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モンテカルロラリーで優勝経験のあるミニですが、
その強さはどこにあったのでしょうか?
ミニが速すぎた?
他の車が遅かった?
ミニのメカ的に強さをもたらす部分があった?
ドライバー?

1度は失格扱いの幻の優勝になっていますが、
実質4年連続の優勝みたいなかんじですよね?

我々が通常街乗りするには、ギアチェンジは丁寧に、、、
など繊細な扱いが必要ですが、
それとは逆にブンブン走って勝ってしまう、そのギャップがおもしろいと思ったので。。。

A 回答 (6件)

 クルマの研究が仕事の者です。

ミニ・・・若い頃分析しましたよ、ミニの優れている点/劣っている点に関して。

※まずは歴史的な背景から。ミニは史上初のFF車ではありません。
 量産で無くレーシングカーとしては前輪駆動が既に成功していましたし(戦前のハリー・ミラーのFF車などは、インディ500を始めとするオーバルトラックレースで無敵の時代がありました)、量産車(大衆車)としてみても、前輪駆動は戦前のシトロエン6CV『トラクシオン・アバン』から始まっています。(ミニは、『史上初のエンジン横置きFF量産車』です。)
 要するに、『ミニは前例の無いFFだったからラリーで強かった』ワケではありません。(ミニ登場以前のラリー車というと・・・例えばRACラリーで無敵を誇った2ストのサーブ96はFFです。)
 ミニとは関係ない話ですが、ついでにいうと4WDが無かったというのも間違いです。ミニが発表された翌‘60年、F1にファーガソン研究所の4WD F1マシン『プロジェクト99』が参戦します。結局このマシン、F1マシンとしての生涯を通して1勝しか出来ませんでしたが、このマシンは現在に至るまで『F1で優勝した唯一の4WD車』となっています。当時4WDが市販車に採用されていなかったのは・・・まずコスト、それに高速操縦性の難しさ、の為です。力学的に4WDは限界付近のコントロール性を確保するのが難しく、市販乗用車に採用されるのは(そしてラリーで利用される様になるのは)‘80年のアウディ・クーペ・クワトロ登場まで待たなければなりません。(それほどコントロールが難しいのにF1でP99が勝てたのは、自動車史上はドライバのスターリング・モスの技量による、とされています。)

※ミニがアンダ・パワだったという指摘も、残念ながらハズレです。
 デビュー当時850ccだったミニは、ダウントン社のダニエル・リッチモンドのチューンにより最終的に1275ccまで拡大しましたが(このチューニングを量産で採用したのがミニ・クーパーSです)、日本の軽自動車より小さい軽量車体に1.3リッターというエンジンの組み合わせは、現代でさえ例の無い『ビッグエンジン』マシンです。勿論絶対馬力では1275ccでも不足ですが、ミニの場合はそれをカバーするほど極端に軽く(最初のミニは638kgfに過ぎません)、パワーウエイトレシオでは他のクルマより若干有利だったぐらいです。(ダウントン社のチューニング・ミニでは、トップスピードが200km/hを超えていたと言われています。競技用のチューニングマシンとは言えサーキット走行車では無く市販車に毛が生えた?程度のラリー車で、しかも今から50年以上前の話です。これは『アンダーパワーだからラリーで強かった』などと言えるレベルではありません。)

※敵がいなかった、というのも的を得ていません。
 当時のラリー車は、グループAやグループWRなどの様な大改造車は参加出来ず、今日だとグループNに近い『ほとんど市販車』程度のモノでした。故に市販車の元々の性能が競技の順位に直結していた、とは言えるでしょう。
 当時のラリー車は・・・上述した2ストのサーブの他、ポルシェ、ランチア、アルファロメオ、並居るアバルト(フィアット)やゴルディーニ(ルノー)、シトローエン、パナール、そして同じ英国からはジャガー、MG、トライアンフ、ヒーレーなど、時代を代表するスポーツカーやチューニングマシンが参戦していました。
 その中で、ミニが勝ったのです。FFだったからとか馬力が無かったから、などという単純な理由だけでは‘60年代を通して勝ち続ける事は不可能だったでしょう。

