
ベッケンスタイン博士著作「投影する宇宙」に於いて
「ホログラフィック原理」と呼ぶ理論によると,宇宙は1枚のホログラムに似ている。
ホログラムが光のトリックを使って3次元像を薄っぺらなフィルムに記録しているように,3次元に見える私たちの宇宙はある面の上に“描かれた”ものだ。
はるか遠くの巨大な面に記録された量子場や物理法則と,私たちの宇宙とは完全に等価だ。
ブラックホールの研究を通じて,ホログラフィック原理の正しさを示す手がかりが得られた。
常識に反して,ある空間領域のエントロピー(情報量)は,領域の体積ではなく表面積によって決まることがわかった。
この驚くべき発見は「究極理論」を目指す研究のカギになるだろう。
物質がブラックホールに落ち込んで消え去るとエントロピーも永久に失われ,熱力学の第2法則が破れてしまうように見える。
ベッケンスタインは英ケンブリッジ大学のホーキングらの研究成果にヒントを得て,「ブラックホールは事象の地平面の面積に比例したエントロピーを持つ」と1972年に提唱した。
さらに一般化すると,ブラックホールの全エントロピーとブラックホール外にあるエントロピーの総和は決して減少しない。これが「一般化第2法則」だ。
この考え方を発展させると,ホログラフィック原理にたどり着く。例えば3次元の物理過程を,その2次元境界面について定義された別の物理法則によって完全に記述できるとする考え方だ。
近年の理論研究によって,宇宙をホログラフィックととらえる考え方は定着したように思える。これに伴い,
物理現象を記述するには場の理論が最上であるという過去50年にわたる基本的な信念を放棄せざるを得ない,と考えられるようになってきた。
以上の仮説を述べていますが。ブラックホール内部のエントロピー(情報量)と事象の境界面の表面積のエントロピー(情報量)が一対の関係にある事を発見したことは凄い事実だとは思いますが、
ブラックホールは三次元宇宙空間に実在しているのだし、事象の境界面は数学的に二次元と定義されているだけで、ブラックホールの事象の境界面を二次元空間上の実在と記述できるのでしょうか。
さらに、一般化して我々の住む三次元宇宙空間は宇宙外部に存在する二次元空間から投影されているとの仮説は飛躍しすぎのような気がしてしまいます。
宇宙ホログラム説が真である場合、どのような構造として捉えればよいのでしょうか。
私のイメージとしては、宇宙が膜で被われていて、その膜は自由度二次元なので完全な平面である。
このような感じですが、時間と距離の要素が存在するのか、二次元平面と三次元空間との因果性や根源性が果たしてどちらが先なのか、それとも時間演算子は無視されるべきなのか、解らないことばかりです。
皆さんは、どのように受け止められるのでしょうか。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
全ての存在は、量子的な不確定性に基づいており、無限につめこむと存在確率の山が平らになって、無と等しくなります。
この「絶対無=不確定性無限」において、その無限の闇に認識体の仮定断面の運動を想定すれば、相対的に無の風は光になり、認識体はその光(量子相互作用パターン)の向うに、自己の補完(相補的不確定性)としての宇宙を認識するのです。
しかしその「存在」は、認識される階層的現象の表面的に生じるもので、根源的に絶対化しようとすると、元の無限不確定性に発散します(不確定性原理)。
実は、相対性理論にしても、量子論にしても、認識体との相対によってしか存在は無い、という帰結を潜在的に持っています。
客観的時空や絶対的存在というのはない、というものです(認識性を除外した存在は、無=不確定性無限化)。
我々は「過去は既に終わっている」「未来はまだ来ていない」ので、「存在するのは現在」と考えますが、真の『現在』とは、認識体の感受表面での量子相互作用(光速)のみであり、その経験(過去=超光速)による予測(未来=光速下)として時空的広がりは発生しているのです。
無の不確定性無限の潜在としての、「自我仮説性」の相補としての「時空仮説性」。
「相補」というのは、絶対時空を否定し、認識体との相対においてしか時空は計量できないとする相対性理論や、同じく認識体が現象表面的に物事を捉え、本質的に決定しないことにより有限的存在性は生じるとする不確定性原理といったものを伴う時空、ということです。
即ち「自我仮説」が、宇宙膨張=光速の低下=物体収縮=不確定性(h)の収束における、hの減少の時系列化である時、それが架空の時間軸となって、空間的確定性としての無限不確定的空間性が、超光速(過去=経験=時間)と光速下(未来=予測=空間)に相補分化する受け皿となり、同一軸の延長が仮説的に直交基底をなす事によって、相補的不確定性を生じ、経験による予測=現象表面的定性化における、有限的存在(=非光速)を幻出しているのです。
即ち、「何か有るんじゃないの?」という疑問(自我仮説)の相補として生じた時空仮説に対して、「本当はないんだけどね」という無の射影として、存在は生じていると言えます。
無いとは分からない事が有なのです。
この回答への補足
意識のハード・プロブレムとも関係しているのでしょうか。
私は、空間認識や時間認識のみならず知覚可能な物理状態の情報は意識(クオリア)として発現すると思っていますが、
意識が発現する前提は、物理法則や物理定数を原因とする構造の上に成り立っているとも思います。
そして、その構造は抽象的にせよ視覚化や概念化が可能な部分もあると思います。
「無いとは分からない事が有である」は、「無」を認識しようとした瞬間「有」となり「無」は消滅してしまうと解釈すれば良いのでしょうか。
認識性を除外した存在、即ち知覚できない事象を抽象的に視覚化または概念化することも、やはり無理があるのでしょうか。
例えば最近、水素単原子の撮影に成功しましたが、あれは数値解析して強引に視覚化した虚像であり撮影とは程遠い代物だと思っていますが、
表象的意識を考えると普通の風景写真や、自己の知覚する現実世界も虚像だとも思っています。
しかしながら虚像は虚像として構造を推測することも、認識性を除外した存在の場合には、やはり無理があり、諦めたほうが良いのでしょうか。

No.1
- 回答日時:
>ベッケンスタイン博士
ああ、そうとうなこれですね。ーー;
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E8%89%B2% …
>皆さんは、どのように受け止められるのでしょうか。
いいから、マイケルソン・モリーの21世紀版になれよ。ーー;
http://wiredvision.jp/news/201011/2010110423.html
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