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大母音推移(Great Vowel Shift)というものが起こった原因はなんでしょうか?

発音のし易さでしょうか。
社会的な要因がはたらいているのでしょうか。

簡単には言えないでしょうが、ご存知の方いらっしゃいましたらよろしくお願いします。

A 回答 (4件)

定説はありません。


代表的なものとして、i,u→ai,auという二重母音が最初に生じて、それに吸い上げられるようにして、他の母音も位置が上昇して変化したというO.Jespersenの「吸い上げ説」、e,o(長母音)がi,u(長母音)を突き上げてe,oの位置に入り込んだため,もとのi,uは二重母音化し、他の母音もそれに乗じて変化したというKarl Luickの「突き上げ説」などありますが、肝心の最初の母音変化が生じた原因については二説とも明らかにしていません。

興味深い説として、人が興奮して話すと喉(のどぼとけ)が高くなることにより、母音の位置も高くなった
とするWilhelm. Horn の「心理論理説」を紹介しておきます。

たとえば一例をあげると、bear(熊) beard(あごひげ)は,かつて同じ発音であったが、「熊」はベアー*であるのに、「あごひげ」はビアード*になった(*当然のことながら正確には発音記号で表記する必要がある),これは男のひげが男性らしさを示すものとして受け取られるので女性は知らず知らず興奮して発音する。したがってbearよりbeardのeaを高く発音する。その発音を子供が覚えていくうちに、eaは違った音価をもつようになったと説明しています。

「熊」だって「雄雄しい動物」=「男性らしい」と思えますし(凶暴なのはたしかメスのほうだったか?)またbeardのeaをエアーと低く発音していしたころの女性は「ひげ」に興奮しなかったのか?という疑問は残りますが、

このHornの説は、英語学者、渡辺昇一氏によれば”実証的で、音声生理学、音響物理学的に最も説得力ある”ということです。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなりすみません。回答ありがとうございます。
詳しく教えていただき、とても助かります。
具体的な説の名前や学者の方の名前を教えていただけたので、自分で調べていけそうです。
ありがとうございました。

お礼日時:2003/01/16 20:39

アメリカに35年ほど住んでいる者です。



他にも、「なぜ、変わったの?」と言う質問がありました。 その時にも、皆さんは、いろいろな「説」を書いておられましたが、ここで、他の人たちがおっしゃっているように、言葉の意味、発音、つづりの変化を説明しろ、と言っても無理な事なんですね。

確かに、雑学的なことはいろいろ言えるでしょう、でも、「これだ!」という説明はできません。 これは、日本語でも同じですね。

つまり、雑学的な情報はあっても、それが一貫して、ほかの単語に全て影響していくかと言うと、そうではないんですね。 つまり、「こうだよ」と言っても、「じゃ、なぜ、その原因がほかの単語にも影響しなかったの?」と言う事になってしまうということですね。

ですから、アメリカでは、この雑学的な知識をただ単に「興味のある」事としか扱っていなんですね。 

原因はない、ではなく、紙面ではとても書けることのない膨大な量の言語的(つまり人間の生活)要素が入り組んで影響している、と言う事です。

と言う事で、解答になっていませんね。 

これでいいでしょうか。 分からない点がありましたら、補足質問してください。
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この回答へのお礼

遅くなりました。回答ありがとうございました。

お礼日時:2003/01/16 20:18

英語そのものは数百年かかって徐々に変化しています。

特にフランス語の影響を受けて綴りが変り文法にも変化が起こったことはよく研究されトレーズされています。Great Vowel Shiftは15世紀から16世紀にかけて起こったとされ、どのように主要母音が変化したかは解明されていますが、何故起こったかということは、akatoraさんも指摘されているように不明とされています。学問的に不明とされていることを素人の我々が想像で云々するのは不謹慎だと思います。

しかし、定説がないのだからshin-883riderさんもいろいろ考えては如何ですか。(支配階級と被支配階級の交わり、社会階層の人口バランスの崩壊、教育の普及、人の移動、体格の変化による発音器官の変化などいくらでも考えられます)

http://alpha.furman.edu/~mmenzer/gvs/what.htm

参考URL:http://www.inr.co.jp/zakkaya/his/spl2.htm
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。参考URLも教えていただき、たすかります。
そうですね、定説がないのだからいろいろ考えてみてもいいのですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2003/01/12 21:30

これは数百年かかって起こってきた現象ですので、一夜にして変わったわけではありません。

したがって、「どのように」の問いには答えがだいたい出ているようですが、「なぜか?」は音声学の専門家も分かりません。わたしの学生時代にも、英語史で GVS のことは習いましたが、日米両方の先生方も「何故?の質問には答えることが不可能」といっていました。

おそらく、次のようなことも理由のひとつと考えられるのではないでしょうか。地域的な発音の違いというものはいつの時代にもありますが、都市部への人口流入によって、さまざまな「田舎の発音」が入ってきた。そこで、コミュニティーの中でさまざまな発音が雑居状態になっているうちに、次第にある特定の発音が主流となっていった。

たとえば、いまの話ですが、イングランドのある地方では ‘home’ を標準的な「ホウム」と発音せず、「ホーム」と伸ばします。もしこの地方の人たちが大挙して大都市に押し寄せ、かれらの発音を「イケテル」発音とみなすようになってこれが流行ったとしたら、そのときvowel shift が起こるということです。

しかし、こんな単純な理由では説明できないでしょう。なにしろ長い年月を経ておこった事象ですので、「わけもなく変わっていった」というのが実際のところだと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。なぜ変わったのかはわからないのですね。
home の話は興味深いです。
ありがとうございました。

お礼日時:2003/01/12 21:17

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