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他主占有者からの相続人は、(相続を伏せて)固有の事実上の占有のみを主張することができるのか?

占有と相続について、質問させて頂いたのですが、なかなか難しい話ですね。今回は、端的に質問を絞ります。

「他主占有者からの相続人は、単純に自己の事実上の占有のみ主張して時効取得を主張できるか?」です。

占有が相続の対象となることは分かりました。しかし他主占有者からの相続人としては、被相続人の話は出さず、自分で事実上占有したことを根拠に時効取得を認めて欲しいはずです。すなわち、相続によって譲り受けた観念上の占有を主張するのではなく、事実的に支配した日からの固有の自主占有を主張できるかです。相続によって観念的占有を承継するとしても、占有は本来事実的なものである以上、相続人は自己固有の事実上の占有を主張する権利を奪われないと思うのですが、いかがでしょうか?すなわち、新たな権限うんぬんは、相続人が観念的占有を主張した場合に限られるべきだと思うのです。仮に主張できないとした場合、相続の事実は、要件事実論上どう位置づけられるでしょうか?

A 回答 (4件)

 NO.1です。


 すみません、履き違えてしまったようですね。。

 私見ですが、相続は「被相続人が生前有していた法律関係を相続人が引き継ぐ」ことが趣旨ですから、相続を伏せて自己の占有のみを主張はできないと思いますよ。
 即ち、相続によってすべての権利義務を被相続人から引き継ぐ(包括承継)わけですから、「これは相続したけどあれは相続を主張すると不利だから隠しておこう」と言う訳にはいかないと思います。
 これが認められると、極端な話、債権は主張して債務は知らんぷりってことになりそうですし。

 相続を主張せずに時効を取得するのであれば、相続を放棄した上で、当該目的物を占有するという方法が考えられますが、それが自主占有と認められるかは微妙な気がしますね。
 もっとも、盗人でさえ自主占有が認められますから、認められそうな気もしますが。。。

 いかがでしょうか?

この回答への補足

いいえ、こちらこそお尋ねしているのに言葉が過ぎました。

結局、占有をどこまで観念的なものととらえるか、事実的なものととらえるか、なのでしょうね。動産所有権取得の対抗要件としての占有とかであれば、観念化してもいいと思います。しかし、取得時効というのは元の所有者の所有権喪失という犠牲を伴うものですし、時効制度の趣旨は永続した「事実」状態の尊重のはずです。したがって取得時効を考える上での占有は、目で見て分かる事実的なものである必要があると思います。

そう考えると、相続というのは占有開始の単なるきっかけに過ぎず、相続で直ちに相続されるものではない、ということになります。とすれば、相続が占有の「権原」なんていうのはおかしくて、185条は相続には適用されず、相続人が被相続人から占有を承継したと主張する場合に限り、187条2項を適用すればよいとなるわけです。

占有が、所有権などと同じく相続によって当然に承継されるというのに、違和感は感じませんか?私に言わせれば、被相続人が支配していようと、相続人が存在に気付かずに支配していなければ、たとえ被相続人が善意・無過失でも、被相続人の時効取得を認める必要はないと思うんですが、貴殿はどう思われますか?

補足日時:2010/05/18 22:29
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こんにちは



結論から言えば、
所有の意思の立証責任を負うが、主張が認められる余地はある
です

これは有名な論点で、判例(最判昭和46年11月30日)によれば、

相続があっただけで他主占有が自主占有に変わるわけではないが、
相続人が新たに当該不動産を事実上支配することにより占有を開始し、
所有の意思があると見られる場合には、185条にいう新権原による
自主占有と認められる余地がある

その後の他の判例(最判平成8年11月12日)では

他主占有者である被相続人の相続人が、独自の占有に基づく取得時効を
主張する場合には、占有者の所有の意思を推定する186条は適用されず、
相続人側で、所有の意思を立証をしなければならない。


とされています。

参考になれば幸いです
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他主占有から自主占有が認められたケースがありますね、ケースバイケースですね!


善意無過失で平穏に10年、悪意で20年、詳しくは最高裁の判例をお調べ下さい。
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 こんにちは。

難関論点ですね。

 まず、占有権は財産権の一種であるから相続の対象になります。(最判昭44.10.30)

 次に、これが他主占有であるから時効取得が認められなさそうですね。
 そこで、占有の承継人として自己固有の占有も主張できるかを検討する必要があります。

 そこで、187条1項の承継人に相続人も含まれるかが問題となります。
 この点、187条1項の承継人は、前主の占有とともに自己固有の占有も併せて主張ができ、これを「占有の二面性」といいます。
 そして、相続もこの「占有の二面性」が該当しますから、相続人は自己固有の占有も主張できます。(最判昭37.5.18)

 しかし、そうは言っても占有の二面性ゆえに、前主の他主占有も承継しますから、自主占有のみを主張できなそうです。
 そこで、相続が185条の「新たな権原」への転換となるかが問題となります。

 この点、新たな権原への転換を認めないと相続人にとって酷です。しかし、常に認められると真の権利者の時効中断の機会を奪ってしまいます。
 そこで、両者の調和の見地から(1)新たに相続財産を事実上支配して占有を開始し、(2)そこに所有の意思が客観的に表現されていると認められれば、「新たな権原」への転換となり、自主占有が認められます。(最判平8.11.12)

 したがって、取得時効に必要な期間が経過し、上記(1)(2)の要件が満たされていれば、時効取得を主張できるはずです。

この回答への補足

質問の仕方が悪かったかもしれません。

要するに相続人は、相続の事実を主張せず、185条を介さずに自分の固有の占有のみを主張して、一般的な占有者のように時効取得できるかです。占有の二面性というのは、『前主の占有を併せて主張する場合に』、前主の占有の性質の影響を受けますよということですよね?自分の占有だけを主張することは誰にでもできなければおかしいと思うのですが、いかがでしょうか?

補足日時:2010/05/18 14:04
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