A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
ANo.3さんの回答は完璧に近いと思います。
ただ、細かすぎるので、よくわからないかもしれません。簡単に言うと、原子炉の出力と運転期間で沃素131とセシウム137の生成量は決まります。
沃素137の放射能 ∝ 出力
セシウム137の放射能 ∝ 2×出力×運転時間/半減期
セシウムで2が掛け算されるのは、1核分裂あたりセシウム137は沃素131の2倍生成されるからです。
セシウム137の放射能/沃素137の放射能 =2×運転時間/半減期
仮に、福島の場合のセシウム137の放射能/沃素137の放射能が、チェルノブィリの2倍なら、福島の運転時間がチェルノブィリの2倍だったということになります。
勿論、他にも多くの複雑な要素、沃素とセシウムで洩れ方違うといったこともあるから、これでピッタリということではないでしょうが、まずは運転時間が違うということでよいと思います。
ここがあまりにも食い違うときは、洩れ方が違うといったもっと詳細な議論になっていきます。
No.3
- 回答日時:
放出されたセシウム137とヨウ素131の比率が異なるのは、原子炉の構造や使われている燃料の種類、中性子のエネルギーの違いも僅かには影響しているかも知れませんが、それよりは、同じ燃料棒を使い続けている期間の違いによるものが主な要因だと思います。
福島第一原子力発電所で使用されていた沸騰水型軽水炉も、チェルノブイリ原子力発電所で使用されていた黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉でも、どちらも核分裂によって発生した中性子の速度を、分子の熱運動と同程度のレベルにまで減速させた、熱中性子を使って、ウラン235を始めとする核分裂性物質を核分裂させています。
そして、ウラン235が熱中性子によって核分裂した際に生成するセシウム137の収率は約6.19%、ヨウ素131の収率が約2.89%であり、セシウム137はヨウ素131の約2.14倍多く生成します。
一方、同様にプルトニウム239の場合はセシウム137が6.61%、ヨウ素131が3.86%ですから、セシウム137はヨウ素131の約1.71倍多く生成します。
つまり、プルトニウム239を燃やした方が、生成するヨウ素131の割合が大きくなる訳です。
チェルノブイリ原子力発電所は、元々は核兵器に使用するプルトニウムを生産するのが主目的で、プルトニウムの生産には不要な発熱を利用して、ついでに発電も行っている様なものなので、折角出来たプルトニウムはあまり燃やしたくはありません。
ですから、核燃料の中に生じたプルトニウムの濃度が、ある程度高くなった処で、未だ燃やす事が出来るウラン235が残っているにも関わらず、原子炉から燃料棒を取り出して、プルトニウムを取り出す再処理工場に送ってしまうため、全ての核分裂反応に対するプルトニウム239の核反応の割合は高くありません。
これに対して、福島第一原子力発電所は純然たる発電用ですから、費用がかさむ燃料の交換や再処理の頻度を、なるべく少なくした方が、発電コストを低く抑える事が出来ますから、一旦原子炉内に入れた燃料を出来るだけ長く燃やそうとします。
例え、最初はプルトニウムを含まない燃料を入れたとしても、原子炉を運転し続ければ、核燃料に含まれている燃え難いウランであるウラン238が中性子を吸収して、プルトニウム239が生じますから、同じ燃料棒を使っていれば、プルトニウムの核反応の割合は増して行きます。
それに、福島第一原子力発電所の3号機では最初からプルトニウムを混入させているMOX燃料が使われていました。
但し、セシウム137の半減期が30.04年であるのに対し、ヨウ素131の半減期は8.021日に過ぎませんから、原子炉を運転し続ければ、続ける程、炉内に溜まっているセシウム137の量は増えて行くのに対し、ヨウ素131の方は、運転開始後何日かして、ある程度まで量が増えた後は、ヨウ素131が放射線を出して崩壊して行く速度と、新たにヨウ素131が生成される速度が釣り合って、原子炉内のヨウ素131の量はほぼ一定のまま変わらなくなります。(一定時間内に崩壊するヨウ素131の量は、存在するヨウ素131の量に比例しますが、一定時間内にヨウ素131が生成される量は、原子炉で発電するペースが一定であるため、あまり変化しない)
そのため、同じ燃料を使っている期間が長ければ長い程、原子炉内のヨウ素131に対するセシウム137の割合大きくなって行きます。
ですから、原子炉内のヨウ素131に対するセシウム137の割合は、使っている燃料の種類や、原子炉の構造による影響よりも、同じ燃料棒を使い続けている期間が長いか短いかの方が、遙かに影響が大きいと思われます。
尚、以下の参考URLのページ
【参考URL】
チェルノブイリ事故との比較 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7% …
に掲載されている情報では、福島第一原子力発電所とチェルノブイリ原子力発電所の双方において、ヨウ素131による放射線量の方が、セシウム137よりも多くなっていますが、これは、ヨウ素131の方が半減期が短いためであり、半減期が短いという事は即ち、速いペースで、放射線を放出して別の物質に変わって行くという事ですから、一般的に半減期が短い方が放射能は強くなります。
又、上記の参考URLのページでは、チェルノブイリ原発4号機では炉心インベントリーに存在するにセシウム137に対するヨウ素131の割合が11.4倍であるのに対し、放出量におけるセシウム137に対するヨウ素131の割合は20.7倍という様に、ヨウ素131の割合が増えています。
福島第一原子力発電所の場合も、炉心インベントリーで8.6倍だったものが、放出量では10.7倍と、同様にヨウ素131の割合が増えています。
これは、ヨウ素はセシウムよりも揮発性が高いため、気体になり難いセシウムの飛散量は少なく、気体になり易い要素の飛散量は多かったためだと思われます。
No.2
- 回答日時:
一つは核反応の違いがあるでしょう。
チェルノブイリの原子炉は黒鉛炉と呼ばれるタイプのもので、発電以外にも核兵器用プルトニウムの生産に用いられます。
黒鉛の中性子減速能は水よりもかなり悪く、燃料棒から出てきた中性子がかなり速い速度で再び燃料棒にぶつかります。黒鉛炉で用いられる核燃料は濃縮率が低く(もしくは天然ウランをそのまま使う)大部分を占めるウラン238がこの高速中性子を吸収、二回のベータ崩壊を経てプルトニウム239に変化します。
それと比較し、福島第一原発をはじめとする日本のだいぶ部分の原子炉は減速能の大きい軽水を使用しているため、燃料棒に突入する高速中性子の割合が少なくなります。その結果、プルトニウム239の生成量が少なくなります。
プルトニウム239は原子炉内で核反応を起こし核分裂生成物を生み出します。
この量の違いもチェルノブイリと福島第一原発の事故の際の放出核種の比率の違いに現れている部分もあるでしょう。
もちろん、チェルノブイリは原子炉自体が吹っ飛んだため、揮発性の少ない核種が福島よりも多く飛散したことは考えられます。この影響も大きいでしょう。
No.1
- 回答日時:
はじめまして♪
核燃料が稼働して造られた放射性元素物質ですが、根本的に核燃料本体を爆発炎上させてしまったチェルノブイリ事故と、燃料自体は格納容器(およびその付近)に残った状態で放射性物質が高濃度だった部分だけの爆発事故の違いでしょう。
核反応の基本的運転構造も違いますけれど、、、
運転を停止した状態と、運転最中の暴走という部分も大きく違いますね。
あくまで、考えられそうな想定です。
こんな事、何度も実験して検証データを取るなんて辞めてほしい事ですものね。
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