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軍通の搬送線、実回線、電信線

久保村正治「通信隊戦記」p.34 に

「重構成線路には裸線が使用され、搬送線には銅線が、実回線および電信線には鉄線が使用される。」

とあります。これについて、いくつかわからない点があります。ご教示いただければ幸いです。

1.
上の「搬送線」とは通信線の一種で、1本の電線を多重化して複数回線を乗せるものだと思って良いでしょうか? (それとも電力線なのでしょうか?)

2.
http://www.kanetuu.co.jp/yougo/index_s.html
によると、「実回線」とは2線式の回路方式のことのようです。ということは、「電信線」は1線式だったのでしょうか? (軽構成の手順を読むと、どうもそうらしい気がします。)

3.
同書 p.186 には「逓信省標準型の搬送電話機と九八式多重電話機」なるものが出てきます。搬送電話と多重電話の違いは、搬送線路を使うか実回線を使うかの違いでしょうか? 多重化の方法は両者でどう異なるのでしょうか?

4.
電話が多重化できるなら、電信はもっと簡単なはずです。しかし戦記では、電信は一線路一回線らしく読めます。軽構成ならそれで不思議はありませんけれど、重構成でも多重化はされなかったのでしょうか?

A 回答 (5件)

たびたびすみません



前回答にある木柱、コン柱というのは既設のもので新たに設置するわけでないです
そのような資材、設置時間、機材なんかありません
現在の日本の状況では森は開かれ舗装された道路や建造物が各所にあります
それを避けるには架設するしかないのです
現在の先進国を戦場として想定すると昔の中国の原野や東南アジアのジャングルとはかなり違いが出てくるのです

もしそのような機材があるのなら、むしろ穴掘りする機械作って欲しいですよ
車両を隠蔽するシェルター作るのに2mも穴掘らなければならない、それも複数車両
行軍した後にこんなかったるい事ないですよ
行軍して戦闘訓練の方が十倍マシですね

あと回線が断線(オープン)、短絡(ショート)しているヶ所を特定するテスターは
一般人でも秋葉原行けば誰でも買えます
今では手軽に携帯できデジタル表示する便利なものもあります、高いけど
昔はアナログ表示盤の針や波形を見て特定していたけど
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この回答へのお礼

「ばくちゃく」は縛着らしいですね。陸軍と陸自の違いが少し見えて、おもしろかったです。ありがとうございました。疑問は解決したので閉めます。

お礼日時:2010/05/21 20:25

お礼ありがとうございます


自衛隊のみならず、他国軍でなぜ通信線に裸線を使わないかというと

・強度が弱い
→野外通信線を架設する場合、木柱、コン柱、木に関わらず野外通信線をばくちゃく(難しい漢字で表記忘れました)します
その際、かなり引っ張りますので銅線では切れてしまいます

・風雪など環境に弱い
→積雪、降雨のみならず、湿潤な気候だと靄や露、それに暴風などで抵抗値増大、最悪強度弱いため寸断されてしまいます

・被覆がないため直接、影響を受けやすい
→市街地なら電送路と近づけ通信線に加圧電圧があると通信線は弱電ですから誘導されてノイズを発生してしまいます
また鼠も裸線では被覆ある通信線に比べ耐久力がありません
私はシャバ(民間)に出てから暫く通信技術のサービスエンジニアやってましたが
高速の近くだと旧式ボタン電話で手も触れてないのに
長距離トラックの強い電波を発生する違法無線が誘導されてしまう障害がありました
線路にマグネットコイルつければ対処できますが、裸線ではあまり意味をなしません

・敵の斥候に発見されやすい
→銅色だと目立ちますから架設は勿論、埋設でもちょっとでも露出してると発見され寸断されます
寸断された側は直ぐに寸断された場所の距離を探知できますが
米海兵隊Reconやベトナム戦争時代の米陸軍のScout Dogの得意戦術で
私も演習の状況でゲリラ側でやったことありますが
寸断されたヶ所を捜索に来た敵部隊を伏撃して
敵の兵力規模と到着時間で敵陣の距離を推測することができるのです

長文失礼致しました
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この回答へのお礼

戦場に電柱を立てるのは標的にしてくれと言うようなものですけれど、「通信隊戦記」p.82 には「大被覆線は、被覆の中で芯線が断線した時、発見しにくいので、なるべく使わないようにしており、追撃戦などで構成した場合でも裸線にかけかえることを建前にしている」とあります。現在の通信野外線は丈夫な上に、遠隔地から電子的に断線箇所を特定できるのでしょうね。

お礼日時:2010/05/20 14:02

NO.1です



私が少し誤解していたようでうまくお答えできなかったので申し訳ありません

回答のお礼の1.に書かれておられる搬送電話は野外電話機と構造が殆ど変わらない磁石式電話機ですね

ただ任意の対象電話機にモールス信号のような信号を手動で送ったり
受信側がその信号の違いを聞き取るというくだりには少々驚きましたけど

あと不勉強なのでこれもなんとも言えませんが
電話線で1線はちょっと私には理解できませんでした

2線式アナログ回線では逆付けする人がいるので特定できませんが、極性があり
通常アナログ電話線L1、L2の2線の内片方に交換機からの供給電圧の-48V、もう一方はグラウンドです
そして通話時に電圧が反転します
これが通常のアナログ電話回線と理解しているもので
有線電信なら単線は可能と思いますが


