No.5ベストアンサー
- 回答日時:
こ~いう議論では, 普通「時計」といえば「固有時に従って進む」ものです. だから, 「重力とは無縁な、無限遠方で作られた時計」を「重力場に持ってき」たらその重力場における「固有時」と同じペースで進みます. 繰り返すけど, そういうものを「時計」としているんです.
あと, 「具体的には無限遠方で2秒という時間に、星表面での計量をかけて計算して、1秒という値が出ました。だから、星表面の固有時は1秒で、重力により時間の進みは遅れます。」というのは実はおかしい. 議論が逆で, 2点における固有時の違いが「計量」という形で表れていると思うべきでしょう.
ちなみにそのあとの「実際に星表面に時計を置くと、無限遠方で2秒経過したときに、本当に正確に1秒を刻むのでしょうか?0.9秒しか刻まないとかにはならないのでしょうか?」については実証されています... もちろん「無限遠方」は不可能なのでもっと近いところですが, 今のところ相対論で求まる通りに時間がずれています.
余談:
#2 で「その「時計」が何を測っているのか」と書いたのは, 最初に書いたことと関係があります. つまり, 今世の中にある「時計」は, 実は「固有時を刻んでいない」ものも多いんです.
>こ~いう議論では, 普通「時計」といえば「固有時に従って進む」ものです. だから, 「重力とは無縁な、無限遠方で作られた時計」を「重力場に持ってき」たらその重力場における「固有時」と同じペースで進みます. 繰り返すけど, そういうものを「時計」としているんです.
ここで言われます「時計」と言うのは、あくまで理想時計といいますか、そのような性質を満たす時計
を作って、これが時計の定義だ、とするとわかる気もするのですが、おそらく重力を
感知して進み具合を変える特殊な時計を製造しなくとも
普通に時計を作れば精度の問題はあるにせよ、その性質を満たしているのですよね?
そこは理屈上、重力があろうが無かろうが製造した時計は固有時を刻む、というよりは
実験による検証により、時計は重力があっても固有時を刻んでいた、という事でしょうか?
もし、理論を軸にそれを言おうとしたら、測地線の方程式は固有時で書かれています。
運動を記述する際に固有時を使うのは相対論の思想で、当然製造された時計も
物理法則に従うわけですから固有時で支配されます。時間の進み方が固有時で支配された
世界なので、「正確に時を刻む時計」は当然の様に固有時を刻みます。
という感じでしょうか?
あと、変な質問なのですが、星表面の人は積極的に座標変換して g00= -1 の座標系、
つまりは固有時と座標時が一致するような座標系を使うべきなのでしょうか?
No.11
- 回答日時:
理論モデルと"現実”なるもの。
理論は、事象を説明するための"モデル"を提供するものです。
私たちは、或る事象を説明できるモデル作り出します。相対論も量子論も(その他諸々の理論すべて)、斯く斯くのような規則の下に事象が起こっているのではないかと想像するものです。どこかの哲学者が喝破したように、私たちは事象そのものを知ることはできません。事象に似せたモデルを使って、事象を"説明している"に過ぎません。
モデルの可否は、そのモデルがどれだけ事象を正しく予測できているかに掛かっているわけです。神の視点で、モデル(=理論)の正否を知ることはできない相談です。質問者さんが、理論的な予想が、現実の世界での出来事を正しく説明しているかどうかを検証したいなら、他の理論から判断しようとしても意味がありません。まさに、現実に起こる事柄と対比して検証するしかないのです。相対論は、その意味での検証に極めて良く耐えています。素晴らしい理論(=モデル)だと言えるわけです。
相対論が語る固有時が正しいのかどうか。質問者さんは問いました。相対論の固有時概念に対して、何らかの根拠が示されたら…と。
繰り返すようですが、他のいかなる理論に根拠(あるいは否定的な見解)を求めても、その説明原理に対しても、正しいのかどうかを問うことになります。きりがありません。
実際に起こる現象で検証すること、それだけが、理論の正否を判断できる唯一のものです。如何に奇異に恣意的に見えても、事象を正しく説明できるなら"正しい"と認めるしかありません。逆に、如何に整合性の取れた美しい体系になっていようとも、事象を説明できないなら、法則・体系として認められることはありません。
ありがとうございます。あくまで検証し、それに耐えうるかどうかが大切で、またそれが全てと言うことですね。
慣性系の理論の自然な拡張で、重力を感じる人の固有時は定義出来ます。
その定義された固有時が、実在の時計と進みは同じだろうと言う事は皆様の
お話でわかってきました。その根拠は人智の及ぶところではないと。
でも、教科書とかで、スパッとこの部分を説明してるものがあまり無いようなきもしますね。
私が不思議に思ったのは、かなりの任意性の強い導出の値(固有時) だと思えるので
