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 天皇陛下は、エンペラーを訳されると思います。
しかし、多くの立憲君主制の国の国家元首はキングと呼ばれています。
この違いは何なのでしょうか?
また、日本以外の立憲君主制の国で、国家元首がエンペラーと呼ばれている例はあるのでしょうか?
ご存じの方、よろしくお願いします。

gooドクター

A 回答 (6件)

日本を含む中華文化圏の皇帝の概念と、欧州文化圏のエンペラーの概念は異なるものです。


似通う部分があったので訳語に当てはめられたに過ぎません。

秦代の始皇帝に始まりますが、皇帝はもろもろの王を封ずる者であり、王同様に世襲されます。

エンペラーは古代ローマ帝国の最高司令官に由来して、本来は「元老院・軍隊・市民の推戴」によって選ばれました。その後、諸国のキングがローマのエンペラーの臣下となります。
そしてエンペラーはキングと異なり世襲とは限りません。

明治時代、日本ではキングの訳語に王を当てたために、天皇を英訳するときにエンペラーを用いて、それが海外に広まり定着したまでです。
(なお、日本の皇室での「王」とは律令では親王宣下のない者、現在では天皇から直系で三親等以上離れた皇族男子です)
天皇は欧州の概念ならばキングに近いですが、すでに19世紀では「自称すればエンペラー」という時代であり、かつてのローマのエンペラーの正当性は無くなっていました。

現在、自国君主の英訳語にエンペラーを用いているのは日本のみですが、1970年代までではエチオピア帝国、中央アフリカ帝国がエンペラーを名乗っていました。

この回答への補足

 ご回答ありがとうございます。
・「日本を含む中華文化圏」では、皇帝(エンペラー)はもろもろの王を封ずる者であり、王同様に世襲されます
・「欧州文化圏」では、諸国のキングがローマのエンペラーの臣下となり、エンペラーはキングと異なり世襲とは限りません
というのは、非常によくわかりました。

・自国君主の英訳語にエンペラーを用いているのは日本のみですが、1970年代までではエチオピア帝国、中央アフリカ帝国がエンペラーを名乗っていました。
というのも、勉強になりました。

 「(なお、日本の皇室での「王」とは律令では親王宣下のない者、現在では天皇から直系で三親等以上離れた皇族男子です)」というのが、わかりませんでした。
明治以前は親王宣化がある者(現代では皇室典範により嫡出の皇子及び嫡男系嫡出の皇孫が親王及び内親王であると定められており、皇族は生まれながらにして地位が決まっている)と理解していますが、
誤っていたら、教えてください。
よろしくお願いします。

補足日時:2008/12/16 00:17
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 日本の皇族身分の「王」は時代により異なりますが、大まかには『大宝令』では皇兄弟・皇子(一世)が親王、皇孫(二世)・皇曾孫(三世)・皇玄孫(四世)の三世代が諸王で、その男子が王、女子が女王。

五世王は王名を名乗ることはできても皇親の範囲外。
 平安中期に親王宣化の制が起きると、皇子女であっても宣化を受けないと王。ですから一休さんも、宮内庁が後小松天皇の落胤説を採っているので、一休宗純王です。このことで、逆に宣化を受けると王でも親王に就けるようになりました。
 明治の皇室典範では五世以下の男系男女皇胤が王・女王で、現在では三世以下の嫡男系摘出の男女子孫です。


 なお、王という言葉には、皇族身分としての「王」以前に、国の最高権力者という意味もありますから、キング・クイーンの訳語に王・女王が当てられたのはそういう意味でもあるでしょう。
 また足利義満が明国皇帝より「日本国王」の称号を受けて以来、足利幕府の中国・朝鮮との外交文書では将軍を「国王」とします。
 そして江戸時代に幕府は外交文書では将軍を「日本国大君」と名乗り、欧州でも「Tycoon」と訳されました。
 日本も欧州のキングやクイーンを王・王女と訳すことで、国内における将軍の地位との配慮をしたようです。
(キング・クイーンを皇帝や天皇、帝と訳してしまうと、将軍よりも地位が上に見えてしまうから)
 それに海外では天皇と将軍の地位・身分関係がよく分からず、実質的に権力を有する将軍(Tycoon)を元首と認識していたようです。

 ですから、天皇の身分は欧州の権力構造的にはキングと近いにもかかわらず、日本の皇室身分や室町幕府や江戸幕府の外交文書といった外交史の関係、言葉の問題で明治政府がキングではなくエンペラーを用いたまでです。そして、海外も日本がエンペラーと名乗っているからそのように定着したまでです(ナポレオンがエンペラーと名乗るように、19世紀欧州ではローマ帝国以来のエンペラーという制度が既に崩壊し、自称すればエンペラーだったからです)。
 現にチャールズ皇太子といういうように、海外の王(女王)の子を皇太子と呼ぶでしょう。翻訳というのは似たような意義が含まれるというだけであり、同一というわけではありません。
(よく、他国の君主はキングだからエンペラーである天皇の方が上位だ、などという珍説がありますが、これも皇帝の歴史とエンペラーの歴史を混同したものでしょうね)

【参照】
吉川弘文館『国史大辞典』
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>この違いは何なのでしょうか?



