以下のような問題についてなのですが。。。
問
複素平面z上の単連結領域 -1<Imz<1 で、次の z=-1 から 1 までの
定積分を求めよ。
∫[-1,1]1/(z-i)dz
(被積分関数が 1/(z-i),積分範囲が[-1,1])
僕は実数関数のノリで
[log|z-i|]を原始関数としてやり答えが0になってしまったのですが
解答を見ると以下のようにやっています。
積分経路を z-i = √2*exp(iθ) (-3pi/4 <= θ <= -pi/4)
としてあとは普通に積分。(答えは(pi*i)/2)
つまり -1<Imz<1,-1<=Rez<=1 の範囲で被積分関数は
正則だからコーシーの積分定理より経路を変えても積分値は同じ、
-1から1へまっすぐ積分するのではなく扇形の弧を描くように
積分するということです(と思います)。
で、模範解答のやり方はそれはそれでよく納得できたのですが
僕が最初にやったやり方はなにが不味いのでしょうか。
そもそも原始関数がlog|z-i|がおかしいのでしょうか?
この公式(∫f(x)'/f(x) dx = log|f(x)|)は複素数の範囲だと
成り立たない公式なのでしょうか?
複素関数の積分で被積分関数が特異点を持つときは
exp(iθ)を絡ませるのが常套手段なのでしょうか?
よろしくお願いいたします!
No.2
- 回答日時:
> 僕は実数関数のノリで
> [log|z-i|]を原始関数としてやり答えが0になってしまったのですが
> 僕が最初にやったやり方はなにが不味いのでしょうか。
> そもそも原始関数がlog|z-i|がおかしいのでしょうか?
間違っています。
実数の範囲では
∫[-1,1] 1/(x-2)dx=[log|x-2|][-1↑1]=log|1-2|-log|-1-2|=log1-log3
=-log3
となりますが
複素数の範囲では
1/(z-i)の原始関数はlog|z-i|とはなりません。
複素領域に拡張された対数関数
log(z)≡log|z|+i*arctan(Im(z)/Re(z)
を使いますので原始関数はlog(z-i)となります。あくまで複素数となります。
真数に絶対値をつけただけのlog|z-i|は虚数部を切り捨てて無視しているので正しくありません。
∫[-1,1] 1/(z-i)dz=[log(z-i)][-1↑1]
=log(1-i)-log(-1-i)
=log√2+i(-π/4)-{log√2+i(-3π/4)}=i(π/2)
となります。
> 複素関数の積分で被積分関数が特異点を持つときは
> exp(iθ)を絡ませるのが常套手段なのでしょうか?
その方が積分が簡単になるからです。
積分が簡単になるのでそうしているだけです。
特異点が無い場合は直線に沿って積分します。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
詳しいことは忘れてしまったので「複素関数論に詳しい人に聞いてください。参考意見ですけれど....
まず
結論をいうと
(1)「いい加減に考えれば」
f(z)が正則ならば ∫f'(z)/f(z)を
∫f'(z)/f(z)dz=log(f(z)+C とできるかな?と思います。
絶対値を付けるのでいけない。
だからいい加減にやれば ∫1/(z-i)dz=log(z-i)(+C)
∫[-1→1]1/(z-i)dz=[log(z-i)][-1→1]=log(1-i)-log(-1-i)
=log{√2e^(-iπ/4)}-log{√2e^(-i3π/4)}
=log√2+log{e^(-iπ/4)}-log√2-log{e^(-i3π/4)}
=log{e^(-iπ/4)}-log{e^(-i3π/4)}=-iπ/4-(i3π/4)
=πi/2となる。
しかし、そもそも複素平面での積分は「実数での微積分の『線積分』みたいなもので積分する経路を必要とする」
複素平面で「実数のときの不定積分という考えはない?」と思う。
(2)
複素平面での logzはどのようなものかということか?
