死刑存置派の立場からで、世論は死刑に反対していないので死刑存続は正当化される、
といった意見がなされることがありますよね。
そもそも、世論によって人の命を奪う死刑という刑罰の是非を考えてもいいのでしょうか?
しかしながら、民主主義国家においては、やはり多数派を尊重すべきなのでしょうか?
また、過去の判例で、国民感情が死刑を否という考えに変われば、死刑廃止もありうる・・・
といったような補足意見がありましたよね。
この「国民感情」ですが、これは「世論」と異なるものなのでしょうか?
それとも、国民感情も世論も同じで、
だから今、世論は死刑に賛成している人が多いから死刑は是!なのでしょうか?
国民感情と世論についてはとくに区別が分かりません。
もしご存知の方がいらっしゃいましたら、教えて頂けるとうれしいです!
もちろん、世論だけの側面で死刑を考えてはならないのですが、
ごちゃごちゃと議論になる恐れがあるかな・・・と思い、
あえてこのように書かせて頂きました。不快に思われる方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。
No.9ベストアンサー
- 回答日時:
死刑制度が論理的に日本国憲法に違反しているものであれば,違憲判断が下され,すでに廃止されているはずですが,実際には,昭和23年に最高裁によって死刑制度は合憲である旨の判断がなされております。
現在でも根強く違憲論はありますが,法律解釈論としては,これにより一応の決着がついているわけです。もっとも,最高裁による合憲判断は,「日本国憲法は刑罰としての死刑制度存置を想定したものであり,是認している」というだけですから,立法論としての死刑廃止を排斥するものではありません。
ですから,上記最高裁の島保裁判官は補充意見として,「国民全体の感情が死刑を忍び得ないと云う様な時が来れば国会は進んで死刑の条文を廃止するであろう」とこの問題の解決を立法論などにゆだねたわけです。
>世論によって人の命を奪う死刑という刑罰の是非を考えてもいいのでしょうか?
なので,それ以後,死刑制度存廃問題は主として立法論として議論されることになります。立法論として議論する以上,国民世論の動向は不可欠の要素として考慮されなければなりません。上記補充意見のいうとおり,民主制の過程を通して制定される法律は,国民の意思または感情(もちろん比較多数です)を反映したものでなければならないからです。
このような意味において,死刑存置論も廃止論も,立法におけるその正当性は,最終的に国民の世論ないし国民感情によって担保されていることは間違いありません。
>この「国民感情」ですが、これは「世論」と異なるものなのでしょうか?
厳密には異なるものでしょう。しかし,世論の中には感情的な意見もありますから,その区別は非常に困難だと思います。ただし,死刑制度の議論における「国民感情」という言葉は,次のとおり,上述とはまた違う意味で用いられていると思います。
おおざっぱにいうと,刑罰は,応報と教育とをその目的とします。しかし,死刑には,教育目的はあり得ません。なので,死刑の目的は応報のみとなります。そして,応報とは,犯した罪に見合った刑罰を科して,社会的な感情を修復するということです。つまり,犯罪と刑罰とが社会的な感情において均衡している必要があるのです。
なので,われわれ日本人の多くが,「自らの命をもってしかあがなえない罪がある」という心情(感情)をもっている限り,日本国という共同社会においては,殺人等の重大犯罪に対しては,死刑が均衡しているということになりますし,他方,われわれ日本人が,島保裁判官が云うように,「国民全体の感情が死刑を忍び得ない」という心情を持つにいたれば,我が国において,これはもはや刑の均衡を失しているということになります。
ですから,この意味においてもわれわれ国民が死刑に対してどのような心情(感情)をもっているのかということは立法に際して非常に重要な要素になるのです。特に,裁判所が使用している「国民感情」という言葉にはこのような意味があると思います
日本は特に無宗教国なので、そういう考えの人が多いんでしょうね・・・
やはり、死刑廃止国の多くはキリスト教だったりするのを見ると、
国民感情・世論云々より、まずは日本人の根柢の性格・・・というか資質からして違うんでしょうね。
補足意見にいう「国民感情」について、非常に参考になりました。
貴重なご意見、有難うございました。
No.8
- 回答日時:
>死刑存置派の立場からで、世論は死刑に反対していないので死刑存続は正当化される
う~ん、難しいところですね。
確かに、日本は民主主義国家であり法治国家です。
民主主義国家というのは、意志決定にあたって一番の権力は国民が持ってるということです。(ただし、現実には直接民主制は無理なので選挙で選んだ代表に決めてもらうとういう間接民主制撮っていますが)
しかし、民主主義で誤ってはならないのは、「単純な数の論理ではない」ということです。
つまり、「多数決で多い方が必ず正しいというワケではない」のです。
民主主義というのは「多様な意見を持った者同士が、話し合って歩み寄り落としどころを決める。(このときに多数決が用いられる)」というだけで、あくまでも「対話」が基本となります。
「対話」という事は、ある程度「論理的」に持論を説明できなければ相手を説得するのは難しいといえます。
そういった意味では、「世論が支持してるから死刑存置」というのは、民主主義においては少々乱暴な論理と言えると思います。(世論が正しいとは限らない)
>民主主義国家においては、やはり多数派を尊重すべきなのでしょうか?