明治新政府が「天皇=エンペラー」と訳したからです。
この習慣が、未だに続いているのです。

アジアでは、歴代中国皇帝が周辺諸国の王を任命していました。
皇太子・皇太子の結婚・王の即位・王の結婚なども、歴代中国皇帝の承認・任命を得る必要がありました。
また、中華思想を中心とした国々では、未だに「皇」という称号は「中国皇帝」しか認めていません。
韓国では、未だに「天皇の事を日本王又は日王」と称しています。
アジア諸国では、日本とタイの二カ国のみが中国皇帝の支配にから独立していました。

>日本以外の立憲君主制の国で、国家元首がエンペラーと呼ばれている例はあるのでしょうか?

古代ローマ帝国と近代ではドイツ歴代皇帝・フランス皇帝程度でしようね。
現在では、既に存在しません。
エンペラーの支配下に各キングが存在します。
ドイツの場合は、現在の各州が王国でしたから、ドイツ統一が成った時点で皇帝が誕生しています。
まぁ、エンペラーは政治的な意味合いが強いですね。

旧東ヨーロッパ共産諸国では、革命で追放・亡命した元王族の帰国が始まっています。
西欧イタリアでも、元王族の帰国が(法改正により)実現しました。
ロシアでさえ、ロマノフ王朝の子孫の帰国を求める運動が起こっています。
しかし、既にエンペラーは存在しませんし誕生は不可能でしよう。

余談ですが・・・。
リヒテンシュタイン公国・ルクセンブルク公国・モナコ公国の公爵は、ローマ帝国時代エンペラーから任命された貴族が(公式には)現在も(領地・人民を)統治しています。
この任命が、公爵支配の根拠になっているようですね。
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#2さんも指摘されていますが、ヨーロッパの「皇帝と王」の関係と東洋(特に中国)の「皇帝と王」の関係は似て非なる概念です。


ただ、重複する部分も多々あるので便宜的に「エンペラー=皇帝」「キング=王」を訳語に与えたにすぎません。

ヨーロッパの場合

・皇帝
ヨーロッパの皇帝の概念は、ローマ帝国時代にまで遡ります。
帝政ローマになっての初代の皇帝はガイウス・ユリウス・カエサル・オクタウィアヌス(アウグストゥス)とされています。
しかし、ローマは王政を打倒して共和制になったという経緯があります。
そのため、ローマ共和国時代に「王政アレルギー」と言って良いほど、政体が共和制から君主制に移行することに敏感になっていました。
でも、アウグストゥスが生きた時代には共和制では対応出来ない時代になっていました。
そこで、彼は「王」という称号を使わず、「インペラトール(羅・imperator)」という称号を使いました。
これは、共和制ローマ時代には軍事権を中心にした最高指揮官の称号でした。
(※そのほかに「アウグストゥス(称号)」「カエサル」という呼称も皇帝の称号として利用されるようになっていきます)

ローマ帝国崩壊後は、この「インペラトール」は「ローマ皇帝の後継者」の称号となっていきます。
ローマ崩壊で一端途絶えた皇帝ですが、A.C.800年にフランク王国国王カールがローマ教皇レオン3世によってローマ皇帝に戴冠されます。
この後、フランク王が皇帝も兼ねるようになりました。
フランク王国崩壊後に、またもや皇帝は途絶えますがドイツ王オットー1世がローマ教皇ヨハネス12世によって戴冠されます。
これが、神聖ローマ帝国の始まりとなります。
その後、ローマ皇帝>ドイツ皇帝及びロシア皇帝>ナポレオンへと引き継がれていきます。
もうお気づきかと思いますが、この「インペラトール」の英語が「エンペラー(emperor)」です。

一方、「キング(king)」というのはもう少し曖昧な称号です。
「KING」は、血族を示すキン「KIN-」から派生した言葉といわれています。
つまり、「血統」を強く意識した称号であり、政治的に作られた「エンペラー」とは概念が全く異なります。
で、この「王権」の正統性には幾つかの理由があり、政治的につかいわけられてきました。
一番は、語源からも分かるように血統です。
一つは、封建制度による家臣群から認められた「王権」。 (封建制)
もう一つは、ローマ教皇から「王」として認められること。(王権神授説)
この二つを、政治力学的に使い分けて様々な歴史を形作ってきました。

