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有機化合物の結晶を、エックス線解析することによって、立体配置を決定することができます。その時、得られたコンフォメーションについてですが、必ずしも、溶液中でそのコンフォメーションをとっているとは限らないと聞きました。しかし、私のこれまでの経験では、高い確率で、結晶中と溶液中でのコンフォメーションは一致しております。
ですので、まったく違うわけではないと思うのですが、皆さんの意見を聞かせてください。

最近は、たんぱく質も結晶化させることができるらしいのですが、コンフォメーションに関することで、何か知っている方、よろしくお願いします。たんぱく質が、溶媒中と結晶中で構造が変わるか、変わらないかは重要だと思いますので。

A 回答 (2件)

これは必ず疑問になることだと思います。

溶液中の立体構造解析といえばNMRがその代表ですが、確か1987くらいのJ. Mol. Biol.に一つの蛋白質の立体構造が別個の論文にNMRとX線により明らかにしたものがありますが、同じであったと報告されています。結晶中の水の量は体積で半分ぐらいといいますから、溶液中とほとんど変わらないと考えても良いとは思います。しかし気を付けて欲しいのは、結晶化の条件です。低分子有機化合物の時はそんなに気にすることもないでしょうが、蛋白質の場合は結晶化するときにいろいろ入れたりしているので、必ずしも活性化状態と同じコンフォメーションをしている保証はありません。いずれにせよ、蛋白質のX線による構造はある意味で参考程度にしていたほうがいいと思います。
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この回答へのお礼

回答、ありがとうございました。
私は、たんぱく質を扱ったことがないので、それに関する情報は、とても新鮮で、驚きに満ちています。初めて、たんぱく質の結晶を作ることができることを聞いた時は、かなりビックリしました。ところで、たんぱく質の結晶って、水を半分ぐらいも含んでいるのですね。これまた、驚きです。

お礼日時:2001/03/09 21:50

必ずしも、結晶中の構造と溶液中の構造が一致はしていません。


特に低分子であるほど、溶液中では特定の構造を持たない場合が多いと思います。

分子量が大きくなると、溶液中でも特定の構造を取るようになり、結晶化した場合とよく似た構造を取ることも多いみたいです。

しかし、大きい分子では、溶液中では特定の構造を取っていない分子の領域でも、結晶化により構造を取ってしまうこともあります。

蛋白質においては、水溶性蛋白では、NMRによる溶液中の構造とX線による結晶中の構造が一致することが多いです。しかし、先に言いましたように、溶液中では、構造を取っていない部分を持つものもあります。

また、PYPという水溶性蛋白では、結晶中と溶液中で活性中間体の構造が異なることが実験的に示されています。

コンフォメーションは、溶媒の条件や温度によっても変化しますので、たとえば極低温でのX線結晶構造と溶液中での構造は一致しない可能性があります。

結晶中と溶液中の構造の違いについては、いろいろ議論がありますが、実験的証拠はまだ曖昧で、絶対的なことはまだ言えない状況です。

ただ、どんな分子もピタっと止まってるわけではないので、やはりatchingさんのおっしゃるように、X線やNMRによる立体構造は絶対的なものであるというのではなく、(かなり強力な見解を与える)目安にするべきだと思いますね。
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この回答へのお礼

なるほど。回答ありがとうございます。

コンフォメーションについて考える時、分子って、まるで生きているかのように思えます。

お礼日時:2001/03/11 00:24

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