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原発の核燃料に、何故ウラン235とウラン238の混成物が使わるのでしょうか?
現在、天然ウラン、ウラン235とウラン238の割合比が0.7%:99.3%のものを、
ウラン235の割合を20%まで以上に高めたもの。言いかえれば、この濃縮ウラン
を原発に使用している訳ですが、そもそもウラン238とセットされたものを使う必
要性があるのでしょうか?
分離して、ウラン235、100%のものだけを燃料として使えばいいのではないかと
素人目には思えます。私の知る範囲内では、 ウラン235の割合が高まれば、
高まるほど、核分裂を起こしやすいとも聞きます。核分裂の効率だけを考えると
、100%のウラン235の核燃料だけを使った方が断然よいのではないでしょうか?
またウラン238をまったく含まない燃料を使えば、プルトニウム239は生成しにく
いと言うメリットも付加されるのではないですか?

こんな、勝手な核燃料に関するど素人の私の問いに回答を頂ける方はないで
しょうか? ご迷惑をおかけします。

私の素人考えでは、単に、天然ウランに含まれるウラン235が少ないから、貴重
だからウラン238とセットで濃縮して使う。もうひとつ、濃縮する際に、完全な形で
、分離しにくいから。いやこの二つの事も答えにはなっていないように思えます。
私なりに、もうひとつ考えられる事は、ウラン238によって、ウラン235の核反応を
制御するために、わざわざ一緒に使うとも思えます。
実際の理由は、どう言ったことからでしょうか?

変な質問内容になってしまいましたが、お分かりの方は、是非教えて頂きたく
思います。

ウランの燃えカス、プルトニウム、こんなものを、人は、何故わざわざ人為的に
作り出す必要があるのだろうと、ふと考えることがよくあります。

A 回答 (8件)

簡単に言うと、核分裂を起こすにはウラン235の濃度がある程度必要だが、濃度が高すぎると核分裂が制御できなくなり、核爆発を起こしてしまうからです。



ウラン235が持っている莫大なエネルギーを長い間をかけて少しずつ取り出さなければ、発電に利用できません。
原子力発電の軽水炉で核分裂反応を継続的に行うためには、濃縮度2%から5%程度の低濃縮ウランを燃料として使うのが良いようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8E%E6%BF%83% …

この回答への補足

4500rpmさん、あなたから頂いたご回答の内容から、改めて、ウラン235の濃度が高い状態で使用することが、いかに危険な事か分かりました。またぶしつけで、ど素人のご質問に、ご丁寧なご回答をいただき、有難うございました。

補足日時:2011/08/05 08:14
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ウラン235の濃度を100%近くにすると原発じゃなくて原爆になるんですけど…


質問をするにしても最低限の知識は必要だと思うよ。
三歳児に高校程度の知識の話をしてもチンプンカンプンだよね。
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軽水炉でウラン燃料を使うにはウラン235は数%の濃度が必要です.


そのため濃縮します.
100%濃縮の原子炉は聞いたことがありませんが,核兵器レベルの90%程度の濃縮率で動かした原子炉(研究用であるため原発ではない)はあります.
ですが,原発は安定して安く電気を作ることを目的とするため,高濃縮率のウランを使うのは経済的にメリットがありません.
高濃縮にすればするほど燃料代が高くなるほか,ウラン238のごみの量が増えてしまします.

また,濃縮して100%レベルのウラン235とウラン238以外の物質と混合させて燃料として使う場合は,一旦高濃度のウラン235を取り出して,他の物質と混合させる必要があります.この操作は核兵器で使うウラン235を取り出す方法と同じため,この方法での濃縮の仕方は国際的に避難を浴びる可能性が非常に高いと考えられます.(六ケ所村のプルトニウムの再利用方法もできるだけプルトニウムを単体で取り出せないような作りなっていたと記憶しています)

なので,天然ウランからウラン238だけを取り除いてウラン235の濃縮度を上げるという方法が一般的に取られています.
この方法では不純物としてウラン238が混じります.
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この回答へのお礼

mi-e007、4500rpmさん、有難うございました。チンプンカンプンな、専門的な知識をお持ちの方々に、ご質問をするには、大変恥ずかしい内容の問いだったと反省しています。しかし、今回新たな知識を得られたと嬉しく思います。