単に、実在の時計と重力場の固有時は比例関係があって、実測で比例係数がいくつ、ってだけで全く納得の行く話だったんです。
こう言う事こそどの初等的な本にも明記されてないと変な不信を抱きかねないですね。
No.10
- 回答日時:
「実在の時計」と言う話になると科学の話と言うよりは工学の話になります。
今のところきわめて正確な時計を作る事は出来ても完全に正確な時計を作る事は出来ません。
作った時計が完全に正確なのかを確かめるためには基準となる完全な時計が必要だからです。
日本の標準時を決めているNICTですが、そこではセシウム原子時計18台と水素メーザ4台を使用して1秒を決めています。
http://jjy.nict.go.jp/mission/page2.html
これらの時計そのものが完全だったとしてもその時の刻みが完全に同期する事はありません。
ほんのわずかの温度、磁場、重力場の変化でずれが生じます。
そもそも二つの場所の重力が等しい事をどうやって確かめればいいのでしょう。
出来るのはこれらの時計の平均を求めることです。
そして、これらの時計のばらつきの範囲内で正しいという事です。
今のところ相対論はほとんどの問題について極めて上手くいっています。
上手く行ってないのはブラックホールで現れる特異点の問題です。
相対論に付いて何らかの修正が必要なのは明らかです。
一番有望なのは「超弦理論」ですが、決定的と言うところまでは行っていません。
ありがとうございます。確かに厳密な時刻というのも気にはなるのですが、自分がとりあえず
不思議に思ったのは無限遠で重力を感じない人が普通に製造された時計を手にする状況です。
(特殊相対論はだいたいこんな状況で話が進められたと思います。)
で、この無限遠方の人は、もちろん自分の時間の進みは手にしている時計が表していると思っています。
ここからが重力の話ですが、星表面にいる人の固有時を、この無限遠方の人は計算する事が出来て、
例えば、無限遠方の人の時計が2秒経過すると、星表面の人は1秒経過する。と、あくまで机上で計算出来ます。
この計算は何か特殊相対論を拡張解釈したような、定義みたいな感じで値を求めます。
(あ、この論法は良く無いと下で指摘されましたね… でも、値自体、2秒と1秒の関係は使えると思います)
じゃぁ、無限遠方の人が、全く同じ構成の時計を2個持ってたとして、一個を星表面に置いたとしましょう。
無限遠方にいたまま、なぜか星表面の時計の針は見えるものとします。思考実験です。
そのとき、2つの時計は本当に先ほどの1秒(重力をまともに感じる場所の時計)と2秒(無重力にある時計)の関係になるのでしょうか、
と言うのが私の疑問です。
No.9
- 回答日時:
固有時間の概念が存在する事を前提とする回答が多いですが、本質的には本当に存在するのかというのが質問になるのでしょうか。
※例えば、重力がない場所で1秒が同じになるように調整した原理aで動く時計と原理bで動く時計を、星の表面に用意すると1秒が同じではなくなるのであれば、固有時間を定義することができません。
一般相対論の枠組みでの話で良いのなら
(星などが作る)重力のある系でも(局所的には)重力のないように見える座標系を選ぶ事が可能で、この座標系と本当に重力がない場所とは(局所的には)区別できない事が一般相対論では要請されています。
時計も例外ではなく、そういう意味で重力の有無とは関係なく「1秒の長さは同じである」と言う事(定義する事)ができます。そのおかげで固有時間の概念が存在する事が言えます。
そこなんですね、私が悩み出したところは。
局所慣性系を考えれば、それは重力の無い、特殊相対論が適用できる世界になります。だから
自分が持っている時計は自分の固有時を確実に刻みます。何の問題もありません。
一方、星表面で重力を感じている人が静止していると
ds^2 = g_00 dw^2
という式が得られます。dw はたまたま使っている座標系です。ds^2 のほうは座標変換しても不変なスカラーです。
で、 ds を c で割った値(あれ、負号がつくかな)が、その静止している人の固有時になります。
ですから、固有時はあくまで確定値になるので定義はできるのだとおもいます。
重力を強く感じている場所で、固有時自体は定義できます。ただ、
実在の時計(理想的な時計)をその重力の場に置いたときに、ちゃんと計算された固有時と同じテンポで
すすむのかな?と悩み始めました。 皆さんに沢山ご回答いただいて、おそらく同期する、同じテンポのはず、
それは理論上というよりは実験的な検証によるものというイメージが掴めてきました。
No.8
- 回答日時:
重力と加速度は等しいとする等価原理はご存知ですよね。
この問題は次のように考えたほうがわかりやすいかもしれません。
等速直線運動をしていた宇宙船を途中から加速します。等速直線運動中が無限遠方、加速中が星の表面と同じだと考えることができます。
では、この宇宙船の乗組員にとって、時間はどのように経過するのでしょうか?
