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マイケルソン干渉計の片方の鏡を遠ざけると
干渉縞が感覚を保ったまま平行移動し、
片方の鏡を傾けると隣り合う暗線の感覚が短くなると参考書に書いてありました。

しかし、これだけで説明がなかったのですが
どういう原理でこれが起こるのでしょうか?

前者は経路差が全体として長くなるはずですがそのあとがわかりません。
後者についてはさっぱりです。

よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

結構時間が経ってしまったので解決しているかも知れませんが書いてみました。



高校の物理でどの程度教えられているのか判らないので、こんなの知っているよと言われるかも知れませんが、できる限り噛み砕いて書いてみます。

光の干渉は、光の持つ波の性質により生じます。
水面に石を落とすと発生する波紋をイメージすると良いです。
ある一方向について見ると、波は進行方向にうねうねと上下動を繰り返しながらSin波[正弦波]( cos波[余弦波]でも同じ)で進みます。
波の進行上のある一点に注目すると波はどんどん動いているので時間によって波の高さが変わることが判るでしょう。

干渉とは、この観測点における2つ以上の波の合成のことで、干渉縞はある観測面において、光の濃淡が光の干渉により縞のように生じる現象を指します。

では、観測点において2つの波が重なる場合どういう状態なるかというと、

1.2つの波のそれぞれの山の高さが逆方向に同じ大きさの場合、打ち消し合って光を生じない(黒くなる)。
2.1以外の状態の場合、2つの波のそれぞれの山の高さの合成に応じた光量で明滅を繰り返す。
  光量は波の振幅の2乗に比例します
  実は、黒い部分は必ず黒ですが、明るい部分はもの凄い速さで明滅を繰り返しています。
  これは、結構教えて貰えないですが重要なことです。

さて、これを踏まえて問題について考えてみます。

マイケルソン干渉計にて干渉縞を生じている状態というのは、

1.1つの平面波をハーフミラー(以降HM)などで2つに分ける。
2,2つに分けた光をそれぞれ平面鏡により光を折り返す。
  便宜上、片方の平面鏡を参照鏡(以降RM)、もう片方を被検鏡(以降SM)とする。
3.1のHMにより2つの光をそれぞれ2つに分ける。
4.HMにより光の発生源とは異なる方向に進んだ2つの光の進行上に観測面を設定する。
5.観測面において2つの光が合成される。
6.2つの波は同じ光であるので、傾きを生じていなければ、全面明るいか黒いかのいずれかの状態にある。
7.SMを僅かに傾ける。
8.観測面では、RMからの光(以降Ref光)に対し、SMからの光(以降Spl光)が傾いた状態で合成される。
9.観測面において、2つの光の波の山の位置が1/2周期(=1/2波長)ずれている時、光は打ち消し合い黒くなる。
  2つの光は全く同じものなので、光の進む速度、周期、振幅は同じなため、1/2周期ずれている場所は、
  時間が経過しても常に同じ位置に存在する。
  それ以外の合成箇所では明るい明滅を繰り返している。
10.観測面において、白黒の干渉縞が観測される。


次の様な図を書いてみてください。

1.1本の水平線を引きます。
2.1の線に対し少し傾けた線を任意の間隔で数本、平行に実線と破線を交互に引きます。

・水平線は観測面におけるRef光です。
・傾けた線は、Spl光で平行線の実線同士(破線同士)の間隔は1周期を意味します。
・水平線と傾けた実線の波は同じ方向の同じ山の高さとします。
・水平線と傾けた実線の交点では光は強め合います。
・水平線と傾けた破線の交点では光は打ち消し合います。
・水平線と傾けた破線の交点上に黒い線が出来ます。

A.SMを光の進行方向に平行移動する。

1.SMを光の進行方向に平行移動させる。
2.Spl光の進む距離が変化する。
3.Spl光が観測面に到達する時間が進んだり遅れたりする。
4.観測面を通過するSpl光の波の位置が変わるので波の高さが変わる。

あ.先程書いた図において、傾けた線の実線と破線を入れ替えてみます。
い.水平線と傾いた破線の交点の位置を先程の図と比較すれば交点の間隔は同じで動いていくことが判ります。


B.SMの傾きを変える。

1.観測面において、Spl光の入射角が変わる。

あ.先程書いた図において、傾けた線を平行の間隔は同じにして角度を変えてみます。
い.水平線と傾けた破線の交点の間隔をみます。
う.傾きが大きいと交点の間隔が狭くなり、傾きが緩くなると間隔が広がります。

以上
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