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No.3ベストアンサー
- 回答日時:
ここで言う盾とは左手に持って使う対剣用の盾と解釈します(日本の古代と対矢用の置き盾はのぞく)
私も同じ疑問を長年持ち続けています。
盾は鎧よりもコストが安く、初心者でもすぐに使え、防御以外の使用もできる非常に便利なしろものです。
以上は戦場で必要な要素であり、実際日本を除くすべての大陸文化は盾があります
盾は左手の持ちます。したがって煎じ詰めれば武士は戦場で左手に何を持ったかということに突き詰められます。
日本の武士を軍用語でいうならば重装騎馬弓兵となりこれは世界的に見ても、特殊です。また、武士は奈良から平安の移行期に突如として表れ、兜や鎧の構造、弓や刀といったデザインは戦国過ぎても変化がありません。通常であるならば西洋騎士のように始めは鎖鎧とバケツ状のヘルムであったものが、徐々に強化され部分的に板金に覆われ、最終的には全身甲冑まで進化し、そのあと細身の剣の時代へと連続的な変化を追うことができます。ところが、武士ははじめから完全体で出現するのです。このときからすでに盾を持っていませんでした。
武士の第一装備は刀と思われがちですが、「弓矢取るもの」とか「弓馬の道」という言い方があるように、また左右の手を馬手、弓手というように弓と馬が第一装備でした。弓を構えるときは盾を持つことができません。大鎧は騎馬弓用の進化を遂げた鎧で構造的には完成です。この場合、矢の防御はザクの盾のように大きな袖が代用しました。馬を下りたときは長刀(後世では槍)を使用しました。いずれも両腕を使用する武器であり盾を持つことができません。
もう一つは馬です。日本は馬の去勢技術がなく武士は荒馬を乗りこなすことが誉れとされました。しかし、馬乗りでもある私は去勢されない馬がどれほど危険で、制御できないかはよく知っています。モンゴル人ですら未去勢馬はアズラガとよび、乗ることはしません。武者絵などで馬に乗る武士の絵を見ると、多くの馬は首を激しく曲げています。これは絵をどのように解釈するかで変わりますが、私はそれほどまでに手綱で抑えなければ、馬が制御できなかったというのが理由としてあります。
日本のハミはオーソドックスな形で、西洋に見られるH型ではありません。H型ハミはてこの原理で小さな力でも馬の口にはきつくあたります。
ある人は日本は山地であるから盾と剣を両手に持つと、足場が悪いときは危ない。というのがありました。しかしながらこれは疑問です。
ヴィーキングは背中に盾を回して両手をフリーにしました。こうすればがけの上からの攻撃も防御できます。
次に剣術面からです。
私は西洋剣術を学んでいますが、西洋剣術の基礎は防御と攻撃という両手の役割分担です。その基本は盾です。中型の盾をもてばそれだけで全身の1/2は隠れます。つまり、盾を持った相手にはどのような攻撃をしても半分以上は無効化できるのです。経験7年の私と、1年未満の初心者がロングソードと盾&ブロードソードで戦った場合、私の勝率は非常に下がります。私はOFFなどで居合いや古流の日本剣術、剣道家相手と対戦しますがロングソードでは勝率は同じであっても、私が盾&ブロードソードを持つと、相手は勝つことができません。もちろん、相手への情報量も異なりますが、それを差し引いても両手持ち刀剣は盾に負けます。
これは長刀が刀に強いというのと同程度に確証を得ています。
申し訳ないが1の方の剣道の技術というのはまったく誤りです。
ロングソードにもレピアにも当たり前ですが、相手の剣をはじくテクニックはあります。
>>下っ端の兵隊は盾をもっていましたよ。
ここも疑問です。私が確認した持ち盾は「法然上人絵詞」で兵卒が四角い鍋蓋状のものを持っているものを確認しただけです。
陣笠や鍋蓋を盾にするという技術はあるようですが、それはあくまでも代用で盾ではありません。
鎌倉時代には「法然上人絵詞」に見られるように兵卒が少数ながら持ち盾が使用されたれいはありますが、戦国では完全に廃れました。