お礼日時:2011/08/05 08:04

No3 の方を補足する形で



>原発の核燃料に、何故ウラン235とウラン238の混成物が使わるのでしょうか?
>現在、天然ウラン、ウラン235とウラン238の割合比が0.7%:99.3%のものを、
>ウラン235の割合を20%まで以上に高めたもの。
軽水炉(通常発電につかう商用の場合)の場合は、ウランの濃縮度は3~5%です。
(研究炉の場合は設計によってまちまちだそうです。これはNo3の方が言われたとおり。)
ちなみに天然ウランを濃縮せずにそのまま使える原子炉もあります。
(日本にはありませんが、海外には存在します。)

>100%のウラン235の核燃料だけを使った方が断然よいのではないでしょうか?
No3の方がおっしゃるような経済的な理由。(参考URL参照
もうひとつは、国際的・軍事的な理由かと思います。
高濃縮ウランは濃縮法があれば比較的簡単にできます。
(理論的には今日本でやっている遠心分離法をもっと繰り返せばいいだけの話です。)
ですが、「90%以上の高濃縮ウランの製造能力」というのは、「原子爆弾の製造能力」に直結する話なのです。
ウラン235の臨界量は100%でおよそ22kgだった思いますが、ウランの場合はそれを二つに分けておいて、
火薬でくっつけるだけで、原子爆弾になります。
(広島型原爆がこの原理になります。)
そのため、ウラン濃縮能力というのは国際的な監視、さらには干渉が付きまとうのです。
(No3の方が指摘している国際的な非難というのはこのこと。)
昨年イランの核開発問題がニュースに上がりましたが、主な問題点はこのウランの濃縮能力でした。

また、日本は原爆被害を受けた国ということから、国自身が方針として「原爆を作れるような能力・施設を持たない。」ようにしているためです。
No3の方の「(六ケ所村のプルトニウムの再利用方法もできるだけプルトニウムを単体で取り出せないような作りなっていたと記憶しています)」もこの方針が基礎になっているためです。

以上、ご参考まで。

参考URL:http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.ph …
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この回答へのお礼

hayasittiさん、他の回答をいただいた方々同様、貴重な情報を載せて頂き、感謝の気持ちで一杯です。

お礼日時:2011/08/10 00:14

原子炉内ではウラン238がプルトニウム239になりますが、原子炉内でこのプルトニウムが核分裂し、エネルギーを出します。

 核燃料は3年くらい使いますが、その全エネルギーのうち、約3割が原子炉内で生成されるプルトニウムによるものです。

この回答への補足

ytrewqさん、プルトニウム239の生成について、言及なさっておられるのでお聞きしたく思います。自然界には、ごくわずかではあるが、天然のプルトニウムが存在すると聞きます。またこの自然界に存在する天然のプルトニウムは、ウラン235は核融合によって生成したものだとも聞きます。これは本当でしょうか?
自然界のウラン235の場合、核融合より核分裂を起こしやすく、最終的には、安定したPb、鉛に変化し易いと聞きます。

もう一点、お聞きしたく思います。プルトニウムにも、同位元素が存在すると聞きます。原発で生成するプルトニウムと、自然界に存在する天然のプルトニウムでは、特異的な違いはあるのでしょうか? 原発で生成するプルトニウムはプルトニウム239だけが生成するとか、また自然界に存在する天然のプルトニウムは、原発で出来やすいプルトニウム239とは別の同位元素のプルトニウムが出来やすい、存在していると言った傾向はあるのでしょうか?

また自然界に存在する天然のプルトニウムにしても、原発で生成するプルトニウムにしても、プルトニウムの同位元素は、すべて核分裂を起こしやすいのでしょうか?

