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大学のレポートの課題で後期高齢者医療制度について勉強しています。
この制度の問題点で、どうしてもよく分からない点が出てきてしまったので質問させてください。

この制度になると、要約すると診療報酬の関係で医療格差がおこるという記事を見たのですが、その診療報酬がどう関係してきて医療格差がおこるのか、それを分かりやすく説明していただけると助かります;
また、かかりつけ医制度?についても詳しく教えていただけるとさらに嬉しいです…。

それでは、よろしくおねがいします!

A 回答 (2件)

> この制度になると、要約すると診療報酬の関係で医療格差がおこるという記事を見たのですが、



この書き方だけですとどういう「診療報酬」なのか分からないのですが、もしかかりつけ医の報酬上限が患者負担分で月6000円となっていることを指しているのだとしたら、その報道自体はちょっとした誤解です。かかりつけ医はその患者のすべてを見た上でしかるべき専門医に紹介するのが役目ですから。

ただこの上限制度だとかかりつけ医の経営が大変じゃないかと思いますし、いくら丁寧にみても自己負担分6000円の保険点数しかつかないのなら、手を抜く医者が出て来ることはあり得るんじゃないかとは思います。気になる患者さんがいて毎日診察しても、報酬上限が決まってるとなるとちょっとさすがに…。

> かかりつけ医制度?についても詳しく教えていただけるとさらに嬉しいです…。

基本的には、以前からたしか医師会の一部も検討したり推進してたかと思いますが、「ホームドクター」と言った言い方で一部のお医者さんが主張してたことですし、それ自体は今の日本の医療にとって悪いことではありません。たとえば英国だと「ジェネラル・プラクティシアン(General Practician、一般総合診療医)制度」として運営されていて、アメリカとかフランスとかも習慣的にそうなっていますし、それをモデルにした制度で、今でもすでに田舎の町医者とか無医村に派遣された先生とか、事実上そうなってますが、同じ患者さんをどんな病気でも基本的に全部、継続的に見続ける先生のことです。そこで自分で対処できることは対処し、必要に応じてより大きな病院などの専門医に紹介するのが役目です。

昔だと子どもが熱を出したからとりあえずご近所のお医者さんに来てもらう、っていうヤツです。で、その先生はだいたい看板に診療科目で「内科・小児科」となっていますが、捻挫くらいは外科の診療もするとか、テレビドラマだと実はなにかの理由で大学病院を離れた名医で、いざというときは心臓病とか脳外科の緊急手術までやっちゃうみたいなの、ありますよね。要するにアレです。実際には心臓病とか脳外科の緊急手術とかが必要だと、そのかかりつけの先生が大病院に連絡をとって入院を手配するわけです。

現実にあった話だと、たとえば日本で最初に行われた生体肝移植は、最初に見たのはご近所の「内科・小児科」のかかつけの町医者で、胆道閉塞のその子を生まれた時から見ていた先生でした。内科の主治医はずっとこの先生ですが、実はこの医師が当時の日本でもっとも優秀な肝臓専門医の一人で、その判断で自分の大学時代の同級生だった島根医大の外科の先生に連絡し、説得してやらせた、という。街の開業医三代目で、継がなきゃいけないから父親が亡くなったあと日赤広島の部長かなにかを辞めて開業医になったような先生だったわけで。その先生も島根医大の執刀医も、優秀で真面目すぎて医学部内での出世に興味がなく、大学に残れなかった人たちみたいですけど。

だいたいイメージがお分かりになったかと思いますが、これは基本的には日本で導入すべき制度です。とくに高齢者の医療では、かかりつけの先生はその患者のどこにどの疾患があって…を全部把握してますから、患者自身がうまく説明できなかったりよく分かってないことでも全部配慮して処置ができますし、緊急時に大病院に持ち込んでもいちいち検査しなくても情報は共有されますから。たとえば実体験ですと、僕自身は麻酔の利き方にいささか体質上の問題があるのですが、事故で病院に担ぎ込まれたときにその病院にいちいち自分で説明する余裕もなく、麻酔薬がバッドトリップして大騒ぎになった(らしい…本人はまったく記憶無し)。こういうことが防げますから、より適確な医療を受けられます。とくに高齢者医療で常に問題になる生活習慣病はだいたい複合的にいろんな病気が重なってますし、症状の出方が個々人の体質で千差万別ですから、どんな大病院のどんな優秀な先生でも、いきなり担ぎ込まれて適確な対処できるものではありません。なるべくその患者さんの体質や生活環境、細かい病気まで熟知しているかかりつけの先生が必要になります。

また大きな総合病院に患者が集中して、風邪ひいて心配だから大きな病院にいったら三時間待たされて熱もひどくなってやっと2分だけ見てもらって「風邪ですね」で終わるみたいな無駄がなくなります。

ただ日本で導入するのにいちばん大きな問題は、その訓練が出来ている医師がいないことです。専門医教育で大学医学部の研究室ができあがっている日本だと、大きく内科と言っても肝臓ではもの凄い専門知識を持ってるけど呼吸器はよく分からないとか、神経内科で脳血管障害の薬を処方し過ぎて患者が胃潰瘍になっちゃうとか、そういうことが起ってしまいますし、現に起こってます。だからこそ一般総合診療医が監督しなきゃいけないはずなのですが、そうやって身体の全体を見る能力があるのは経験豊富な開業医しか訓練や経験がありませんし、開業医でも今ではとくに都市部では専門化してますし、その専門で売ってるところが多い。

後期高齢者医療制度のかかりつけ医は、それができる訓練や経験のある先生が限られているし減って来ているなかで、制度として杓子定規にいきなり準備期間もなく当てはめちゃっているので、無理が出て来るでしょうし、制度自体が上限6000円とか机上の空論過ぎて、無理が出るのが現場では分かりきっている、という感じでしょう。
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この回答へのお礼

お礼が遅れてすみません;丁寧なご回答どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/05/11 21:52

正確な内容は、「厚生労働省のHP」をご覧になったほうがいいと思います。

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この回答へのお礼

お礼が遅れてしまってすみません;
どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/05/11 21:50

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