まったく変化することはありません。加速中、時計がゆっくり進んだりはしません。宇宙船の中では、ずっと同じペースで時間は経過します。
しかし、加速中は時間が遅れているのです。一見矛盾しているようですが、これを受け入れないと相対論の理解は進みません。
質問者さまは固有時と表現されていますが、絶対時間的な感覚を捨てきれていないのではないでしょうか。
ありがとうございます。
どうしても自分は「絶対時間的な視点」を探してしまいます。特殊相対論の時もそうです。
「体験」する人にとって時間が速く進もうが遅く進もうが区別ができるわけがないということでしょうか?
確かにそうですね。「体験者」はいつも同じペースで時が進むと感じるはずですね。
そして「固有時」なのですが、これはある場所にとどまっている間、描いた線素をcで割った値という具合に計算して求まります。
ある種人為的っぽいんですね。
無限遠方の人が星表面を観測したとします(思考実験でしかないですけど)。星表面の固有時は計算できます。
そうして星表面に置いた時計も見ることが出来るとします。この2つの時計(片方は計算の結果)は同じテンポで進むのでしょうか?
というのが私の疑問でした。
No.7
- 回答日時:
自分の手元に有る時計は自分がどこ(星の表面でも宇宙でも)にいても同じペースで時を刻みます。
星の表面にいる人が宇宙にいる人から時計を受け取った時はその時計も同じペースで時を刻みます。
これを同期するというのであれば二つの時計は同期して動きます。
混乱のもとは「同期」という言葉の使い方です。
普通時計が同期すると言えば時刻まで一致する事を言いますが、宇宙にあって星の表面と時刻のずれた時計を星の表面に持っていってもずれた時刻は同じになりません。
時刻まで一緒になるという意味でしたら同期する事はありません。
ありがとうございます。
「同期」という言葉をつかったのはまずかったですね。「時刻」の意味ではなくて、
「同じテンポで進む」といことを「同期」と書きました。
そして何と何を比較するかと言いますと、一つは実体のある時計、もう一つは相対論で計算される固有時です。
無重力なら「同期」していますが、重力場でもその2つは「同期」するのかな?というのが疑問でした。
No.6
- 回答日時:
>一方、重力とは無縁な、無限遠方で作られた時計があります。
この時計を>重力場に持ってきて、本当に星表面の固有時と全く同期するのでしょうか?
どうやら、質問者さんが問うていることは、相対論の論理に従った時間概念は、実際に観察等で確認できるものなのか、或いは確認できているものなのか?ということのように思われます。それなら、いろんな場面で検証はなされていて、今のところ、相対論にとって致命的な反証となるような事柄は見つかっていない、と答えれば良いのかなと思います。
卑近な例では、GPS。一般相対性理論を厳密に適用して、衛星と地上の測定器との間で、それぞれの固有時の違いを考慮しています。その結果を元に計算して割り出した測定器の位置が、とんでもないデタラメなものなら、相対論は葬るしかありませんが、ご存じのとおり、GPSは正常に動作しています。まさに相対論が正しい根拠と考えて良いのではないでしょうか? これからも、いろいろな場面で検証はなされることでしょう。そのすべてに相対論が耐えるうるかどうかは、神のみぞ知る、ですかね。
>相対論の論理に従った時間概念は、実際に観察等で確認できるものなのか、或いは確認できているものなのか?
はい、まさにそうです。慣性系の理論には特に違和感は持っていません。が、
重力場での固有時って、人為的に作ってる値に感じるんですね。
でも、それが実測値と整合しているとなりますと、人為的な理論の拡張が現実をそのまま記述している
という事でしょうか。
だんだんと理解が出来てきた気がします。ありがとうございます。
No.4
- 回答日時:
>重力場の人は、固有時を知りたい時にはわざわざ計算する必要があるのか、
それとも手にした時計が重力場でも固有時を刻むのか?と言う事です。
そのとおり、計算しても実際の時計を見ても同じです。これが異なるのでは、理論の意義がありません。
時計自体と共に誰か(Aさん)がやってきたと考えてみましょう。Aにとって、彼の手元にある時計はごく当たり前に動いていますよね。急に秒針の進み方が速くなったり遅くなったりするはずがありません。彼がどこに居てもどんな運動をしていようとも、彼にとっては静止しているのですから。Aが無限遠点から星表面まで、時計を伴ってあなたの下へやってきたとすると、Aとあなたがであったときには、時計はあなたに対してもAに対しても静止した状態ですから、時計はあなたが見てもAが見ても同じ動きをしているはず。Aにとって時計は規則正しく秒を刻んでいたのですから、今もやはり規則正しく刻んでいるはずでしょう。
ありがとうございます。
>Aにとって時計は規則正しく秒を刻んでいたのですから、
まさに私の疑問はこの1点に尽きるかもしれません。無重力なら確かに時計はAの固有時を正しく刻んでいます。
しかしながら重力がある場合に、全く多少のずれも生じないのでしょうか?
