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高校化学の熱化学方程式に関する質問です。

メタンの燃焼熱を求めよという例題で、

C(黒)+O2(気)=CO2(気)+394kJ 
H2(気)+1/2O2(気)=H2O(液)+286kJ
CH4(気)+2O2(気)=CO2(気)+2H2O(液)+890kJ

Q=394+286×2-890

∴C(黒鉛)+2H2(気)=CH4(気)+76kJ

以上が答えになるのですが、(上3つは与えられた式)二つ解せない点があります。
一つは、上2つの式ではあくまで炭素と酸素の熱化学方程式、水素と酸素の熱化学方程式なのに、何故お互いにとって全く違う相手との反応である C(黒鉛)+2H2(気) に適応できるのかということ
もう一つは、最後に-890をする意味です。

この二点について教えていただけないでしょうか

A 回答 (4件)

多分、求めたいのは「メタンの生成熱」ですね。



>あくまで炭素と酸素の熱化学方程式、水素と酸素の熱化学方程式なのに、
>何故お互いにとって全く違う相手との反応である C(黒鉛)+2H2(気) に
>適応できるのか

170年ほど前に、質問者様と同じような疑問を抱いた
ジェルマン・アンリ・ヘス(Germain Henri Hess)という
スイス生まれのロシア人がいました。

科学者になった彼は「原料と最終生成物が同じであれば、
途中でどんな変化を経由しても反応熱は同じである」という事を
実験的に確かめて、1840年に発表しました。「ヘスの法則」です。
ヘスの法則によれば、途中でどんな珍妙な反応を勝手に挟んでも
「原料と最終生成物が同じであれば、反応熱は必ず同じ」事が保障されています。

以下のように(計算に都合のいい)反応経路を考えます(※)

C(黒鉛)+2 H2(気) + 2 O2 (気)
→ CO2(気) + 2 H2O(液) → CH4(気)+2 O2(気)

熱化学方程式では、プラスの熱量は発生した発熱量、
マイナスは外から与えた吸熱量です(※※)。

与えられた式のエネルギーを移項して、

CO2(気)+2 H2O(液) = CH4(気)+2 O2(気)-890kJです(※※※)。

したがって計算は以下の通りになります。

(メタンの生成熱)
={CO2が出来るときの発熱}+{2 H2Oが出来るときの発熱}
- {CO2(気) + 2 H2O(液)からCH4(気)+2 O2(気)を作るために必要な吸熱}

-890kJするのはこういう理屈です。




※ スタートと最終生成物に、同状態の同物質を同じ量だけ加えるのはアリです。
「2 O2(気)は一旦は反応するので、無いと困る」という経路と、
「2 O2(気)は単に混ざっているだけで反応しない。無くても反応は起こる」
という経路の反応熱は、ヘスの法則から同じであるハズだからです。

※※ 大学で習う熱力学では逆になります。(外から加えられたエネルギーが正)

※※※ エネルギーの保存則から、 (正反応の反応熱) + (逆反応の反応熱) = 0です。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%82%B9% …
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私も似た疑問を持ってました。

お役にたてるかどうか分かりませんが,少しお話しします。。

その1
全ての化学反応は,結局物質を原子に分解するときは熱を加えます。吸熱反応ですね。また,ばらばらの原子が結合して物質を作るときは,熱が勝手に出てきます。で,これが発熱反応と。そしてこれらの大きさは結合エネルギーによって与えられるんです。だから
C(黒鉛)→→{途中いろいろな原子がくっついたり離れたり…}→→CH4(気)
という反応を考える際,発熱量を+,吸熱量を-で表すと,それの総和は途中どんな経路を通っても変わらないんです。例えばCに酸素原子がくっつくときが+x[kJ]とすると,離れるときは-x[kJ]で,足すと無くなってしまいます。これがいわゆるヘスの法則です。だから直接関係ない熱化学方程式を用いて必要のない化学式を消去し,目的の熱化学方程式を得ることは可能です。
また熱化学方程式内の化学式の代わりに,その化学式が表わす値を代入することは可能です。ただ,化学式は「分解するのに必要なエネルギーで負の値(吸熱だから)」をあらわすので,負の値で代入する必要があります(結合エネルギー自体が平均値なので,ぴったり行かないことが多いです・・)。

