No.5
- 回答日時:
こんにちは。
こういう見解もあるという例です。
感性が先であり しかもこの知覚や感性という自然に――その人間的自然そのものの中に―― 理性なら理性という文化ないし意志なら意志という社会行為が宿る。こう言っているようです。これだけでは粗削りでしょうが。
▲ (木村重信) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
イメージはロゴスに従属するのではない。
ロゴスはイメージから抽象され、イメージの働きを基礎にして、象徴的な思考が可能になり、その結果として哲学や科学などがうまれた。
このイメージないしその記号としての美術の本質は変貌であって、発展ではない。
進歩、退歩とか開化、未開とか言われるが、これはすべてのことをロゴスに翻訳して考える習慣が我々にしみついているからである。
(木村重信著作集〈第2巻〉:はじめにイメージありき)
現代美術の著しい特性として、即物的傾向をあげることができる。
抽象美術はシュジェ(主体)意識の否定という形で、シュルレアリスム美術は日常的意識を否定することによって、共にオブジェへの傾きを示す。
作品がオブジェとして即自的に完結することと、普遍的な人間性のシンボルとして対自的になること、この総合を求めて現代美術家は茨の道を歩む。
(木村重信著作集〈第6巻〉:現代美術論 )
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
イメージ、この言葉は、重要だと思います。
芸術の主体性を感覚、と捉えると、哲学の主体性であろう理論に結びつかない…(まるで、理論で諭した言葉に感嘆符!を付けたよう)という先入観がありました。
イメージと言う架空の世界に全ての要素が集約されている、イメージすることで生み出されたものは全て、真理を追究する価値があるのかも知れません。
抽象画は、感情・内面の吐露、または、対象物の簡素化によって、真実の姿だけを描き出したもの、という認識がありましたが、意識の否定と言う裏の解釈もあることをここで気付きました。こうやって、芸術の真実の裏側で、納得出来うる意味を持つものが、哲学なのでしょうね。
この考えを知ることが、描く幅を広げるカギのように思えます。
ありがとうございました。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
哲学をより一般的に見て世界観として捉えていましょう。
西洋の宗教画を見ると「永遠」が常にテーマになっていますね。それに比べて「変化」に余り興味が無い。今から20年ほど前にプリンストン大学の高等研究所で「創造性」に関する講演会に参加したことがあります。その講演会である西洋の美術史研究家が「渦はダビンチによって発見された」と言って、彼が描いた渦の絵を何枚も見せておりました。その時、その講演会に招待されていたノーベル賞受賞者のイリヤ・プリゴジン教授が「貴方の主張は西洋ではそうであろう。しかし、東洋を忘れては行けない。中国の絵画でも日本の絵画でも、渦は中心テーマの一つであり、2千年以上前の絵画の中に、東洋人は雲の中にしきりに渦を描いていた。東洋人はわれわれよりも「変化」に強く興味を引かれていたのだ」とおっしゃっていたのが印象的でした。「変化」とは「創造性」の契機ですので、「永遠」に劣らず重要な概念だと思います。1500年代の画家 ジュゼッペ・アルチンボルドが描いた「だまし絵」が評価されているのも、彼の絵の中には「永遠」が存在せず、本来朽ちる物や必然性の無い物の偶然の集まりで人間の顔を描いているからですね。これはその当時にあって西洋人の手で西洋の世界観に真っ向から挑戦した絵画だと思います。
彼の絵:
http://material.miyazaki-c.ed.jp/ipa/internet_ar …
と国芳の版画:
http://pds.exblog.jp/pds/1/200904/22/02/f0097102 …
を比べてみて、「永遠」に対する「変化」を観賞してみて下さい。
哲学の世界観が創造性に関わるものなら、永遠も変化もその中で大きな意味を持っているものだと、気付きました。
(芸術の観点からすると、変化にたどり着くまでに、模倣、と言う経過を辿る例も多くあるように思います。)