つまり、これの答えは「少数意見も尊重すべき」です。
そして、是々非々で議論しあって落としどころを模索するのです。
しかし、全ての人が納得できる意見というのは、なかなか無いのが現実です。
そこで、「便宜上」多数決を用いてるにすぎません。
つまり、多数決は「ベター」な方法なのであって「ベスト」な方法ではありません。
民主主義とは、妥協の連続とも言えます。
で、法治国家ということは「悪法も法なり」であり、その法が効果を発揮してる間は、服する義務が国民にはあります。
もちろん、こうした「悪法」は「法改正」という「手続き」によって是正することが出来ます。
>国民感情と世論についてはとくに区別が分かりません
世論とは公共の問題について、世間一般の人々が共有している(であろう)論理的な意見であり、通常「世論調査」で測定されます。
しかし、その実態については「本当に存在している」のか「ある思想集団(世論形成集団やマスコミ)による操作で現れているにすぎない」のかは、なかなか分かりません。
一方、「国民感情」というのは、呼んで字のごとく「国民」が持って居るであろう「感情」の事です。
「感情」とは、しばしば「論理的」ではなく、主観的で直感的なモノです。
ただ、マスコミや裁判用語として「国民感情」が用いられる場合、「一般の人はこう思うはずだ~」という推測ですね。
以下は、死刑論議で抜け落ちてるな~と個人的に感じるところで蛇足なのですが。
TVやこうした一般の人が集まる掲示板では、とかく「感情的」な議論が多く「刑法理論学」の観点からの意見というのを聞いたことがないんですよね。
「刑法理論学」というのは、その名の通り「刑法とは何か?」というのを問う学問です。
19世紀に根幹が出来上がったのですが、それによると現代刑法というのは、
・問題となるのは、行為そのものではなく行為者自身である(行為者主義
・刑は応報・報復ではなく、行為者の反社会的な性格を改善するための措置である
という意見が主流だということですね。
つまり、国家による「刑」というのは、「罪に対する罰」というよりは、「国家による犯罪者の教育・矯正」である面が強いという事です。
もちろん、そいうった意見に対して「被害者軽視」との批判もあります。(ただし、こちらは感情論的な批判が多い)
また、「犯罪被害者の復讐権は民法で行うべき」という意見もあります。
人間は数字を出すとそれに信憑性があるかのような錯覚に陥りますね・・・
多数であることはひとつの決め手かもしれませんが、
多数=正しいというわけではありませんね。そこが民主主義の怖いところでしょうか・・・
>刑は応報・報復ではなく、行為者の反社会的な性格を改善するための措置である
討論すると、ここの部分がよく抜け落ちていますね。
死刑は被害者感情を慰撫するものではないという意見もありますが、
刑罰より、被害者のその後のケアや金銭的な部分なども必要かと思います。
貴重なご意見、有難うございました。
No.7
- 回答日時:
「なぜ人を殺してはいけないか」
という問に対して、
「(民主国家において国民の多数決で制定される)法律で決まっているから」
と答える人はむしろ少ないと思います。
法律よりも普遍的な法をもって否定すると思います。
それと同じことです。
死刑も法律(多数決)よりも普遍的な原理によって否定されるという、
主張をすることは可能です。
たとえば(以下は私の主張ではありません、単なる仮定です)
・憲法に反する
・道徳に反する
・自然法則に反する(それでも地球は回っていると言った人がいました)
・神のお告げ
・天皇陛下などが拒絶した
などがあると思います。
No.6
- 回答日時:
>死刑を正当化する論拠として、世論を利用してもいいのか、ということです。
正しくもあり、間違ってもいます。
法というのは、論理の世界でもあります。人間社会自体は様々に矛盾していますので、なるべく合理的で論理的に考えて法律は作られています。(それでも矛盾はありますが・・)
死刑を含め、刑法で重要なのは「法を制定・運用することで社会秩序が保てるのか?」ということです。