例えば、z=x+iy x,yはそれぞれzの実部と虚部とします。複素数zに対して|z|を考えると、
|z|=√(x^2+y^2)となる。
z≠0のtき、|z|>0で|z|は正の実数です。だからlog|z|は log|z|=log√(x^2+y^2)の
普通の実数での対数関数と考えるのか?です。このとき、log|z|は正則関数ではありません。
なぜなら
正則関数ならば、Caucy-Riemannの関係が成り立たねばならないが
log|z|=log√(x^2+y^2)はその実部が Re(log|z|)=log√(x^2+y^2)、
その虚部Im(log|z|)=0。 d/dxで[偏微分の記号の代用]として
ゆえにd{log√(x^2+y^2)}/dx=x/√(x^2+y^2)=x/|z|
一方d/dx(0)=d/dy(0)=0だから、成立しない。
そして実は d/dz(log|z|)を記号的にやると
d/dz(log|z|)=z^(-)/(2|z|)となります。ここにz^(-)はzの共役複素数です。
複素数平面では、一般にf(z)が正則でもlog|f(z)|は正則ではありません。
◎しかし
複素平面では、logzは多価関数ですが、定義域をうまくとれば、
一価正則関数になり、d/dz(logz)=1/zとなります。よってf(z)が正則関数ならば、多価関数 logf(z)も正則となり、
d/dz(logf(z))=1/f(z)×d/dz(f(z)となります。
(3)
この場合、質問の内容に
-1<Imz<1とあります。Im(-i)=-1です。z=-1から1までのx軸の沿って
積分するとき原点 z=0を通ります。z-0のときz-i=-iだから Im(z-i)=-1となり、
条件-1<Imz<1に反するので、z=-1から1までのx軸の経路は考えてはいけないということです。
(4)
logzを一価の正則関数とするには、定義域C-{0}を拡張していわゆるRiemann面
(リーマン面)にすればよいのです。
(5)
質問者の本の解答の様に円の一部をとればその積分経路は、-1<Imz<1の中にあります。
( iが中心で半径√2の円上で偏角を -3π/4から-π/4ととったのですから)
以上です。
くわしい説明ありがとうございます!
リーマン面、、、一度聞いたことがあってなんだろうと思ったことがあるのですが
結局わからずじまいのものです。もっと勉強します。ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
#3です ANo.3に間違いがありました。
>>(3)
この場合、質問の内容に
-1<Imz<1とあります。Im(-i)=-1です。z=-1から1までのx軸の沿って
積分するとき原点 z=0を通ります。z-0のときz-i=-iだから Im(z-i)=-1となり、
条件-1<Imz<1に反するので、z=-1から1までのx軸の経路は考えてはいけないということです。
いじょうは勘違いです。とりあえず撤回します。削除してください。
すみませんでした。
No.5
- 回答日時:
こんばんは。
#3です。
また、計算が違ってたようで、すみません。一応訂正させて
いただきます。
ANo.3の
>正則関数ならば、Caucy-Riemannの関係が成り立たねばならないが
log|z|=log√(x^2+y^2)はその実部が Re(log|z|)=log√(x^2+y^2)、
その虚部Im(log|z|)=0。 d/dxで[偏微分の記号の代用]として
>ゆえにd{log√(x^2+y^2)}/dx=x/√(x^2+y^2)=x/|z|
の最後のところ、x/|z|ではなく、x/(|z|)^2とせねばいけませんでした。
◎ ゆえにd{log√(x^2+y^2)}/dx=1/√(x^2+y^2)×x/√(x^2+y^2)
=x/(|z|)^2 です。
となります。
それと、もう1箇所
>そして実は d/dz(log|z|)を記号的にやると
d/dz(log|z|)=z^(-)/(2|z|)となります。ここにz^(-)はzの共役複素数です。
これを次の様に訂正します。
◎「そして実は d/dz(log|z|)を記号的にやると
d/dz(log|z|)=z^(-)/(2|z|^2)となります。ここにz^(-)はzの共役複素数です。ここに、
d/dzはx,yの関数を記号的にzとz^(-)の関数と考えたときの
zによる『偏微分の記号の代用』としています。」
なんどもすみませんでした。
No.6
- 回答日時:
> この公式(∫f(x)'/f(x) dx = log|f(x)|)は複素数の範囲だと
> 成り立たない公式なのでしょうか?
成り立ちません。 細かい計算はともかく、
他の関数の原始関数となるものは、微分可能でなくてはなりません。
微分可能な複素関数 f(x) に対して、log|f(x)| は微分不能です。
複素絶対値 |z| が、z で微分可能かどうか 考えてみましょう。
また、実数の範囲でも、∫f(x)'/f(x) dx = log|f(x)| という公式が
あるとは思わないほうがよいです。
f(x)>0 の範囲での解 ∫f(x)'/f(x) dx = log f(x) +(積分定数) と
f(x)<0 の範囲での解 ∫f(x)'/f(x) dx = log -f(x) +(積分定数) は、
f(x)=0 となる x 上で、決して接続できません。
log|f(x)| と、絶対値記号でまとめてしまうことは、
意味が無いばかりか、いろいろ勘違いのもとになります。
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