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芥川龍之介の「羅生門」について

羅生門はなぜ発表当時文壇から黙殺されていたのですか。
時代の風潮なども含めて教えていただけると嬉しいです。

A 回答 (1件)

 黙殺ということではなかったと思います。



 当時の文壇人たちや読書人たちの知性や感性では、単に理解不能だったのでしょう。

 文壇にデビューするきっかけとなった「鼻」にしても、同人誌に掲載されたものを読んだ夏目漱石が誉め、それが機縁で商業誌に再掲されてから評判を取ったのです。
 夏目の存在がなかったら、作家芥川龍之介は誕生しなかったかも知れませんし、現在の芥川龍之介賞もなかったかも知れません。

 流行作家になった後でも、「海軍機関学校教諭の余技は文壇に不要」というようなことが、堂々と活字化されたというような状態だったらしいです。

 いつの時代も、高い知性や早過ぎた感性は、受け入れられません。
 そういう意味では、大正時代の人々には、宮澤賢治を知るチャンスさえなかったし。

 現代ではその存在さえも知られていない島田清次郎は、芥川龍之介が足下にも及ばないベストセラー作家でした。

 もしかしたら、ノーベル賞を取ってしまうかもしれない春樹だって、50年経ったら誰も知らないのかも知れません。
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