわけではないですよね。
少なくとも設備さえそろえば今後も従来どおりの利益を
生み出すことはほぼ確実なわけですから、融資する側も
融資してあげない理由はないと思うのですが。
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No.1
- 回答日時:
全体としては、マイナスの方が大きいと思います。
生産する工場、機械も大打撃を受けるので、生産が落ち込んだり、中断されます。
サービス業も部屋が使えなくなったりして、同様に落ち込みます。
その間に本来、生産できるはずの製品が無くなり、利益も少なくなります。
また、部品がその会社でしか生産されていない物の場合、その業界自体に悪影響があります。神戸の大震災では、神戸製鋼でしか作っていない自動車用部品があったようです。自動車会社は、一時的に生産停止したのかな、詳しくは分かりませんが。
住宅地区だけ地震が起きれば、質問者の通りかもしれません。が、生活には労働をするのが通常ですから、住宅地区と産業地区の場所はそんなに離れていないため、産業と住宅の両方が打撃を受けるはずです。
※すみませんが、調べずに適当に思いつくまま書いています。
回答ありがとうございます。
確かに生産がこうむる被害は甚大ですが、生産が滞ったからといって
需要が消えてなくなるわけじゃないですよね。
需要が消えない以上、他の地域の生産力で補うか、もしくは
生産が復活した際に、混乱時の反動増という形で返ってくるのではないでしょうか?
主要な生産拠点なら災害対策もしっかりしてるでしょうから
比較的短期で立ち直るのでは?
サービス業は、稼働率が常に100パーセント近い工業と違い
他の拠点で仕事を補いやすいので、さほど影響を受けないのではないでしょうか?
あと阪神大震災直後、日本経済が一時的に上向いたような記憶があるのですが・・・
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