永遠は、作品に奥行きや、深みを出す、必然性の高いテーマだと思います。
貼って下さった2枚の絵からは、形作るものの持つ時間、可能性、展望などが対照的で、表面的に輝きを放つ絵と、感情や意思を具象に秘めた絵という差が感じられ、2次元のキャンバスから、訴えかけると言う変化を求めた点では、国芳の作品は、哲学の持つ創造性に値するのでは?と感じました。
あるがままを受け入れることも、変化を追及することも、哲学・芸術の両方に欠かせない絶対的な要素だと思いました。
色々、気付くことが出来ました。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
芸術の背景に見え隠れするのは「哲学」より「思想」に近いものではないかと感じます。
中島義道が著書「哲学の教科書」で哲学とは思想でも芸術でも文学でも人生論でも宗教でも科学でもないということについて、それぞれ詳しく説明していて非常に納得がゆきました。ただ、芸術作品そのものに哲学が表出することは無いとしても、表現者自身が哲学と接点をもっているかどうかはまた別だと思います。そしてそれが作品に多大な影響を与えることは確かだと私は考えています。
あまり質問の答えになっていませんね。失礼しました。
青い空を他の色で塗る、見た目より大きく(小さく)描く、角度的にありえない位置に描くなど、実写よりも自分の内面や、対象物の印象・性質を重視した作品は、個人思想の範囲なのかも知れません。
芸術と言う分野が、表面的にも、奥深い部分でも、多くのものを含んでいて、何でもアリな世界なのでしょう。
自己哲学を持つこと、自己思想を持つこと、それによってものの見方が変わってくる、強調し、吐露したいものも違ってくる、このようなことがその作家の独自性(個性)を作るのかも知れませんね。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
>>社会的な哲学と同意なのか、
同意ですね。 哲学も突き詰めれば各哲学者の理想の世界観の提示ですね。
絵画も理想の世界観の提示ですから同じになるのですね。ただ表現法が言葉であるか絵であるか音楽であるかオブジェであるかだけの違いですね。
のどかな田園風景で人々が平等に平和に暮らす村をイメージしたのがマルクスの共産思想でしょう。ただ広げすぎて失敗しましたが、絵画で言えばゴッホの田園風景やひまわりでしょうね。
ルノアールにいたっては静寂の中に神々しさがありますね。老荘思想的な部分が垣間見れますね。
ピカソは巨人ですが、西田哲学に通じてますね。
モンクの叫びは精神病の哲学でしょう。
哲学にもいろんな段階があり、絵画もそれを投影しているということでしょうか。
学生のころ“いい絵を描きたかったら、哲学書を読め”と言った先生がいましたが、その意味が分かったように思います。
(当時、難しすぎて読む気になれませんでしたけど…)
多分、哲学も芸術も根底は、観察・追及・反映なのかも知れません。
そして、誰も目をつけないような、新しい発見が大事なところも似てるのかな?と思いました。
世の中の哲学を映している絵画は、同じ作家のものでも時代によって、画法や印象が確かに違うと気付きました。
描く側の哲学のあり方が、徐々にですが分かってきたように思えます。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
現在では哲学はさまざまな専門分野に分かれていますが、根本的には哲学は宗教、芸術、医学なども含めた人間社会のすべてがテリトリーです。
ですから、芸術(絵画)と対峙したり、価値基準を設けたり、反発しあうものではなく、哲学の問題のひとつであると思います。問題が非常に複雑なのと、私の知識不足のせいで、具体的に回答することができず、すいません。芸術全体が、哲学に含まれていると考えれば、作品に対しての自分大の精神性や自己表現(絵以外の芸術は、良く分かりませんが…)も哲学なのだと思います。
それが、社会的な哲学と同意なのか、でも、ものの見方として、追及し、掘り下げる部分は確かに同じだと思います。
ありがとうございました。
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