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人間の身体には、

「あるホルモンが出された後は、
その反対の性質を持つホルモンが放出される」

という話を聞きました。

例として、
アドレナリンが放出された後、
脳内ドーパミンが、出てくる。
・・・ とありました。

ジェットコースターが病みつきになる背後には、
そうした人間の身体の性質があるとか。


それにしても、
どうしてこのような性質があるのだろう?
と疑問に思いました。


「どうして人間には口があるのか」レベルの、
あまり意味のない質問だったらすみません。

ですが、どなたかから興味深い回答をいただければ、ありがたくおもいます。


よろしくお願い致します。

A 回答 (2件)

こんにちは。



>「あるホルモンが出された後は、その反対の性質を持つホルモンが放出される」

我々の神経系が「興奮性物質」と「抑制性物質」によってコントロールされているというのは間違いないのですが、必ずしも反対の性質を持つものが分泌されるということではないです。抑制性の伝達物質によってブレーキの掛かる場合もありますし、時間が経つことによって元に戻るものもあります。
例えば「NA(ノルアドレナリン)」は脳内の覚醒状態を亢進する興奮性の伝達物質です。そして、このNAに対して抑制に働き、脳を安静状態に戻すのは「5-HT(セロトニン)」です。ですが、この5-HTといいますのは脳内では常に一定量が恒常的に分泌されており、脳が興奮状態になったからといって余分に放出されることはありません。
もちろん、NAの分泌そのものを抑制する伝達物質もありますが、NAを分泌する神経核に信号の入力がなくなれば何れ分泌は止まるわけです。では、ここで5-HTは常に一定量が分泌されているわけですから、NAの分泌が停止するならば脳は自然と安静状態に移行することになります。
因みに、ここでご説明致しますのは「内分泌ホルモン」ではなく、「神経伝達物質」ということになります。我々の身体では共に細胞間・臓器間の情報伝達を行うための化学物質ではありますが、特に「神経伝達物質」といいますのは通常の細胞・臓器には働かず、飽くまで「神経細胞同士の連絡に用いられるもの」として内分泌ホルモンと区別されます。

>例として、アドレナリンが放出された後、脳内ドーパミンが、出てくる。・・・ とありました。

「DA(ドーパミン)」といいますのは「中枢系においては興奮性の伝達物質」であり、間違ってもNA(ノルアドレナリン)を抑制するために放出される伝達物質ではありません。従いまして、この例文は神経伝達物質の興奮抑制作用を説明するものとしては明らかに誤りです。
NAといいますのは我々動物が身体内外の環境の変化に対処するとき、「注意力」や「思考力」など主に中枢系の覚醒状態を亢進させるために分泌される伝達物質です。ですから、我々が何かに対して警戒をしたり、あるいは興味を持ったりするとき、まず最初に分泌されなければならないのがこのNAということになります。
では、その環境の変化が「報酬」と判定された場合は「縫線核A10・DA」の分泌が「報酬系回路」を活性化させますので、我々の脳内には「期待」や「幸福感」が発生し、積極的な行動を選択することができるようになります。ですが、これが「ストレス」と判定されますならばDAによる報酬回路の活性化は行われず、NAの分泌は専ら「闘争・逃避」や「交感神経系」の活性化に作用することになります。
この際、副腎髄質からは末梢神経系の活性化を目的とした「ストレス対処物質としてのDA」が分泌されますが、こちらは幸福感などの情動回路には一切作用しません。そして何れにしましても、これらは全て必然的に脳内でNAが分泌されたあとという順番になります。

>ジェットコースターが病みつきになる背後には、そうした人間の身体の性質があるとか。

このようなものは「BE(β-エンドルフィン)」の分泌による一種の「ジェット・コースター依存症」ということになります。BEの分泌による依存性としましては、現在では「ギャンブル依存症」なんてのが問題になっています。確かに生理反応としはあり得ることなのですが、果たして「ジェット・コースター依存症」や「ホラー映画依存症」などというのはあまり聞いたことがないです。

