
代理人と相手方との間の通謀虚偽表示が本人を欺くことを目的とするものである場合には、93条但し書きを類推適用し、本人が相手方の真意を知り、または知ることができた場合でない限り、当該代理行為は有効である
という判例がありますよね。どうも何度読んでもよくわかりません。
代理人と相手方が本人をだますつもりで、代理行為をしたのに、本人が善意・無過失なら、
その代理行為が有効になっちゃうなんて、普通に考えたら、なんか本人がかわいそうではないでしょうか?どうもしっくりきません。わかりやすく教えてください。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
大判14.12.6は、一読した限り類推適用とは言っていないように思えるのですが・・・見落としたかな?
ともあれ、大判14.12.6の事案を簡単に説明すると、相手方は金銭消費貸借契約を締結する意思がない(借金する意思がない)のに、締結したという借用証書を代理人が本人に渡したが、本人が相手方に貸金返還を請求するに際して、相手方が真意でなかったことを主張し、しかもそれを代理人も知っていたとして、93条但書により契約は無効だから返還義務を負わないと言い、実際これについて代理人は相手方と通謀しているというものです。
これに対して大審院は、代理人が本人を害する目的で相手方と通謀して本人を欺罔するような行為は本人の代理行為ではなく、相手方の本人に対する使者としての行為であり、そうであるならば、93条が当然適用され、契約は有効である。契約が無効となるのは、本人が相手方の真意を知り、または知ることができた場合である、として本人を保護したものです。
つまり、この事案においては契約が無効になってしまうと本人にとっては不利であるので、有効とするのは本人がかわいそうとはならないのです。
ちょっと分かりにくい回答かもしれませんので、その時は補足質問をお願いします。
非常にわかりやすいご説明ありがとうございます。
minpoさまには、また法律関係の質問が出てきた際に、ぜひともお力をお貸しいただきたく思います。
具体例でとてもスッキリ、よくわかりました。
六法にもこのような具体例が載っていれば、法律初心者などもとても理解しやすく、
理解がより深まると思いますよね。
このたびはまことにありがとうございました。また法律関係の質問が出た際には、
頼りにさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
P.S ほかにも質問している法律の問題があるのですが、こちらはminpoさまの
範囲外でしょうか。(^^;
それでは。また。
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