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金属材料の教科書によくのっている鉄-炭素平衡状態図の見方が良くわかりません。
何%の炭素を含有する際にその鉄の組織がどういう状態にあるのかなど・・

どなたかわかりやすくお教え下さい。

A 回答 (2件)

X軸は炭素含有量(%)です。


Y軸は温度です。
図中の実線は(結晶構造)状態の境界線です。
たとえばある炭素含有量の鉄をだんだん温度を上げていくと
結晶構造が何回か変わり、最後は融けてしまいます。
ただしこの図はゆっくりと加熱・冷却したときの話で
焼き入れなどの急冷操作では結晶の変態が間に合わず
このとおりになりません。
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平衡状態図はその名の通り温度Tのときの鉄中の炭素濃度がx%の平衡状態のときの組織が示してあります。


平衡状態なのでその温度にずーーーーっと保持したときの組織と考えることができます。

一例をあげると、まずオーステナイト(以下、γ)域で保持してγ単相にします。ここからゆーーーっくり冷却(徐冷という)した場合の組織を平衡状態図から予測できます。ここで徐冷であるのは平衡変態(平衡状態を保ったまま変態)しているとみなすためであり、また実際、徐冷ならほぼ平衡変態になります。

炭素濃度が0.4%、0.8%、1.2%の3種類のγ単相からの冷却を考えていきます。
まず0.4%の場合、
820℃付近で一本目の線と交わります。この一本目の線はγからフェライト(以下、α)が析出を開始する境界線です(昇温の場合はαが全部γになる境界線)。αとγの相比はこの線と縦軸に近いとこにある線の間でのてこの法則により求まります(必要ならば補足します)。
さらに冷却していくと二本目の線と交わります。この線はこれ以下の温度ではγが存在できない温度を示しています。つまりこの線の直上で残っていたγが、直下で一気に全部αに変わります。これより冷却しても相、組織は変わりません。
次に先に炭素濃度が1.2%の場合を考えます。
基本的には先ほどと同様です。γ単相の温度から冷却すると1150℃付近で一本目の線と交差します。この線はγからセメンタイト(以下、Fe3C)が析出する境界線です。析出する量はこの一本目の線と炭素濃度6.7%の縦線の間のてこの法則で求まります。さらに冷却すると先ほどと同じ二本目の線と交差します。この線の直下で残っていたγは全てFe3Cに変態します。
ここで二本目の線より下で0.4%の場合はα、1.2%の場合はFe3Cとなるのは、0.4%の場合はFe3Cの析出開始線を越えておらず、また1.2%の場合はαの析出開始線を超えていないためです。
最後に0.8%の場合ですが
3本の線が交わる点(共析点)まではγ単相です。共析点はαの析出開始線とFe3Cの析出開始線の交点ですので、この点の直下でγはパーライトというαとFe3Cの層状組織を形成します。

以上長くなりましたが、相比や組織比について、冷却速度が速くなった場合について等、補足が必要な場合には遠慮なく言って下さい。
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございます。
お言葉に甘えて追加質問させてもらいます。
組織の割合をみる「てこの法則」はどのようなものなのでしょうか?
また、状態図の横軸はなぜ100%でないのでしょうか?
よろしくおねがいします。

お礼日時:2003/05/14 08:22

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