※ではミニの速さの元は何だったか?ですが。
 上述した動力性能(正確にいうと、パワーウエイトレシオ)で有利だった、或いは小型軽量の車体が狭いラリーコースに合っていた、という点は確かにあるでしょうが、もっと積極的な理由もあります、ハンドリングです。
 今日ミニに乗っても、発進して最初の交差点を曲がるだけで『なんだこりゃ?!』と驚くハンドリングを持っていますが、これは当時でも驚愕の性能でした。(同時代のポルシェ356と乗り比べても、ハンドリングではミニの方が一段優れている事が判ります。)
 当時どのくらい優れたハンドリングだったか?というと・・・ちょっと面白い話があります。
 ミニの設計者アレック・イシゴニスには、ジョン・クーパーというレース屋の友人がいました。クーパーというと画期的なミドシップF1マシンを作り(それまでのF1はFRでした)、F1史上初めて2年連続でF1タイトルをゲットしたチームの代表にしてチーフエンジニアですが、そのミドシップF1をデビューさせる前年の‘58年、イシゴニスに『今度ウチ(当時のオースチン/モーリス)でこういうクルマを出すんだよ』と、ミニの試作車を見せられました。
 クーパーはそのクルマに試乗し、ある事に気付きます。
 当時クーパーチームは英国内のサルーンカーレースにトライアンフで参戦していましたが、どうしてもロータス・エリートに勝てず悩んでいました。
 ロータスというと、当時既に世界一のハンドリング技術を持ったスポーツカー/レーシングカーメーカであり、会社代表にしてチーフデザイナのコリン・チャプマンは、今日ではレーシングカーやスポーツカーのハンドリングを10年進歩させた技術者と見られています。
 このロータス社の最上級ロードカーであるエリートに、いくら市販車では特にサスが優れていたトライアンフとは言え単なる量産車が勝てるはずもありません。どうやってロータスを倒すか悩んでいたクーパーは、ミニに試乗して『このハンドリングならロータスに勝てるかも』と考えます。そこからミニのチューニングの構想がスタートし、やがてミニの高性版ミニ・クーパーが登場するワケです。
 残念ながらミニ・クーパーがデビューした頃には、ロータスの主力スポーツカーはミニやエリートの上のクラスである1500ccのエランに移行していましたし、そもそもエリートを運転していたのは、今日でさえF1史上最高のドライバと言われているジム・クラークでした。実際ミニ・クーパーが直接対決でエリートに勝てたかどうかは判りませんが、あの殆どF1の様なサスを持つプラスチックシャシ(ミニより更に50kgfも軽い)のエリートに、単なる量産ファミリーカーがハンドリングで勝てたかも、という話だけで、ミニのコーナリング性能が当時どれほどのモノだったか想像出来ます。

※ミニの超絶ハンドリングは、どこから来ているのでしょう?それは工学的に容易に説明出来ます。
 まず、極端な低重心です。ミニは単なる2BOXのFF車に見えますが、全高とアイポイントの高さは後のポルシェ911と変わりません。4人乗りのファミリーカーとしては驚愕の低さです。今日の、あらゆる高性能4WDラリー車よりも低重心であり、多くの2シータースポーツカーに迫るほどです。
 車体のレイアウトも高度なハンドリングを裏付けています。本来室内を最大限に拡大し、エンジンやタイヤを四隅に追いやる為のレイアウトでしたが、結果的に乗員が車体中央に集まる事になり(クルマで最も重い部品はエンジンでは無く『乗員』です)、それは低ヨーイング慣性モーメントを実現し、故にミドシップカーに迫るクイックさを発揮しています。
 適切なサスペンション・ジオメトリも上げられるでしょう。設計者のイシゴニスとゴムばねを設計したモールトンは図面の段階で慎重に各数値を決定し、出来あがった試作車は『サス・チューニングの必要が無いほど最初から完成していた』と言われています。
 ‘60年代、BMC(オースチンとモーリスが合併して出来た新会社)がワークス活動の主力としてMGやトライアンフを捨てミニを選択したのも、この驚異的なハンドリングによるところが大きかったと伝えられています。
 ミニは見た目がかわいらしいだけのクルマではありません。走らせて、『今日では到底マネ出来ない』不思議なバランスのハンドリングを楽しむクルマでもあります。画期的大衆車のライバル達であるVWビートル、フィアット500Dシリーズ、シトロエン2CVが次々生産終了になる中で、こういう『クルマとしての基本的な面白さ』が、ミニのみ21世紀に片足突っ込むまで生き長らえた理由の一つになっていたと思われます。