これは兵の組織化が理由にあると思います。組織化され集団先頭ができるようになると槍がもっとも適しています。これは西洋でも同じで、ハルバート、パイクとなるのですが、日本が西洋と異なるのは接近戦を避けたことです。その理由はわかりませんが、盾は言うまでもなく接近戦に便利なものです。日本ではメイス、斧、フレイルといった片手重量武器がありません。これらは重装備の相手にもっとも効果的ですが使用するには接近するしかありません。日本の戦国でもっとも死傷率が高いのは投石、次に矢、三番目に槍でした。ところが西洋の場合ユトランドのウェスビの戦場跡で発掘された死体は、メイス、斧、スパイク状の刺し傷がほとんどでそれも骨に達するものが平均5~6こありました。
矢による死傷は非常に少なかったのです。
したがって、追加の理由に相手の顔が目の前にあるほどの接近戦はほとんどしなかった。(それまでに勝負がついた)となります。
さらに、戦国が終わり江戸期に入ると剣術は戦場用のものではなく日常護身術と変わります。(多くの現存する剣術がこの時代のもの)日常で護身のために盾を持ち歩くことはなく、また盾そのものの技術もなかったため日本剣術に盾はなくなったのです。
回答ありがとうございます。
一対一の戦いをイメージしすぎでした。戦となれば効率よく勝とうとするのが当たり前ですよね。そんな背景があったんですね。
詳しい解説ありがとうざいました。
No.4
- 回答日時:
書き忘れたことがあります。
精神的あるいは哲学的なバックボーンです。西洋騎士との比較になりますが先にも述べましたように、盾は防御=保護を象徴するものです。古い時代、映画のスリーハンドレッドはスパルタですが、この当時の武装は盾と槍であり、兵隊は整列して密集し盾で隣の専有の右半身を防御しあいました。したがって戦場で盾を捨てることは仲間を守ることを放棄したとみなされ大変不名誉なことでした。また、騎士道(実際には騎士の時代が終わっての思想ですが)騎士の美徳の一つに「弱者の保護」というのがあり「騎士は領民を守る盾」とあります。ところが武士は領民を守るのは領主であり武士の存在は領主を守ることです。つまり、騎士の場合は騎士個人個人が領民の保護を「しなければならない」のです。つまり騎士は防御をするものであり、防御を象徴とする盾はいわば剣よりも騎士の象徴ともいえます。No.2
- 回答日時:
平安時代より発生した武士といわれる人々は弓馬の道というくらいで、まず弓がメインウエポンになります。
そのため合戦はまず弓を射るところから始まります。そのためまず弓の矢を防ぐというのが防具の第一目的となります。そのため大鎧には大袖(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%8E%A7)がついておりそれが盾となっていました。また地上には置くタイプの盾もありました。それから背中には母衣(ほろhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%8D%E8%A1%A3)をつけ風をはらませて矢防ぎにしました。外国のように片手で持つタイプの盾は発達しませんでしたが、別の形態では発達していたのです。では何故片手に持つタイプの盾が発達しなかったかというと、やはり日本の武器は太刀は別として、日本刀や長刀や槍などは両手で操作するものだったからでしょう。西洋のように槍を抱えて騎馬突撃などといった大味な戦い方は好まれなかったのでしょう。また下級兵士も縦を持って防ぐよりは槍長刀など間合いを稼ぐことによって盾は不要と判断したのでしょうね。回答ありがとうございます。
>西洋のように槍を抱えて騎馬突撃などといった大味な戦い方は好まれなかったのでしょう。
この、好む好まないあたりのお話を詳しくお聞きしたかったです。
参考になりました。ありがとうございます。
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