このように、エンペラーはローマ皇帝の後継者という意味合いが強く、キングは一勢力の統治権を示す意味合いが強いと言えます。
そこに、キリスト教カトリックの「教皇権」との兼ね合いが加わってきます。


・東洋の場合

東洋の皇帝はの概念は、中国は秦の始皇帝にその源を発します。
秦が中国を統一するまでは、様々な国が乱立していました。
そして、各国の君主は「王」という称号を用いていました。
そのため、「王」という称号にありがたみを感じなかったえい政は、「皇帝」という称号を作り名乗りました。
「皇」の字は「自(はじめ)」と「王」の合わせ文字だと言われています。
そこに「帝(みかど)」を合わせました。
「帝(みかど)」には「天子」という意味が込められています。
「天子」とは、「天の命によって天下を収めるモノ」という意味です。
こうした理由があり、秦の始皇帝移行は「天の命によって天下を収めるモノ」として「皇帝」が中国を統治していくことになります。

一方、「王」は周の時代に「天子」の意味で用いたのが最初だと言われています。
最初は、封建制の関係から周以外の国は周王に配慮して「王」という称号はつかいませんでしたが、周の権威が落ちるとともに各君主が「王」を名乗り始めます。
で、「天子」であるはずの「王」が乱立することになりました。
それに終止符を打ったのが、秦の始皇帝です。

・・・と、話が前後しましたが、「帝」も「王」も「天子」を示す称号でしたが、それにありがたみがないとして「秦の始皇帝」が統一を記念して(?)「皇帝」を名乗り始めたのが、皇帝のはじまりです。
その後は、「王」は「皇帝」の下の位となってしまいました。


・日本の天皇

日本の「天皇」が「皇帝」にあたるのか「王」にあたるのかは、様々な議論が分かれるところです。
一応、「天皇」は中国の「皇帝」の別名です。
それを日本が導入したのは、天武天皇の時代という説が有力なようです。
その後、明治期に欧米に天皇の立場を説明するのに「エンペラー」を訳語として与えました。
それが慣例化して、欧米では「天皇=エンペラー」となります。



>また、日本以外の立憲君主制の国で、国家元首がエンペラーと呼ばれている例はあるのでしょうか?

実態はともかくとして、建前上では19Cのオーストリア帝国やドイツ帝国が、それにあたるでしょうか。
そうした国を参考にして、明治に日本帝国憲法が制定されます。
あとは、フランス第二帝政とかも建前は帝政の立憲君主制と言えなくもないかもしれません。

思わぬ長文になってしまいましたが、参考になれば幸いです。
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意味論が出たので補則すると


・キング:「優れた血筋」的な意味で、代々の王を示す
・エンペラー:ローマ帝国の最高司令官(軍事限定)から出た役職名
で、正確には文官の最高位「皇」と武官の最高位「帝」の両方を兼ね備えた「皇帝」よりも、少し格下(権限限定)の意味になります。

天皇は(諸説ありますが)天皇大帝から採っており
(最初は)軍事/政治の両方を司るので、
権限的には「王」位より上の位(いわば、ローマ法皇の位も兼任)のイメージが正しいでしょうね。


なお、欧米各国は有色人種の国家は、自分達の国以下の存在としていたので
ムガール帝国の帝王の地位より、イギリス国王の地位の方が上なので、それで呼んでいたりしていますが、
一応(ロシアなどに勝ち、同等以上の力を持っていたので)日本は名誉?白人扱いされ、
現在では、ローマ法皇に継ぐ?地位(イギリス国王より上)に扱われていますね。
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位で言えば、王(キング)の上が、皇帝(エンペラー)。


中国の3皇5帝(神話上の王の中の王)から、皇帝や天皇(天の皇(帝))と命名されました。

神聖ローマ帝国など、多数の国家を束ねる存在として存在していますが
現在で、皇帝で残っているのは日本だけですね。
(現在の東京1都市だけで、北朝鮮など中小国家並の力を持っており
規模から言えば、帝国や連合国扱い出来る国ですから、世界的に認められています。
なお、古代/中世でも、江戸1000万都市は、諸国並の人口と経済力を持っており、
大和の国など県単位のレベルが国家並の権力を保有している上
東北などでは言葉すら通じない程、文化的にも異なっていた為
古代よりこの名称を他国(中国を含む)でも認められていました)
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この回答へのお礼

 ご回答ありがとうございます。
・(複数の)王(キング)の上が、皇帝(エンペラー)。
・現在で、皇帝で残っているのは日本だけ
というのが、すごくわかりやすいです。

 「東北などでは言葉すら通じない」というのも、勉強になりました。
ありがとうございます。

お礼日時:2008/12/15 23:52

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