只今の説明では、DAによる報酬系回路の活性化が行われないので、「ストレスに対して幸福感は発生しない」と述べました。ところが、何らかのストレスに対して脳内に「BE(β-エンドルフィン)」が分泌されますと、奇妙なことにこれが起こってしまいます。
報酬系回路に対して分泌されるDAといいますのは、普段は「GABA(γ-アミノ酪酸)」によって抑制されています。ですが、脳内にBEが分泌されますと、DAの分泌を抑制するこのGABAが解除されますので、これによって報酬系回路は必然的に活性化してしまいます。このため、身体はストレスに曝されているにも拘わらず、あろうことか脳内では快感や幸福感が発生することになります。
身体的なストレスが一定量に達しますと脳内に幸福感が発生するという「ランナーズ・ハイ」といいますのはこのようなBEの分泌によるものであり、この快感が学習され、病み付きになるならば、取り敢えず「何でも依存症」ということになります。
但し、生理反応としましては十分に起こり得ることではあるのですが、果たして我々がジェット・コースターに乗ったあとに味わう爽快感といいますのは、通常はストレスから開放されるという暦とした「報酬」に従って発生するものだと思います。従いまして、お金を払って乗りたがるのは、これは飽くまで刺激を求めているからであり、極度のストレスによって依存性が獲得されるなどといいますのは、果たしてここまで来ますとほとんど病気です。

>それにしても、どうしてこのような性質があるのだろう?と疑問に思いました。

そうですね。
正に質問者さんが疑問に思われます通りなのですが、残念ながら、これはまだ解明されていないです。
「脳内麻薬」といいますのは、その化学的性質が「モルヒネ」などと良く似ているために用いられる呼び名です。「BE(β-エンドルフィン)」を始め二十種類程度が発見されているのですが、どうしてそんなものが脳内にあるのかというのは、現在でもまだ多くの学者さんが首を傾げています。
モルヒネと同様に「鎮痛作用」のあることが知られています。ならば、ストレスに対して分泌され、身体の苦痛を和らげるという働きに関しましてはきちんとした生物学的意義が成立します。
ですが、上記で述べました通り、我々が脳内に幸福感を発生させるためには、BEが分泌されることによって報酬系回路を抑制しているGABAが解除されなければなりません。これがどういうことかといいますと、つまりBEといいますのは「報酬」と「ストレス」、この何れに対しても分泌されるということです。ここで話が途端にややこしくなります。
報酬に対して満足感が得られるのは全く以って結構なことではありますが、ストレスが与えられているのにも拘わらず幸福感や快感が発生してしまうというのでは、これでは何処から見ても健全な精神とは言えませんよね。
このように、「脳内麻薬」の発見により、それには「鎮痛作用」や「覚せい作用」「依存性」などのあることが分かってきました。ですが、この奇妙な働きのため、それがいったい何のために必要なのかといったことに就きましては、恐らくまだきちんとした論議は纏まっていなかったと思います。
報酬が与えられないのに快感が発生してしまう、このわけ分からない働きからしましても、果たしてβ-エンドルフィンはまるで「覚せい剤」ですね。
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この回答へのお礼

お礼投稿遅れてしまいました。すみません。

とてつもなく詳しいご回答を、どうもありがとうございました。
ベータエンドルフィン・GABA・・・
聞いたことは十分あるけれども、まだ頭の引き出しに、、、全く整頓されていない名前が沢山出てきました。

本当に自分が、今回の質問に答えを出したいならば、
RUEHASさまの話を、、、まず理解できるようにならないといけませんね・・・。

丁寧なご説明を、どうもありがとうございました!

お礼日時:2008/12/31 09:26

エンドルフィンのことですよね?たぶん…



http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3% …

分泌の仕組みもまたその理由も完全には解明されていなかったかと思いますが…

個人的な見解おば。

エンドルフィン自体は痛みをやわらげる際分泌されるものらしいのですが、
アドレナリンは逆にストレス反応を引き起こすものだとされています。

ということは

ストレス(アドレナリン)

緩和(エンドルフィン)

という構図で進化したものが今のような状態ではないかと。

自分も昔同じ事を考えたときに勝手にそういう結論に達したので。
専門家ではありませんので、ただの個人的見解です。
スミマセンスミマセン。
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この回答へのお礼

すみません。お礼投稿が遅れました。

あまりにも日常的に「アドレナリン」など、出てくるものですから、
かなり細かいところまで分かっているものと思っておりました。

まだ、解明されていなかったんですね・・。


どうも、ご回答ありがとうございました!

お礼日時:2008/12/31 09:20

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