たとえば星の表面での「固有時」の1秒は、無限遠方の時計では2秒に相当するとします。
無限遠方は重力を感じませんので実際に時計でもって「2秒」を計ることができます。
一方、私の理解では、星の表面での固有時の1秒というのは、あくまで特殊相対論を自然に拡張した
定義のような形で得られる値だと思うわけです。
具体的には無限遠方で2秒という時間に、星表面での計量をかけて計算して、1秒という値が出ました。
だから、星表面の固有時は1秒で、重力により時間の進みは遅れます。
という形で説明されています(されていると思います)。
すると、実際に星表面に時計を置くと、無限遠方で2秒経過したときに、本当に正確に1秒を刻むのでしょうか?
0.9秒しか刻まないとかにはならないのでしょうか?
私も正確に1秒を刻むとは思います。そうだとは思うのですが、なにかこう、確実な根拠が欲しいと言いますか。。
理論を自然な形で拡張して、星表面での固有時の値が得られました。だから星表面の人はその固有時を刻む時計を
製造して生活することが出来ます。または、時計なんて何でもよくって、たまたま使っている時計でも
自分の固有時を計算することが出来ます。
一方、重力とは無縁な、無限遠方で作られた時計があります。この時計を
重力場に持ってきて、本当に星表面の固有時と全く同期するのでしょうか?
悩み出すとよくわからないのです。。。
No.3
- 回答日時:
元々手元にあった時計も、持ってきた時計も、秒針の動きは完全に一致しています。
持ってきたときに時刻が合っているという保証はありませんが、手元にある2つの時計は、全く同じに進みます。相対論では、時の進み方(固有時)は、時計が動くメカニズムには無関係に、"時計"が置かれている「場所」や「運動」に依ると考えます。時計を作っている部品に固有時が"染みつく"わけではありません。
トンネル内のオレンジ色の光の下で灰色に見える色も、白日の下に持ってくれば、違ったふうに見えるのと同じで、トンネル内での"色"に染まるわけではありません。色はそれを見る"環境によって"異なって見えます。それと同じようなイメージです。
ありがとうございます。なんか自分の書き方が悪いようでして…
ええっと、一つの時計を用意します。比較したいのは固有時です。
特殊相対性理論では固有時の計算式を使えば、手に持っている時計と一致します。
だから、無重力では、自分の固有時を知りたい時、わざわざ計算する事もなく、単に手にした時計をみれば済みます。
さて、今度は重力場です。自分の固有時は
-c^2 dτ^2 = g00 dw^2. から計算します。そのように人為的に定義されているような気がします。
ですから、重力場の人は、固有時を知りたい時にはわざわざ計算する必要があるのか、
それとも手にした時計が重力場でも固有時を刻むのか?、と言う事です。
もちろん知りたいのは時を刻むテンポの同一性です。時刻そのものは変わっちゃうでしょうから。
よろしくお願いします。
No.2
- 回答日時:
普通に考えれば
「元から重力場の下にあったもの」と「重力場の下にもってきたもの」とで同じ進み方をする
んじゃないですかね.
その「時計」が何を測っているのか, という点は気になりますが.
ありがとうございます。なかなか自分の説明が悪いようでして…
ええっと、慣性系(無重力)では、手にしている時計は必ず固有時を刻みます。時計は最初、無重力の場所に
あったとします。
このまま重力場に移行します。
重力場での固有時の計算は
-c^2 dτ^2 = g00 dw^2
みたいな計算をして求まります。ここでdw はたまたま使った座標系ですが、どんな座標系を
使っても固有時の値は同じになります。
さて、この重力場での固有時って、とても人為的な計算の気がするのです。値は求まるし、
不変のスカラーです。
が、実際に本当に重力場に時計を持ってきたら、その時計は(計算された)固有時と同じテンポで進むのでしょうか?
という質問なのですが伝わりますでしょうか?
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