皆さんに、ご迷惑をおかけしますので、この件で終了します。お手数をおかけします。

補足日時:2011/08/10 00:49
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この回答へのお礼

ytrewqさんを始め、皆さんから回答いただいた内容は、私にとっては貴重な情報です。有難うございます。

お礼日時:2011/08/10 00:20

商用軽水炉の燃料については他の回答の通りですが、軍用艦の原子力機関(加圧水型)では高濃縮ウランが燃料に使われているそうです。

原子力空母や原子力潜水艦は発電所のように簡単に燃料交換ができず、交換するにはドックで船体を切り開き、数年掛けて工事する必要があります。そのため、交換の頻度を減らす、あるいは不要にするため、交換期間は10年から30年以上としています。
機密のベールに包まれているため詳しくは分かりませんが、これを実現するためには兵器級に濃縮した燃料が必要だと推定されます。
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この回答へのお礼

原子力空母や原子力潜水艦と言った軍用艦の原子力機関で使われているウラン燃料についてまで、言及頂き、有難うございます。「知るは一時の恥、知らぬは一生の損」と言いますが、原子力エネルギーに関して、ど素人の私が、今回、この件について投稿をしたことは、大変有意義な事であったと思います。
fiskerさん、改めて、お礼を申し上げます。

お礼日時:2011/08/10 00:07

>またこの自然界に存在する天然のプルトニウムは、ウラン235は核融合によって生成したものだとも聞きます。

これは本当でしょうか?
ウランがプルトニウムに変化するのは核融合反応ではありません.
中性子捕獲反応とβ崩壊の組み合わせです.よく核融合と誤解されています.
ウラン238がプルトニウム239になるまでの変化の過程を以下に記述します.
ウラン238が中性子を捕獲してウラン239となります.(捕獲とは中性子を吸収しても核分裂を起こさなかったとお考えください)
ウラン239はかなり不安定であるためすぐにネプツニウム239となります.
ネプツニウム239も安定な核種ではないためすぐにプルトニウム239となります.
(ウラン→ネプツニウム→プルトニウムの変化の過程はすべてβ-崩壊です)
上でウラン239やネプツニウム239が不安定であると言いましたが,これは半減期がとても短いという意味です.

>自然界のウラン235の場合、核融合より核分裂を起こしやすく、最終的には、安定したPb、鉛に変化し易いと聞きます。
ウラン235やウラン238は核分裂を起こしますが,核分裂によって鉛に変化するわけではありません.アルファ崩壊とベータ崩壊を繰り返して鉛に変化していきます.
ウラン238はウラン系列と呼ばれる系列に従って,ウラン239はアクチニウム系列という系列に従って変化していきますので,興味をお持ちになったのなら,ウラン系列やアクチニウム系列で検索をなさってください.

>プルトニウムにも、同位元素が存在すると聞きます。原発で生成するプルトニウムと、自然界に存在する天然のプルトニウムでは、特異的な違いはあるのでしょうか?
生成の仕方に違いがあるとは考えられないため特異的な違いはないと思います.

>原発で生成するプルトニウムはプルトニウム239だけが生成するとか、また自然界に存在する天然のプルトニウムは、原発で出来やすいプルトニウム239とは別の同位元素のプルトニウムが出来やすい、存在していると言った傾向はあるのでしょうか?
生成の仕方に違いがあるとは考えられないためそのような傾向はないかと考えられます.
プルトニウムに中性子が吸収されたときはたいてい核分裂を起こすのですが,分裂を起こさず捕獲する時があります.
そうするとプルトニウム240となります.このプルトニウム240は239と比べると核分裂が起こりにくい元素です.
そのためプルトニウム240は核分裂を起こすよりも中性子を捕獲してプルトニウム241となる傾向が強いようです.

この回答への補足

mi-e007さん、原発の炉内で、ウラン238が中性子を吸収して、プルトニウム239に変わる反応を核融合とばかり思っていました。正しいご説明をいただき、重々有難うございます。またウランから5種類のプルトニウム同位体が生成する段階で、中間の元素、ネプツニウムが生成されることも、おかげさまで理解できました。分からないことが多いですね。ご回答をいただいた後、プルトニウム同位体について調べてみました。

今回プルトニウムに関するご質問でしたので、このプルトニウムを燃やすプルサーマル発電について、お聞きしたく思います。お手数をおかけします。ご迷惑をおかけします。

プルサーマル発電では、プルトニウムだけを燃料としているのでしょうか? もしプルトニウムだけを燃料とする場合、5種類のプルトニウム同位体のうち、核分裂を起こすプルトニウム 239と 241の2種類だけを燃料とするのでしょうか? いや、そうではなく、核分裂を起こさないプルトニウム238と240、242や、さらには通常の原発で燃え残った濃縮ウランも一緒に燃やすのでしょうか?

