ミクロ経済学を学んでいます。
ミクロを勉強をしていると、その内容は確かに納得することもあるんですが、
現実の経済は必ずしもそのとおりになっていないと思います。
ある教科書では、ブランド品なんかの企業は独占企業で価格決定権を持っている、
そして値段を下げれば需要量も増え多く買われるなんて言ってます。
でもブランド品なんかは安くなったり供給量が多いと買わない人が出てくるはずです。
他にも色々考えてたんですが、ミクロ経済学がいまいち信用できなくなってきました。
ネットを調べてみると、ミクロ経済学では失業者・不況・売れ残りを説明できないだとか、
色々書いてありました。本当かどうかわかりませんが。
企業は買い手の需要量を見て売れ残りのないように、価格と供給量を決めますよね?
そもそもこういうことってできないと思うのです。すべてを把握できるわけがないのだから。
市場均衡価格と一致する限界費用などもわからないと思いますし、限界費用を一致するような点
で生産を止められるとは思えません。そもそも需要って変化するものですし、費用だって変化する
はずです。そんな疑問があります。他にもいろいろ。
ミクロ経済学、あるいは経済学全般の欠点・欠陥とその理由が知りたいです。
ミクロでは説明できない事とか、ミクロ経済学に足りない事とかを教えてください。
よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
まず、どんな理論にも適応範囲というモノがあります。
適応範囲を超えた現象に適応しようとすれば、理論と実際がうまく合わないのはまったく当然です。ミクロ経済学ではまず最初に実体経済を単純化した完全競争市場という仮想的な市場を考え、その市場ではどんな現象が起きるかを考えます。次に完全競争市場と実際の市場との相違点を考えて完全競争市場で生じるとされる現象が、実際の市場ではどのように変化するかを考えます。
質問者さんが学習しているのは、まだ完全競争市場だけなので、現実の市場と異なった様相を呈するのはまったく当然です。
ニュートン力学の運動の理論では物を投げると放物線を描いて飛んでゆくことになっています。しかし、実際には風の影響や空気抵抗があるため、放物線にはなりません。ゴルフの打球は風に流されますから、ニュートンの万有引力の法則通りには飛びません。これはニュートンの理論の欠点ですか?そうではないですよね。風の影響の修正を加える必要があるのに修正をしていないからですよね。
ミクロ経済学は完全競争市場を使っていますから、適応できるのは完全競争市場によって近似できるような市場だけです。労働市場は失業を生じるような状況下では完全競争市場で近似できないので適応できないのです。
ブランド品は差別化がある製品です。製品差別化がないのが完全競争市場ですから、適応できません。ただし、ブランド品には独占企業という側面がありますから、部分的に独占企業の理論で近似できます。ですから、初学者向けの教科書では独占の例としてブランド品が挙げられることがあるのです。
市場均衡というのは、札幌に住んでいる主婦が、鹿児島の八百屋さんのトマトの方が通りの向かいの八百屋さんのトマトより10円やすいことがすぐにわかり、飛行機代をかけずに買いに行けるときに成立するのです。それが完全競争市場が前提としている市場です。実際にはそんなことはあり得ないわけですが、主婦が買いに行ける範囲が電車や自動車によりどのくらいの範囲に広がってきているか、どこのお店の商品が安いかをどの程度の範囲でどの程度の時間でどの程度のコストで知り得るか、それによっては完全競争市場に近い市場として考えることができるかもしれません。
そういうことを考えるための第一近似がミクロ経済学なのです。第一近似はあくまでも第一近似であって、それ以上でもそれ以下でもありません。
「第一近似が実際の経済と合わないじゃないか。」
そんなのは当たり前です。第一近似にすぎないのですから。それは「欠点」とは言えません。円周率を3.14で計算したら、直径10mの円周の長さが16mmずれていた。当然です。それは精密に計測するときに使うべき3.1416を使わずに3.14というおよその数字を使ったからです。数字の「欠点」ではありません。
要は、完全競争市場という近似が使えるか使えないか、です。使えないような市場には合わないのです。それは適応範囲外なのですから。
この回答への補足
納得してきました。
完全競争市場という適応範囲と、今学んでる教科書に書いてない、
あるいは見落としていた部分が私の疑問の原因なのかもしれません。
>市場均衡というのは、札幌に住んでいる主婦が~
これとか実際ではまずありえないですよね。
多くの人の嗜好が同じわけはないし。
面白い答えが返ってくるかもしれないので、もう少しスレを開いておきます。
No.3
- 回答日時:
経済学全般は、前提として全てが合理的であるという点は、NO,1さんがお伝えされているので、それれとは別に、ミクロ経済で足りない点をお伝えします。
ミクロ経済は、当然一企業が最適な経済の考え方ですから、マクロ経済と真っ向勝負になります。
マクロ経済下では、正しいことが、ミクロ経済下では、正しくない方向に動きます。
これを『合成の誤謬(ごびゅう)』といいます。フレーズが好きですね。
例えば、貯蓄。一般家庭では、支出を減らして貯蓄に回すことは正しいですが、社会全体で見ると、支出が減るので、消費が減退し、景気が縮小するという事態になります。
とはいえ、これらの理論は、あくまでも人間が機会並みに合理的に動くということで、最近では行動経済学など心理学と経済学をミックスしたも登場しています。
実体経済を解明するということに対しては、経済学はまだまだ進歩が必要です。
この回答への補足
>合成の誤謬
みんなが自分にとって良いことをしちゃうと、
結果的に不利な目に遭っちゃうってやつですね。
囚人のジレンマ。面白いです。
>機会並みに合理的に動く
このミクロ経済学が想定してる合理性に疑念があります。
本当に合理的なのかなって。人の嗜好って異なりますし何が一番良い、
理にかなってると思うかは人によって異なると思います。
たぶんNo1さんのおっしゃってるように、
ミクロ経済学の範囲内で想定されている合理性なんでしょうね。
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