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民法185条と187条の関係について

民法185条は占有の性質の変更に関する規定で、187条は占有の承継に関する規定です。

私の理解としては、185条は占有者の変更がない場合において占有の性質が変わるための要件を示す一方、187条は占有者が変更する場合において、占有の性質が承継されるのかどうかを示していると思います。すなわち、占有者の変更がない場合には185条の問題となり、変更がある場合には187条の問題となるのです。つまり、両者が同時に適用される場面はないことになります。

ところがある見解によれば、一般論として占有が承継される場合において、占有者が前主の占有を主張しない場合は、185条は適用されず、占有の性質については186条1項の推定(暫定真実)が受けられるものの、相続によって占有を承継した場合に限っては185条が適用されて、自己の占有のみ主張する場合においても186条1項による推定(暫定真実)が受けられないのです。

私は、187条が占有の二面性を表しているとすれば、相続であっても、自己の占有のみを主張するのに前主の占有の性質の影響を受けるのはおかしいと考えます。だいたい、相続を「新たな権原」と言うのにはかなり無理があります。権原というのは、権利を正当化ならしめる根拠であって、相続は占有を承継するきっかけに過ぎないからです。

私の理解、ある見解、それぞれについてどう思われますか?

A 回答 (3件)

 >相続を「新たな権原」と言うのにはかなり無理があります。

権原というのは、権利を正当化ならしめる根拠であって、相続は占有を承継するきっかけに過ぎないからです。

 厳密に表現するならば、相続自体を「新権原」とするのではなく、相続人が、所有の意思で相続財産を事実上支配することが「新権原」に該当すると考えます。

 >私の理解としては、185条は占有者の変更がない場合において占有の性質が変わるための要件を示す一方、187条は占有者が変更する場合において、占有の性質が承継されるのかどうかを示していると思います。すなわち、占有者の変更がない場合には185条の問題となり、変更がある場合には187条の問題となるのです。つまり、両者が同時に適用される場面はないことになります。

 そのとおりだと思います。ただし、上で述べているように相続と「新権原」による自主占有開始を区別するなら、両者に観念的な時間の間隔を認めることができ、その間に相続人は相続財産を観念的に占有しているので、占有者の変更がない場合と言えると思います。したがって、185条を適用できる場面ということになります。つまり、この論点に関する185条は相続自体の適用を問題としているのに対し、187条はその後の場面を問題にしているということになります。
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この回答へのお礼

ご回答、ありがとうございます。

>>両者に観念的な時間の間隔を認めることができ、その間に相続人は相続財産を観念的に占有しているので、

時効における占有とは、所有権取得につながる重大なものですから、そのように観念的な占有を認めるのは、いかがなものかと思います。平穏・公然などの要求と、事実上の支配を伴わない観念的な占有は、緊張関係に立つのではないでしょうか?

お礼日時:2010/05/09 14:10

 NO1です。

条文訂正です。

 >この論点に関する185条は相続自体の適用を問題としているのに対し、187条はその後の場面を問題にしているということになります。

 185条と187条を入れ替えます。
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 NO1です。

回答へのお礼ありがとうございます。通説は、相続人が相続財産を事実上支配していなくても、占有権の相続を認めています。その中でも、多数説は観念的占有という表現を用いています。ただし、時効起算点は自主占有を取得した時になります。

 以下のURLをご参照下さい。

参考URL:http://etc-etc-etc.cocolog-nifty.com/blog/2007/0 …
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