Wikipediaの永久機関のページの第二種永久機関について疑問があります。
船の説明のところで温水と冷水が出来るとありますが、第二種永久機関が熱効率100%の機関であるとすると、自然に温度差が作られるのなら100%以上のエネルギーを取り出せることになり第一種永久機関になりませんか。温度差を作ることと熱効率100%の機関とはまったく話が違うと思うのですがどうですか?
また同じページのマクスウェルの悪魔についても疑問があります。
速い分子と遅い分子が混ざった状態を仮定していると思うのですが、普通なら時間がたつにつれて分子の速度は変わっていき、最終的には全て同じ速度の分子だけになるはずです。こうなれば悪魔がいても速い分子と遅い分子に分けることは出来なくなります。速い分子と遅い分子を混ぜた気体を作るのであれば、混ぜる前の気体からエネルギーを取り出せばいいだけの話であって、わざわざ2種類の気体を混ぜた後また2種類の気体に分ける必要はありません。問題が不自然な状態を仮定していておかしいと思うのですがどうですか?
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
後半だけ、
時間が経ち部屋全体が均一な温度であっても一つ一つの分子の速度にはばらつきがあります。
もう少し言えば気体の分子速度はある分布に従っており、温度計で測ることが出来る温度やそこから算出できる分子速度はその分布の平均値でしかありません。
部屋の中を気体分子が様々な方向に飛び回っているとすると、中には分子同士が正面衝突して速度を失う分子もあるでしょう。また別の分子に追突され速度を増す分子もあるでしょう。
部屋の中の気体はマクロに見れば均一な状態ですが、ミクロに見れば全体は平衡しつつ分子ひとつひとつは刻々と速度や運動の方向を変えているのでしょう。
気体分子が分布を持つということが分かる身の回りの現象として"水の蒸発"があります。
水は蒸気圧をもち、温度が上昇して蒸気圧が大気圧と釣り合ったとき沸騰が始まり水は水蒸気として空中に飛散していきます(このときの温度が沸点、1気圧中なら100℃)。
ここでいう蒸気圧が水の分子が持つエネルギーと言うことなのですが、この蒸気圧が全ての分子について一定であれば100℃以下の水では"蒸発"という現象は起こりようがありません。
なぜなら全ての分子が大気圧を押しのけるのに必要なエネルギーを持っていないのですから。でも実際に100℃以下でも水は蒸発しますね。
それこそ水の分子の運動もある分布を持つからなのです。
全ての分子の平均のエネルギーは100℃以下なのですが、全体の中のごく一部は大気圧以上の蒸気圧を持っているのです。
その分子がだんだんと空気中に飛散していくことで100℃以下の水で蒸発という現象が起こるのです。
No.5
- 回答日時:
前半のご質問ですが、No3のお答えの通りです。
この船は、海水を取り込み、これのもつ熱を使ってなんらかの方法でエンジンを動かします。エネルギー保存則により温度が下がった冷たい水が出来ます。これを海に排出します。(温度差の部分に対応する熱エネルギーが船の推進に使われたわけです。)一方この船の得た推進のエネルギーは、スクリューで水をかき混ぜ、舳先で水を掻き分けて波をおこすことにより、水分子を揺り動かして、そっくり全部海に返されます。これで海も元にもどります。第一種永久機関と異なり、エネルギーは保存されています。無から有を生じていません。但し、この船は海水の温度の下がった分の熱量は全て動力(仕事)に変えています。実はこのように熱を全て仕事に変えることはできないのです。
No.4
- 回答日時:
分子の運動が均一化したとしても閉じた系なら運動が失われることは無い
だとすると分子の衝突が起こって速い分子と遅い分子が出来るのは明白
もし衝突の結果どちらの運動も失われたとするとその運動は熱に変換されて他の分子に引き継がれる
一時的に均一になったとしてもそれが永久に維持されることは無い
だからマックスウエルの魔物は失業することはない
No.3
- 回答日時:
エントロピーがだめだって言ってる。
><http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%8A%9B% …
仕事を全て熱に変える事は出来るらしい。
でも、
逆に熱を全て仕事にする事は出来ないらしい。 つーー;
No.2
- 回答日時:
第一種永久機関は、何も受け取ることなく仕事を取り出すことです。
温水と冷水から仮にエネルギーを取り出せたとしても、海水の温度は下がっていきますから、永久に続けることはできません。
>最終的には全て同じ速度の分子だけになるはずです。
ここが違います。
気体分子の速度は、必ず温度に従った分布になります。
それは分子同士の衝突が起こるからです。
衝突を一次元で考えると、同じ速度になるのですが、二次元以上で考えると衝突角度を考える必要があります。
例として、上に動く分子に右に動く分子が衝突した場合を考えます。
#衝突の瞬間は横一線です。
上に動く分子の上方向の速度は変わりませんから、横方向の速度が加わる分、速度が上がります。
右に動く分子は、速度が0になります。
#質量が同じで、完全弾性衝突の場合。
このようにして、同じ速度からであっても、速度差が生じるのです。
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