アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

近代立法主義における「人権」「統治の基本原理」「権力の法的規制(裁判的統制)」とはどの様な事でしょうか?
ご教示下さい。

A 回答 (2件)

非常に難しく、射程の広い問題ですので、憲法学において一般的に用いられる説明をここでは行います。


学問的正確さを意識すると長くて難しい説明になってしまいますので、ここではわかりやすさを第一にします。

まず、立憲主義という思想は読んで字のごとく憲法(憲法的慣習を含む)によって国家権力を拘束しようというものです。
そして、近代立憲主義とは近代においてみられた国家権力抑制を目指す法思想・運動をさすものであります。
わかりやすい例は、絶対王政を打倒したフランスの市民革命ですね。

まず、人権との関連です。
人権思想自体は近代立憲主義よりももっと古く、自然権思想などにさかのぼります。
近代立憲主義において、人権という観念は国家権力の限界を明確にするという役割を果たしました。
思想とかの内心にかかわる領域や表現活動に関しては、個人の自由に任せられる領域であって、この領域に国家は踏み込んではならないというラインを明確にしたわけです。
この個人の自由に任せられるべき領域に属する行為が「権利」としての性格を付与されると人権という基本的権利になります。
人権を侵害する国家権力を制限しよう、という考えが近代立憲主義の根本にはあるわけですな。
ちなみに、時代が少し後になると、国家権力は治安維持と国防だけやっていればいいのであって、あとは市民の自立的活動に任せておけば万事うまくいくという自由放任主義の考え方が確立してきます。

次に、統治の基本原理ですが、これは国によってさまざまな形で現れました。
が、そういった細かいところを無視してまとめてみると、憲法や法律による国家権力の拘束、三権分立、民主主義等をあげることができます。
これらについては、おわかりかと思いますので説明を省きます。
ポイントは、すべての原理が、国家権力を拘束する、国民の意思に基づかない政治を排除する、という方向性を有していることです。

権力の法的規制についてですがこれは少し答えにくいです。
ご質問に「(裁判的統制)」とありますが、国家権力に対して裁判的統制が及ぶ場面というのは、基本的には違憲審査権が行使される場面しかないように思われます。
なので、違憲審査権について説明してみます。
違憲審査権は、1803年、アメリカの連邦最高裁のマーベリ対マディスン事件判決において初めて示されたものです。
これは、憲法に違反する国家権力の行為を無効とする権限を裁判所(正確には司法権)に与えるものでした。
その意味で、違憲審査権は国家謙抑の法的・裁判的統制といえるかと思います。

最後に補足にありました「現代的変容」ですが、一般的には社会国家の原理がそれにあたるとされています。
社会国家とは、生活保護とかに代表される「弱者に対する福祉行政」を行う国家をいいます。
最初のほうで言いましたように、近代立憲主義は国家権力を制限しようとする思想です。
そして、この考え方はアダム・スミスのような自由放任主義の考え方とあいまって、国家権力は治安維持と国防だけやってろというものになってしまうわけです。
そうすると、経済の分野においては市民社会の自律にまかせるべきことになりますから、経済的強者と弱者がでてきてしまいます(別に私はマルクス主義者ではありませんから、これを「資本主義の矛盾」と批判しているわけではありません)。
これを救済すべく、国家が弱者を助けてあげることが期待されるようになりました、
この弱者救済は国家による給付が必要になるという意味で、国家権力の積極的行使を必要とします。
なので、国家権力をできるだけ小さくしようとした近代的立憲主義の考え方とは逆になっているわけですね。

わかりにくかったらごめんなさい。
近代立憲主義についてはどんな憲法の教科書にものっていますので、本屋で立ち読みしてみることをおすすめします。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

とても分かり易かったです。
そして、丁寧に教えて頂きありがとうございました!

お礼日時:2008/06/12 20:50

うーん。


近代立憲主義の間違いではないでしょうか。
あと質問があまりにも漠然としているので、お答えしにくいです。
もう少しどういうことを知りたいのかお示し願います。

この回答への補足

補足請求頂きありがとうございます。
まず、sskk1943様の仰るとおり、近代立憲主義が正解です。
申し訳ございません。

また、質問内容ですが近代立憲主義における人権、統治の基本原理、権力の法的規制とは何か、そしてそれらが現代立憲主義においてどの様な変貌をとげたかが知りたいです。
ご教示頂ければ幸いです。

補足日時:2008/06/07 11:45
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!