その点で、国民感情とか世論というのは、まったく合理性を欠いています。
国民感情自体と世論は表裏一体の関係です。国民感情は世論と言うある種のアンケートをとらないと分かりませんし、かといって(他の場合もそうですが)世論という言葉が一人歩きをして実態とかけ離れてしまうことも多いのです。
ですので、合理的な判断という意味で世論とか国民感情で決めるというのは危険です。但し国民投票や選挙で投票する(死刑存置もしくは廃止派に投票する)というのは合理的で、且つ国民が責任をもつ方法です。
日本国の主権者は国民です。
国民合意の上で、社会秩序を保ち社会正義を実現しなければなりません。その国民合意と世論とか国民感情というあやふやな物と同一視するのは危険です。
死刑存廃の国民投票や死刑存廃が争点になる選挙があれば、様々な世論とか国民感情が各メディアにあふれるでしょう。各投票者は情報に左右されることになるでしょう。そういう意味では世論や国民感情は一定の情報として役に立ち、判断基準となりえますが、合理的に行われた投票の結果が唯一、国民が責任を持って判断したものになるのです。
その上で投票という結果に
再び有難うございました。
最近の選挙は死刑についてほとんど主張されていないので、
国民の死刑に対する意識が低いのでは・・・と思います。
そうですね、正当な方法であれば、世論でも信用に足りますね。
貴重なご意見、有難うございました。
No.5
- 回答日時:
一つ補足をお願いしたいのですが、
> 世論によって人の命を奪う死刑という刑罰の是非を考えてもいいのでしょうか?
これが否であるならば、では
1. 世論以外の誰か特定の個人(組織)が考えるのならよし
2. 世論にすら是非を考える権利はない=誰も考えてはいけない
のいずれかという事になりますね。
1. 質問者様にとってそれは誰であり、またその人ならば判断を委ねてもよしとする根拠は何ですか? またその人を良しとする質問者様自身の判断の正当性は、どんなところに拠りますか?
2. 誰も考えてはならないのなら従うべきは「それまで良しとされてきた前例・伝統」のみとなりますが、質問者様としてはそれで構いませんか?
この回答への補足
そういう意味では無かったのですが、書き方がまずかったですね・・・
死刑を正当化する論拠として、世論を利用してもいいのか、ということです。
確かに、上記の文面だけではそのように捉えられますね・・・失礼いたしました。
No.4
- 回答日時:
はじめまして。
言うまでもないことですが、日本は民主主義の法治国家なので、刑法に死刑の定めがある以上、日本においては合法であり正当である、というのが普通の考え方でしょうか。倫理的とか宗教的にという話なら、ちょっと違うかもしれないとは思いますが・・・・・。
重要なことは、主権者たる国民がその意思によって法を変えていく手段を保証されていることです。よく死刑廃止論者の方は「諸外国では~」とか「欧米では~」ということもおっしゃいますが、日本の刑法は日本国民がそのあり方を決するべきものだと思います。死刑存置にも問題はありますし、死刑廃止にも問題があります。要は、死刑制度について感情的でない冷静な議論をして、民意を形成し、それを選挙を通じて法に反映させていく。国民感情と言ってしまうとちょっと抵抗がありますが、世論が法に反映されることは正しいことです。世論調査等では国民の過半数が死刑存置を支持しているという結果が出ていると思いますが、今後このことについてより国民的議論が深まり、それが正しく法に反映されていくことを望みます。
はじめまして。
世論調査の内容にも少々問題があるようですが、何も考えなしに意見をいう国民はいないと思いますので、
現実として賛成過半数という数字が出ている以上、世論は死刑を是とし、
結果として、法に世論が反映されていると言えるんでしょうね・・・
とにかく、死刑に対する(私をはじめ)国民の意識が低いのが問題ですね。
ご意見、有難うございました。
No.3
- 回答日時:
>しかしながら、民主主義国家においては、やはり多数派を尊重すべきなのでしょうか?