※すごく長くなってしまいましたが、ついでに。
 それでは連戦連勝のミニが、一体何に負けたか?というと・・・ポルシェ911です。あの911登場まで待たなければミニを倒せなかったという事実が、逆にミニの高性能を証明している様に思います。(911の登場により、ラリー車は量産車の部品流用車からスポーツカー専用設計のクルマの時代に突入します。やがて911は、超軽量で地を這う様に低いアルピーヌA110に取って代わられ、アルピーヌは『ほとんどスーパーカー』のランチア・ストラトスに倒され・・・と続きます。)
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この回答へのお礼

大変細かく説明していただきありがとうございます。
とてもおもしろく興味深い内容でした。
ますますミニが魅力的になりました。愛される理由のひとつですね。

お礼日時:2009/10/20 20:10

FF、軽量、アンダーパワー、オーバーハングの少ない(無い?)ボディ。


当時の主流はFRかRRだったし、4DWなんて軍用車しかない時代ので、雪道におけるFFの利点が最大限生かせれたから。
FRやRRの大排気量車は滑り出したら止まらない。
ちなみにMINIは世界初のFFではありません。
それ以前にもFFの車は作られていました。
MINIが他のFFより優れていたのは、トランスミッションの上にエンジンを載せるというパッケージングが優れていたのです。
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まずFFだった事。


なにしろ世界初のFF車っすから。周りはFR時々MR一時RRっつー駆動ばかりでMINIだけFFっつったら、雪の上では圧倒的に有利でしょ。

次にホイールベース
FFはFRに比べて雪上での安定は良い、とは言っても一旦暴れ出すとFRよりタチが悪い。けどホイールベースが短いから結果的に暴れる要素が抑えられた。スバルでもレガシィで参戦して暴れるからっつってホイールベース縮めたインプレッサ開発したんだから。

それに非力なエンジン
ホイールベース縮めてもエンジンが暴れん坊だと意味ナシっす。けど非力だけど軽快に回るエンジンのMINIは結果的に暴れなかった。おまけにタイヤへの負担が少なくスタックする事がハンパなく少なかった。

仮にスタックしてもドライバーとナビの二人で「よっこらせ♪」と持ち上げて戦線復帰できるだけの車体の軽さも要因っす。


それにスクエアボディの安定性とドライバーの腕とチームのチームワークの良さ、っつーのも要因だったみたいっす。
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当時は今のように四駆はありませんしコースは雪です。

出場していた車はポルシェなどの大排気量が殆どでエンジンのパワーを路面にうまく伝わりませんでした、しかしミニはパワーがあまりなくうまくパワーが路面に伝わり早く走れたので勝つ事ができました。私の住んでる所は雪国ですが、今でも時々フェアレディーZなどの大排気量が雪で立ち往生してる横を軽のFF車が涼しい顔して追い越していく風景を見ますよ。思わず笑ってしまいます。私は2ℓのターボ四駆にラリースタッドレスで怖い物知らずです。
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こんにちは、随分昔に聞いたことがあるのですが、(根拠はありません)


結構な悪路(凍結等)を走り、他のランティアなどの車は、重量が重くパワーもあった為、タイヤのトラブル(バースト)が頻繁に会ったが、miniは、軽量でタイヤの負担が少ない為勝った。
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小さい軽い幅が狭い車体に馬鹿でかいエンジン


超オーバーステアで、それでいてバランスが取れている、
まるでエンジンが走ってるみたいな
ものだったのではないでしょうか。
ワーゲンには絶対勝てそうですね。
今日もみましたね。ラリー用のホワイトのパイプラックを天井に、
例のモンテカルロラリーのステッカーをつけたやつ。
ミニの原点ですね。
ストラトスあたりが参戦するようになってくると
勝ち目がないのはスタイルをみても
なんとなくえあかるような気がしました。
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