
ルシフェラーゼとGFPについて。
下の問題がわかりません。
どなたか、解答をお願いできませんか?
問、イネまたはマウスの遺伝子が、転写される組織が明らかになったあとで、その組織における転写の日周性について定量的に調べる実験を行う。GFPまたはルシフェラーゼのうちどちらを利用するほうがよいか、理由と共に説明せよ。
なお、レポーター遺伝子のmRNAとその産物(タンパク質)の半減期はこの実験の目的にとって十分に短く同じ長さであるとする。
この問題に聞かれているような両レポーター遺伝子の差がわかりません。
実験の本を読むと、レポーター遺伝子として、ルシフェラーゼは転写、GFPはタンパク質の局在などを調べる際に使われているようなのですが、なぜそのような使い分けをされているのでしょう?
GFPはタンパク質にまで翻訳されないと光らないから、という人もいましたが、ルシフェラーゼだって酵素として働かないと発光しませんよね?
GFPは細胞を生かしたまま光らせることができる、ルシフェラーゼは感度が高く生体への毒性が低いなどは書いてあったのですが、イマイチすっきりしません。
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
ルシフェラーゼは写真などで見ると非常に明るいように見えますが、
実際のところそんなに明るくはありません。ですので、観察するためには
場合によっては1分とか比較的長い時間の露光を行わなければなりません。
例えば細胞内での局在を調べる場合、露光の間に拡散してしまいます。
そうでなくても少ない分子数で観察することはほぼ不可能なので、
集団としてぼんやりと「この辺」くらいにしかわかりません。
ですので細胞内局在の観察にルシフェラーゼは向きません。
これに対してGFPは比較的少ない量(場合によっては分子1個)でも
観察可能な明るさを持っていますので、細胞内局在を観察するのも容易です。
ただし、GFPは500nm以下の励起光で蛍光を出すのに対して、
ルシフェラーゼはルシフェリンとATPが存在すれば発光します。
これはつまり、GFPは可視光を通さない様な不透明な対象では
観察が極めて困難であることを示します。
これを解消するために二光子励起なども考案されましたが、
今度は二光子励起によって励起光が対象まで届いたとしても
GFPの緑色蛍光は不透明な組織をほとんど透過してきません。
そういうわけで、不透明組織でGFPを使って定量的観察する、
例えばマウスの臓器での転写活性を調べるためには、
臓器を摘出してきて、場合によってはすり潰して
蛍光光度計に入れて測定する必要があります。
イネの場合でも基本的には同じことでしょう。
これに対してルシフェラーゼを使う場合には
ルシフェリンとATPを与えることで、比較的透過性の高い
赤色で発光するため、長時間露光で観察することで
ある程度の深度まで観察することが可能になります。
ですので、組織を摘出したり、すり潰したりする必要もなく
そのままの状態で転写活性を観察することができるわけです。
> GFPは細胞を生かしたまま光らせることができる、
> ルシフェラーゼは感度が高く生体への毒性が低い
これは一概には言えません。
感度の点ではルシフェラーゼよりもGFPの方が高いですし、
毒性は観測に影響を与えるほどは変わらないんじゃないでしょうか。
参考URL:http://www.biomol.sci.toho-u.ac.jp/glossary/chem …
とても詳しいご説明、ありがとうございました。
思わずなるほど!と手を打ってしまいました。
ちなみに問題は国家一種の理工IVの専門記述試験の過去問より抜粋しました。
先輩に聞いてもわかる人がいなくて、公務員試験の問題なので先生にも聞きづらく、本で調べてもわからなくて困っていたので、とても助かりました。ありがとうございました!
No.2
- 回答日時:
時計関係の研究では昔からルシフェラーゼが使われていますね。
なぜかを改めて考えたことはないのですが、基本的にGFPは時計にはあまりむかないと思います。
GFPの場合発光ではなく蛍光なので、励起光を当て続ける必要があります。
そのため長時間の経時的な観測は、生物に害を与えます。
それに励起光がGFPそのものを駄目にしないかな?
あと時計ってシトクロムに影響されませんでしたっけ?
だとすると励起光そのものが、日周性をかく乱するでしょう。
またGFPの光は、励起光・細胞の状態・観測環境で左右されやすく、定量性はいまいちではないでしょうか?発光の場合観測環境を暗黒にしてしまえるので、バックグラウンドが無い状態を使えるので、低量性というか定量性のある観測に優れていると思います。
わかりやすく説明していただき、ありがとうございましたm(_ _)m
バックグランドの観点、時計の役割を担う物質への影響、考えていませんでした。
多面的な視点でのご意見でとても参考になりました。
No.1
- 回答日時:
目的遺伝子の下流にGFPもしくはLucをつないで、
発現の日内変動を調べるってことですか?
半減期の違いかと思ったんですが、同じとすれば、
どっちでもいい気がしますね…。
ただ、ルシフェラーゼでは局在は調べられないです。
発光には生体内に存在しないルシフェリンなどの基質が
必要ですから。ただ、感度は高いので、細胞をすりつぶした
あとで転写を定量するなどの用途には向いていますね。
GFPを転写の解析に使っているのは見たことがないですが、
どうしてでしょうね…。
分かりやすく説明していただき、ありがとうございましたm(_ _)m
そうなんです、GFPを転写解析に使用している例は私も見たことが無かったんです。
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