それこそ民主主義の根幹だと思いますけどね。
多数派になれないのは「皆から支持されていない」からでしょう。
どうやって多数の支持を受けるかは少数派が考える事です
(ま、大抵「差別だ」「陰謀だ」って人の性にしたがるけどね、だから多数派になれない)
>また、過去の判例で、国民感情が死刑を否という考えに変われば、死刑廃止もありうる・・・
といったような補足意見がありましたよね。
海外では国民投票で死刑を廃止なんて例もあります。
従って法に決められた正当な方法で決めた結果であればあり得るでしょう。 補足意見が特に変な事を言っているとは思えませんが。
日本は犯罪に対して処罰感情が非常に強い国です。
何でもかんでも直接当事者を処罰しないと収まらないですよね。
最近じゃマスコミや有識者と言われる人間が率先してリンチしてますよね
ここでも法的に処罰したい等の質問毎日山のようにありますね。
したがって、当分死刑を廃止するような事にならないと考えます。
ま、何で死刑になるような事起こしておいて国民の税金でのうのうと生きながらせる必要があるのか。
僕が支持できるような意見に合ったことは無いですね。
(僕は身内が犯罪に巻き込まれて死んで、犯人に死刑判決が出てなおかつ死刑反対の論調を張る方には敬意を表します)
>また、過去の判例で、国民感情が死刑を否という考えに変われば、死刑廃止もありうる・・・
>といったような補足意見がありましたよね。
これは、ただ「国民感情」についての例示がしたかっただけで、
この補足意見については特に言及しておりません。
紛らわしい書き方で申し訳ないです・・・
>ま、何で死刑になるような事起こしておいて国民の税金でのうのうと生きながらせる必要があるのか。
私はここが一番重要だと思います。はっきり言って、無駄であると思います・・・
ご意見、有難うございました。
今回の質問と少し離れてしまいますが、
寄せて下さった回答についてお聞きしたいことがあります。
>国民投票で死刑を廃止
これは全くの正当な方法であり、何も文句はないだろうと思われます。
ただ、フランスの例なのですが、世論の多数が死刑存置を支持しているにもかかわらず、
死刑を廃止した・・・という事実について、どう思われますか?
これも法に則った方法であるので、特に問題はないと思われますか?
もし宜しければ、で構いませんので、ご意見頂けると嬉しいです^^
No.2
- 回答日時:
「不快に思う」前に、質問の趣旨が分かりません。
>世論によって人の命を奪う死刑という刑罰の是非を考えてもいいのでしょうか?
>民主主義国家においては、やはり多数派を尊重すべきなのでしょうか?
>「国民感情」ですが、これは「世論」と異なるものなのでしょうか?
>国民感情も世論も同じで、だから今、世論は死刑に賛成している人が多いから死刑は是!なのでしょうか?
↑
これらが全て質問なのでしょうか?
質問文を整理してくれるか、補足願いたいところです。
この回答への補足
言葉が足らず、申し訳ございません。
>世論によって人の命を奪う死刑という刑罰の是非を考えてもいいのでしょうか?
>民主主義国家においては、やはり多数派を尊重すべきなのでしょうか?
>「国民感情」ですが、これは「世論」と異なるものなのでしょうか?
>国民感情も世論も同じで、だから今、世論は死刑に賛成している人が多いから死刑は是!なのでしょうか?
以上、2つずつセットで考えて頂ければ・・・と思ったのですが・・・
まったく違う内容ではない・・・はず・・・です。
No.1
- 回答日時:
たとえばね
資料が古いけど・・・
基本的法制度に関する世論調査 - 内閣府大臣官房政府広報室
http://www8.cao.go.jp/survey/h16/h16-houseido/in …
と言う感じで、調査した結果を世論と称してるので、基本的には多数決を尊重してると言う話ね
世論を国民感情と表現してると言うところかな?
別にマスコミが言ってるから、世論になってる訳じゃ無いと言う話ね
>世論を国民感情と表現してると言うところかな?
もともとは、それぞれまったく違う概念であるが、
ただ名称を変えているだけである、ということでしょうか・・・?
間違っていたらご指摘下さると助かります・・・
ご意見有難うございました。
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