お力になれず申し訳ございませんでした
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この回答へのお礼

重ねてありがとうございます。自衛隊では被覆線による構成が主流であるらしい所が、旧軍の裸線一条と思想の違いが大きく出ているようで、私にとってはおもしろいです。

単線電話は原理的には可能かと思います。資料を読むとき気をつけてみます。

お礼日時:2010/05/19 05:22

一般人でその道の専門ではありませんが、判る範囲でお答えします。

 

質問1.その理解でよいと思います。ただし、当時のレベルでは伝導状況が良いことが条件で、複線としたうえアースをとりませんでした。「搬送線は銅線が‥‥」というのは鋼線より伝導性に優れていたからでした。しかし銅線は強度に難があり、電流は線の表面を伝わるので、この場合の銅線とい
うのは鋼線に銅メッキをした線を意味します。さらに急を要する場合は被覆線を地に這わせる方法もありましたが、戦場では度々断線してしまいました。

質問2.いったん作戦が始まれば各師団はどんどん前線に進出していきます。そこで通信兵は、軍司令部通信から前線にある師団通信を追っかけ碍子一個を棒の先につけた電線を張る軽構成作業に励みつつ追及していきました。これを陸軍通信将兵は「裸線一条の構成」と呼びこれが通信構成の基本でした。ちなみに送信機が+(プラス)で、受信機はかならず地面にアースを取る。

質問3・4.搬送通信(波形を変え多数回線を取る)には、九八式多重電信機、九八式多重電話機が使用され搬送用通信線を張りました。逓信省の電話と軍用電話の多重化の方法について詳細はわかりませんが、大きな違いはないはずです。いずれにしても当時の技術では通信機(有線・無線)も電話機の性能も今とはかなり違い、また、電話機の場合は電線の途中で傍受されやすくそのため秘話電話機という特種機器を使用することがありました。また、搬送通信機も距離や地形などの条件が必要でしたし、さらに無線機は送信能力に難があり、暗号を完全に送受信できないため再送信を繰り返して戦機を逸することも度々あったようです。当時の能力としては有線の裸線一条の構成が最も確実でした。

 
 資料:野元巳郎『大陸通信戦記』図書出版社  

    なお野元氏は久保村氏と甲種幹候の同期生。

 

この回答への補足

まとめ 1. の訂正です。

誤: 1本の電線を多重化して複数回線を乗せる。
正: 複線を多重化して複数回線を乗せる。

補足日時:2010/05/19 17:23
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この回答へのお礼

資料に基づく回答をありがとうございます。これで搬送と軽構成の内容がはっきりしました。まとめると:

1.
搬送線とは通信線の一種で、1本の電線を多重化して複数回線を乗せる。

2.
軽構成は裸線一条、送信側が + だった。

3.
搬送電話機と多重電話機は、いずれも多重化を行った。技術的には大差ないはず。

4.
電話も電信も、重構成では多重化されることがあった。その装置には九八式多重電信機、九八式多重電話機があった。

野元巳郎『大陸通信戦記』図書出版社は古本が入手可能なようで、さっそく読んでみます。

お礼日時:2010/05/19 05:16

はじめまして



興味深いご質問されているので回答まではいきませんが、参考にしてください
私はかつて自衛隊に二任期在隊して有線通信手と無線通信手のモスを取得していますが
残念ながらご質問者の文献も存じておりませんし、旧軍の事もあまり知りません
それに今
会社の昼休みということもあって手元に資料がないのであくまで自分の記憶を頼りにしているので
記憶違いもあろうかも知れません、お許しください

まず自衛隊の通信装備は大戦時の米軍の模倣から始まっているので旧軍よりは進歩していると思われるのを念頭に入れると
有線での多重通信は不可能ではないかと?

・なぜなら野外電話機(自衛隊ではJTA-T1)は共電としても使えますが
主に側面にあるハンドルを回して信号を送る磁石式で
送話にはいちいちボタンを押して内蔵乾電池で電流を送らないとできない

・アナログ式の民間交換機と違い野外交換機(JSb-22/PT)は各電話機に48Vを送ってるわけでない
従って交換機経由または直接で一対一の通信しかできない
→通信線をモニターしてもツーという発信音がしなく無音

・裸線や鋼線では回線損失が大きく長距離の通信は不可能に近い
→損失が5db以上で野外だと無電池式の音響軽電話機(JTS-10)ではおそらく送話不能で受話も困難
→自衛隊では有線通信に通信野外線JWD-1/TTが使われるが
銅線4本、鋼線3本で硬い被覆に包まれている(鋼線は通信線の強度を増すためで通信自体には関係ない)
この野外線でさえ有効通信到達距離は20~30キロと記憶しているので
裸線や鋼線だとまず有線多重通信は無理でしょう(自衛隊の当時の野外通信装備でも無理ですから)

あと不勉強なのでなんですが
自衛官当時では搬送というと無線の移動搬送を想起します

長文失礼致しました
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この回答へのお礼

おかげさまで、すっきりしてきました。ありがとうございます。私は当時の技術を買被っていたみたいです。とりあえずは、以下のようなところかと思います。

1.
搬送線とは、搬送電話という移動に適した電話機をひっかけて通話するための電線。搬送電話とは、こんな感じのものか?
http://jeykanz.way-nifty.com/jeykanz/2008/04/pos …

2.
電信線も電話線も単線。帰線は接地。上の URL に電話機用アース棒の記述があり、単線式の話は
http://www.ijinten.com/contents/ijin/wheatstone. …
にある。

3.
九八式多重電話機は野戦用の装備ではない。

4.
電話も電信も、野戦用には多重化はなかった。

お礼日時:2010/05/18 16:52

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