プルサーマル発電の場合、濃縮ウランを燃やす発電より、事故が多い、危険だと言った話を聞きます。何故なのでしょうか? 燃料としてプルトニウムを使うからでしょうか? 外国では、過去事故が多く、プルサーマル発電の稼働を停止したとか、現在は停止したままと言った事も聞きます。また私としては、福島の原発事故があり、原子力発電がマスコミで、頻繁に取り上げられるようになって、初めて、日本国内で、プルサーマル発電所が、いくつか実際に稼働している事も知りました。過去、外国では、過去事故が多いため、日本でも、発電所の施設は建設されていても、実際には稼働はしていないとばかり思っていた次第でです。

補足日時:2011/08/11 08:08
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>プルサーマル発電では、プルトニウムだけを燃料としているのでしょうか?


プルサーマルで使用される燃料はMOX燃料です。
MOX燃料はUとPuの混合物です。
原子炉で生成されるPuは大半が239Puであるため、わざわざ239Puだけを濃縮してMOXに添加することはしません。
MOX燃料に含まれるウランは天然ウランか劣化ウラン(天然ウランから235Uを取り出した後ウラン)が用いられます。
なので、燃料として濃縮ウランは用いられずプルトニウムは複数の同位体を含む状態で燃料として使用されます。

>プルサーマル発電の場合、濃縮ウランを燃やす発電より、事故が多い、危険だと言った話を聞きます。
ウランとプルトニウムは似た核反応を起こすのですがまったく同じというわけではありません。
たとえば一回の核分裂反応で出てくる中性子数がプルトニウムのほうが大きいことや、核分裂反応で生じる核種(FP:Fission Product)が多少異なることが挙げられます。他には融点がプルトニウムのほうが低いことなども挙げられます。
これらが原因で(つまりプルトニウムを使ったことが原因で)事故が起きたならばウランと比べてリスクが高いことも考えられますが、ウランを使ってもおこる事故であった場合プルトニウムのせいにすることはできません。なので、プルサーマルを行っている原子炉での事故が多かったとしても、その原因がプルトニウムにあるのかを調べなければ事故が多いとは言い切れないと考えています。

次に危険性についてですが、これは事故が起こった後での話となります。プルトニウムを燃料として使用した場合ウランよりも多くのマイナーアクチニド(プルトニウムよりも重い元素)ができるようです。マイナーアクチニドは全て放射能を持っているため、事故が起こり炉の中の燃料などが拡散した場合にウランよりも深刻な放射能汚染が起こるとも言われています。
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この回答へのお礼

mi-e007さん、有難うございました。今回もご丁寧なご回答をいただき、感謝の気持ちで一杯です。プルサーマルで使用される燃料がMOX燃料だと言った事は、よく耳にはしますが。しかし、具体的には、MOX燃料に含まれるウランは天然ウランか劣化ウラン(天然ウランから235Uを取り出した後ウラン)が用いられると言った事は、今回初めて知りました。またプルサーマル発電で、プルトニウムを燃料として、使う危険性についても、おかげさまで理解できました。

実は、私は福島県人です。当事者の県民として、原発に使用されている燃料について、少しでも知っておきたいと思いで、今回投稿しました。

mi-e007さんには、何回も亘って、質問にお答えいただき有難うございました。質問を載せるたびに、質問内容が幼稚で、mi-e007さんにご理解して頂いたか、お伝え出来たか、正直心配でした。しかし分かりやすく、的確な回答を送っていただいた事を大変嬉しく思います。

原子力技術にご精通の、皆さんのお手をこれ以上煩わすのも失礼と思いますので、核関連の質問は、これで閉らせて頂きます。有難うございました。

お礼日時:2011/08/11 18:10

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