プロが教えるわが家の防犯対策術!

磁気双極子モーメントの単位は「Wb・m」だと思うのですが、陽子や電子が持っている磁気双極子モーメントの単位が「J/T」になるのな何故でしょうか?

単位を変換してゆくと、「Wb・m=J/T」となるのでしょうか?

A 回答 (2件)

以下、SI単位系で考えます。



> 単位を変換してゆくと、「Wb・m=J/T」となるのでしょうか?

なりません。
MKSA[m,kg,s,A]で表示すれば

 [Wb・m]=[m^3・kg/(s^2・A)]
 [J/T] =[A・m^2]

となります。
[Wb・m]と[J/T]は別の次元を持つ単位であることがご理解いただけると思います。


> 磁気双極子モーメントの単位は「Wb・m」だと思うのですが、
> 陽子や電子が持っている磁気双極子モーメントの単位が「J/T」になるのな何故でしょうか?

以下、
 磁束密度:B
 磁場:H
 真空の透磁率:μ0
としますが、
同じSI単位系でも
磁化M(=単位体積あたりの磁気モーメント)を

M=B-μ0・H

と定義する流儀、つまりBとHの関係を

B=μ0・H+M

と表示する流儀(EH対応)と、
Mを

M=B/μ0-H

と定義する流儀、つまりBとHの関係を

B=μ0・(H+M)

と表示する流儀(EB対応)があります。


EH対応で定義されたMはBと同じ次元を持ち、単位は[Wb/m^2]です。
一方、
EB対応で定義されたMはHと同じ次元を持ち、単位は[A/m]です。
ですので、それぞれの流儀での磁気モーメントの単位は(それぞれ[m^3]を掛けて)

EH対応で定義された磁気モーメントは[Wb・m]を単位として持ちます。
EB対応で定義された磁気モーメントは[A・m^2]=[J/T]を単位として持ちます。

テキストが「EH対応」か「EB対応」かどちらの流儀で磁化Mを定義したかにより
磁気モーメントの単位は変わります。
どちらの流儀が使われているのかは、質問者しか知り得ませんので
ご自分でテキストを最初から追って確認してください。

つまり、EH対応を採用しているテキストで磁気モーメントの単位を
[J/T]としているなら誤植ですが、
EB対応を採用しているテキストで磁気モーメントの単位が
[J/T]となっているのであれば誤植ではありません。


あと、蛇足ですが、
今回の質問のように厳密な定義や関連する知識が必要とされる問題を
インターネット上の情報のみに頼って解決することはお奨めしません。

理化学辞典(岩波書店刊)
http://www.amazon.co.jp/dp/4000800906
など、しっかりした成書で調べることをお奨めします。

理化学辞典であれば
付録のページの「5 電磁気的諸量の換算表・次元」の表を見れば
[Wb・m]と[J/T]が別の次元を持つことは数秒で解決できたはずですし、
「磁気モーメント」の項目を引けば、
「単位はEH対応でWb・m,EB対応でA・m^2である。」
と書いてありますし、さらに「電磁気の単位系」の項目を参照すべし、
と矢印がついていますので「電磁気の単位系」の項目を引けば、
「磁化Mを磁束密度Bと同じ次元にとるEH対応単位系と,Mを磁場Hと同じ次元にとるEB対応単位系がある。」
と書いてありますので、
「なぜ単位が[Wb・m]だったり[J/T]だったりするのか?」
までを数分で解決できたはずです。
(さらに「磁化」の項目を参照すれば、もっと詳しく書いてあります。)

apllさんが、物理系または化学系の学生さんでしたら、
理化学辞典を購入して座右に備えることを強くお奨めします。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ありがとうございます!

テキストをよく見直したら、磁気双極子モーメントの値はEB対応で書かれていました。
ですので、単位は「J/T」で正しくて、誤植ではありませんでした。

EH対応とEB対応があることを知りませんでした。とても勉強になりました。

理化学辞典を座右の書にしたいと思います。

丁寧に教えて頂き、ありがとうございました。

お礼日時:2008/08/14 10:37

>>単位を変換してゆくと、「Wb・m=J/T」となるのでしょうか?


なりません。
SI単位系では磁気双極子モーメントの単位は「Wb・m」です。
ところで、確認ですが、
Jは何ですか。SIではJはジュールでJ=N・mですね。
Tは何ですか。SIではTはテスラでT=Wb/m^2ですね。
また、Wb=N・m/A=J/Aですね。
でも、これらを組み合わせても、Wb・m=J/Tとななりません。
テキストのミスプリントでは?
ふつうに単位を変換するとWb・m=J・m/A
となります。ここで、A/m=Tとなればよいですが、A/mは磁界の強さであって、磁束密度ではありませんね。

テキストのミスプリントはよくあることです。赤ペンで、テキストのその部分を訂正しておいて下さいね。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご指摘の通り、Jはジュールで、Tはテスラです。

仰るとおり、SI単位系では、「Wb・m=J/T」とはならないこと、よくわかりました。

ところで、bosonさんの回答でやっとわかったのですが、EB対応単位系で考えると磁気双極子モーメントの単位は「J/T」で表されることがわかりました。

良い勉強になりました。ありがとうございました。

お礼日時:2008/08/14 11:09

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!