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最近のニュースを見て改めて不思議に思いました。牛だけに限らないのですが、象や馬なども含めて、草食動物はタンパク質らしいものを摂取していないのに、なぜあんなにお肉のかたまりのように育つことができるのでしょうか。酵素などが関係しているのでしょうか。

A 回答 (5件)

 ANo.1様の御回答が最も的を得ていると思います。


 牛等の脊椎動物の草食動物は、自分ではセルロースを分解する酵素を作ってはいませんから、微生物の働きを借りなければ、セルロースを分解する事が出来ません。
 又、青草と比べて、藁や乾草の様に枯れた植物の場合、含まれているたんぱく質の量がかなり減っているため、干し草に含まれているたんぱく質だけでは、量が不足してしまいます。
 タンパク質には窒素が含まれているため、窒素が無ければ、さすがの微生物もタンパク質を作る事が出来ません。
 牛や山羊の様な反芻動物では、胃の中に溜めた草を、口の中に戻して噛み直しては、再び飲み込むという事を繰り返していますが、この時、草と一緒に大量の唾液が胃の中に送り込まれます。
 唾液は、血液が原料となって作られています。
 そして、血液中には、牛の体内で蛋白質が分解された時に出来た、アンモニアや、アンモニアを肝臓で無毒化する事によって出来る尿素が含まれています。
 このアンモニアや尿素には窒素が含まれていて、これらのアンモニアや尿素も、唾液の中に出て来るため、これによって、胃の中に窒素分が供給されます。
 牛の胃は4つに分かれていて、この内の最も口に近い側にある第1胃に微生物が住み着いています。
 第1胃に住んでいる微生物は、セルロースを分解して得たブドウ糖を、さらに分解する際に得られるエネルギーを使って、アンモニアや尿素等の窒素分と、セルロースを分解して得られる炭水化物等を原料として、タンパク質を合成します。
 こうして、タンパク質を合成して増殖した微生物の一部は、次の第2胃以降へと送られますが、微生物が合成したたんぱく質は、牛の場合(動物の種類によって消化される場所は異なります)は第4胃で分解された後、小腸内で更にアミノ酸にまで分解されて、小腸で吸収されます。
 唾液中に含まれている窒素分の濃度は低いのですが、胃に送られた後、タンパク質に変わって、小腸から吸収される事で、リサイクルされるため、窒素が簡単に無くなる事はありません。
 そのため、干し草等に含まれている僅かな量のタンパク質だけでも、尿等となって失われる窒素の量を、補う事が出来る訳です。

【参考URL】
 社団法人畜産技術協会:シープジャパン 2002年1月号(41号) 飼料給与の注意点-反芻胃のしくみ-
  http://jlta.lin.gr.jp/publish/sheep/kiji/41_01.h …

 財団法人 環境科学技術研究所 環境研ミニ百科第42号 反芻動物(はんすうどうぶつ)
  http://www.ies.or.jp/japanese/mini/mini_hyakka/4 …

 モウモウ- エサのお話し
  http://www.wind.ne.jp/kazumi3/shi_farm/mouesa.html

 これに対し、馬等では、胃ではなく、小腸よりも後にある盲腸や大腸に、セルロースを分解する微生物が住んでいるため、微生物が作るたんぱく質を、消化吸収して利用する事が出来ません。(アミノ酸を吸収するのは小腸の働き)
 そのため、馬は、牛や山羊とは違って、干し草だけでは生きては行けず、干し草よりも蛋白質が多く含まれている、青草等を多く食べねばなりません。
 又、兎の場合、馬と同様に盲腸にセルロースを分解する微生物が住んでいるのですが、兎は盲腸で発酵した糞(軟糞)と、盲腸で発酵しなかった糞(硬糞)を排泄し、発酵した際に出来た栄養を含んでいる軟糞を、もう一度食べる習性があるため、微生物が作った蛋白質を、食べた糞から消化吸収して利用する事が出来ます。

【参考URL】
 ウサギ類の糞食
  http://cse.ffpri.affrc.go.jp/hiroh/coprophagy.html
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この回答へのお礼

ご回答のお礼が遅れて、申し訳ありませんでした。

参考の記事も全て読んで納得いたしました。大変役に立つご回答で、わが子にも分かりやすく説明できそうです。ありがとうございました。

お礼日時:2011/08/03 22:02

他の方へのお礼を見て。



人間はセルロースを消化できません。
セルロースを分解するセルラーゼは牛の腸内細菌が持っており
人間はこの腸内細菌を持っていないため分解できません。

ベジタリアンの中でも全く動物を食べないビーガンの人達は
大豆など豆を大量に食べてタンパク質を補っています。
ちなみに飼育している牛には肉骨粉という
廃牛の肉と骨を粉々にしたものを食べさせています。
成長を早めるために、草食動物に仲間の肉を食べさせ
共食いをさせている人間は業が深いです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

そう言えば、肉骨粉は狂牛病で問題になったのを思い出しました。今後の人口問題・食糧問題を考えるとき、単に効率よく食用肉を増やせばいいのか、考えものですね。

植物でもそうではありますが、ただ人間に食べられるために生まされ太らされている動物たちの映像を見ると、やはり心が痛みます。(でも、マックには行きますが)今の時代に生きている限りは「そこは商売」と割り切って考えないといけないのでしょうね。

お礼日時:2011/07/19 07:06

草にもタンパク質はあります。


人の場合、細胞壁(セルロース)を分解できないから摂取効率が低いのかな?

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question …
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

そうですね、大豆にもタンパク質があるから他の植物にもあるはずですよね。特に「わら」は、私が「お米」をとったあとの、ただの「カス」みたいに思い込んでいたのがそもそも間違いでした。

他の方の質問&回答もありがとうございました。

お礼日時:2011/07/19 06:51

草食動物は胃の中にある酵素を持っています。



草や樹木の主成分はセルロースと言われるものですが、この酵素のおかげでセルロースがデンプンにかわります。ただし、効率はかなり悪いので牛などでは繊維を細くするために反芻をして小さくしています。

ですから一日中食べてばかりという事もあります。以下をご参照ください。

http://moumoumou.fc2web.com/gastric-system.htm
http://www.ies.or.jp/japanese/mini/mini_hyakka/4 …
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。2つも参考資料を提供していただき、よく分かりました。

ベジタリアンの人でも成長したり、胎児を育てたり、乳を出したりするのも、消化器官の中で同じような働きが行われているのでしょうね。

お礼日時:2011/07/18 23:59

牛は複数ある胃のうちの最初のほうの胃の中に微生物を飼っていて、


食べた草の炭水化物を餌にしてその微生物を増やし、
たんぱく源として吸収していると聞いたことがあります。
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この回答へのお礼

さっそくのご回答ありがとうございます。

草やわらがそのまま栄養になるのではなく、微生物=タンパク源を増やしているんですね。驚きです。

私の胃袋でもその微生物を飼っていたら、プロティンを摂取しなくても一流のボディビルダーになれそうですね(^_^;)

お礼日時:2011/07/18 23:47

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