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最近ようやく万能細胞のニュースをしりました。凄いですね。研究頑張って欲しいです。
ところで万能細胞で人の脳も作れてしまうんですか?
そしたら自分の細胞から自分の脳を作ったらどうなってしまうんですか?

A 回答 (3件)

こんにちは。


脳を作ることはできませんが、脳細胞を作ることはできます。既に動物の体細胞から「神経幹細胞」を作ることに成功しています。
幹細胞といいますのは分裂できる細胞のことです。ですから、これを使って脳組織を培養すれば、移植手術によって患者の脳欠損を再生することが近い将来に可能となります。脳死ドナーによる生体間脳移植は既に行われており、幾つもの成功例があります。但し、脳の何処でも移植できるというわけではありません。

一口に脳といいましても、それは様々な役割に分かれており、それぞれがたいへん複雑な神経配線で繋がっています。ですから、幾ら脳組織が培養できるからといいましても、脳そのものを人間の手で作るというのはまず不可能です。加えて、そこには血液や酸素を送るための肺や心臓が必要です。
脳に限らず、生体のこのような複雑な構造は全て胎児発生の過程から「セントラルドグマの発現」によって実現されたものです。セントラルドグマの発現といいますのは純然たる「ボトムアップ方式」であり、その成長の過程で無数のDNA情報がひとつひとつ解きほぐされてゆくということです。そして、このプロセスを人為的に再現するというのはスーパー・コンピューターを使ってもやはり無理です。では、人間の手で脳を作るというのは、その設計図に従い「トップダウン方式」でそれを組み立てるということです。ですが、少なくともそのためには、脳の構造というものは細部に至るまで全て分かっていなければなりません。そして、果たしてこれができるとしますならば、それは人間を作ることができるということです。

万能細胞といいますのはその名の通り、あらゆる組織に分化できる細胞のことです。ですから、これを使って骨や筋肉、内臓などの組織を培養し、それを組み立てれば人間ひとりが完成します。ですが、これにどうやって命を吹き込むのでしょうか。これが動かせるということは、即ち死んだ人間を生き返らせることができるということです。
同様に、人間の手で脳を組み立てたとしましても、そこに後から知性や人格をプログラミングするというのは簡単にできることではできません。何故ならば、それは我々が生まれてから体験した無数の出来事の膨大な積み重ねであるからです。コンピューターの性能は年々急速に進歩していますが、未だ人工知能が完成しないのはこのためです。
トップダウン方式では、そこに生命や知性を宿すことは極めて困難です。では、我々の「命」というのはいったい何処から来たのでしょうか。それは新たに作られたのではなく、母体から引き継がれたものです。卵子も精子も、受精する前からちゃんと生きていました。つまり、我々は生まれる前から生きていたんです。我々の命はそこに生み出されたのではありません。生命というのは、母体から授かる以外にそれを作る手段はないのであります。

脳細胞といいますのは新たに作られることはなく、ただ死滅してゆくだけと考えられています。では、万能細胞から作られた神経幹細胞といいますのは新しい脳細胞を幾らでも生み出すことができます。ならば、これを脳に移植してやれば死滅した細胞を取り戻し、老化も防げるのではないか、ということになります。
ですが、脳以外の身体組織では常にある程度の幹細胞が生きており、古い細胞が新しい細胞に入れ替わるという秩序が保たれています。ですから、このようなルールがあるならば、幹細胞の移植によって劣化した組織の再生治癒能力を取り戻すことができます。ですが、脳内にはこのような決まりがありませんので、果たして新しい細胞が古い細胞の仕事を肩代わりしてくれるかどうかは未知数です。脳移植というものが実際に成功しているのですから、肩代わりできないとは言い切れません。ですが、少なくとも新しい細胞には新しい記憶しか入れられませんので、それで失った記憶や人格を取り戻すことはどうやってもできません。また、脳内では基本的には新しい細胞の分裂は行われないのですから、そこに幹細胞の分裂機能を移植するというのは、これには脳内にガンを埋め込むのと同じリスクがあります。

脳細胞といいますのは長らく分裂、新生はしないものと考えられていました。ところが近年では、一部、海馬などでの「神経細胞新生」が確認されています。つまり、海馬では古い細胞と新しい細胞の入れ替えが行われているわけです。ですから、このような場所であるならば、幹細胞の移植によってその新生機能を活性化させ、海馬の萎縮が原因とされるPTSDやアルツファイマーなどの再生治療に将来的な期待が掛けられます。
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この回答へのお礼

まだまだ人体にはわかっていないことも多いのにその一部をつくろうというのも 、なんだかとてつもないことですね…。 まだまだ解明されていないブラックボックスな部分も無事につくれたかどうかどう判断するんでしょうね…。

お礼日時:2011/08/26 01:11

そもそも「自分の細胞」からクローンを作ったとしてもそれは「第2の自分」ではなく「生まれたときの違う双子」でしかありません. という

ことは, 「自分の細胞」から作った「自分の脳」は, 結局のところ「双子の脳」と同じことになります. 成長過程も違うので, あくまで「他人の脳」です.
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この回答へのお礼

なるほど。双子ですか。

お礼日時:2011/08/26 01:07

万能細胞が作れるのは細胞だけで、脳のような神経系は作れません。

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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
そうなんですか。
勿論、私の圧倒的な勉強不足のための勘違いなんですが、万能という言葉がもたらすイメージほど万能でもないんですね。

お礼日時:2011/08/25 01:41

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