その2
C(黒)+O2(気)=CO2(気)+394kJ・・・(1) 
H2(気)+1/2O2(気)=H2O(液)+286kJ・・・(2)
CH4(気)+2O2(気)=CO2(気)+2H2O(液)+890kJ・・・(3)
として,(1)+(2)×2-(3)を計算します。同じ化学式は方程式における同じ文字と考えてください。移項するときは当然符号が変わります。2倍すれば係数が倍になります。するといらない化学式が消えていき,
∴C(黒鉛)+2H2(気)=CH4(気)+(394+286×2-890)kJ
となります。これが-890の理由です。

逆に混乱させたらごめんなさい。。<(_ _)>
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この回答へのお礼

皆さんありがとうございました。
まず、熱化学方程式が連立方程式のようなもの0ということが頭から飛んでいました。
メタンの生成熱をマイナスする点も、CO2と2H2Oの分解に伴う吸収熱と説明を受けて納得がいきました。

お礼日時:2010/09/02 08:50

熱化学方程式は化学反応式ではありません。


右辺にある物質と左辺にある物質のエネルギーを比較している式です。
物質は原子の組み合わせでできています。
組み合わせの相手が変わればエネルギーが変わります。
原子の数が変わればエネルギーが変わるのは当然ですから原子の数は変わらないようにします。
そうすると組み合わせの違いによってエネルギーがどのように変化するのかを表すことができます。
右辺と左辺で材料となっている原子の数を揃えていますので化学反応式と同じような表現が出てくることになります。
でもただ結合状態の異なる物質のエネルギーの比較をしただけです。実際に起こる化学反応が対応する場合も対応しない場合もあります。対応する化学反応が実際に起こる場合にはエネルギーの差が反応熱になります。反応熱の測定ができるのは起こる反応に対してです。反応が実際に起こる場合でも測定の難しいものがあります。
>C(黒)+O2(気)=CO2(気)+394kJ 
Cと書かれているのは炭素1モルのエネルギーの意味です。
O2、CO2と書かれているのは酸素分子1モル、二酸化炭素1モルのエネルギーの意味です。
気体であるか液体であるか固体であるかによって結合状態に違いが生じますからエネルギーも変わってきます。O2(気)と書かれているのは気体状態のO2で考えますという指定です。エネルギーの比較ですから数字の関係です。=が付いているのはそのためです。反応式は変化ですから → で表されています。
ていねいに書けば
E(C(黒鉛))+E(O2(気))=E(CO2(気))+394kJ
E( )はエネルギーの意味です。
「CO21モルのエネルギーは炭素1モルのエネルギーとと酸素1モルのエネルギーを足したものよりは394kJ少ない」という意味になります。

熱化学方程式の数に比べてエネルギーの差が測定できる反応の数はかなり少ないです。
その時に使われているのが「ヘスの法則」です。
エネルギーの比較をやっているのですからエネルギー保存則があてはまリます。
「AとBの差、BとCの差が分かればAとCの差は分かる」ということです。
この考えを使えば実際には起こらない反応、起こるだろうが測定の難しい反応に対してもエネルギーの差は求めることができるようになります。

質問文の中に出ている3つの式は燃焼の式です。測定が可能です。
メタンCH4ををCとH2からからつくる反応は簡単には起こらない反応です。
(化合物1モルを単体からつくるとした時の反応熱は「生成熱」と言います。)
簡単には起こらない反応のエネルギーの差を反応熱の測定ができる3つの反応を利用して求めようとしています。

熱化学方程式で化学式であらわされているものはすべてエネルギーという量ですから数字です。数学で出てくる連立方程式の未知数 x、y、z、・・・と同じように扱うことができます。

後ろに出てくる 394kJだけがエネルギーであるのではありません。
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エネルギー図を書いてみると意味がよくわかるのですが,ここで図を書いて説明するのは難しいので,別の観点で説明しますね。

それぞれの化学式を化学式と思わず,数学のx,y,zなどの変数と考えて下さい。x,y,zなどはそれぞれの物質がもっているエネルギーなのです。例えばC(黒)+O2(気)=CO2(気)+394kJだったら,「C(黒)のもつエネルギー」+「O2(気)のもつエネルギー」=「CO2(気)のもつエネルギー」+394kJとなります。つまり,「C(黒)のもつエネルギー」と「O2(気)のもつエネルギー」の合計の方が「CO2(気)のもつエネルギー」より394kJ大きいという事になります。後は数学の連立方程式と同じです。化学式と思うと混乱しますが,数学と思うと解けませんか?それと最初の3つの式を上から(1),(2),(3)とすると,(1)式と(2)式の2倍の左辺どうし,右辺同士を加算して,(3)式の左辺,右辺を引き算すると,求めたい式になるでしょう。それで,最後に-890をするのですよ。熱化学の勉強頑張って下さいね。
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