カトリック教徒となって久しい私ですが、最近キリスト教の真髄ともいえる「私達の罪のあがないとして、イエスが十字架に掛かって下さった」ことに躓き始めました。未信者の友人に「2千年前の異国のイエスと、現在の我々と、何の係わり合いがある?」と聞かれて、うまく答えられませんでした。
私は、ボーンクリスチャンなので、理屈ではなく、体でキリスト教の空気を吸って育ちました。
なので、友人に聞かれて、初めて「はっ」とさせられました。
毎夜FEBCの放送が私の支えですが、未だ不信仰者の私です。
お恥ずかしいのですが、贖罪のイエスの意味を分かりやすく教えて頂けたら幸いです。
No.11
- 回答日時:
キリスト教に付いては門外漢ですが、心の問題には興味があります、信仰心は有りませんが、宗教には興味があります。
心の問題において『宗教が関係している。』と考えている者です。罪の意識『原罪』は何もキリスト教においてだけの事ではないと思います。仏教においては『業』と云う言葉が当てはまります。
原罪も業も、同じ事を言葉を替えて言っているだけと思います。その意味は『生き難い想い』です。心に掛かる圧迫感です、漠然とした不安や、何処から押し寄せているのか分らない、不気味な感覚です。
精神科医などが存在していなかった時代の事です。『訳の分らない漠然とした不安や、湧き上がる恐怖感』の事を言っていると感じます。
湧き上がる不安に対しては、大抵の場合にはその原因が存在しています。お金がない場合では『食べてゆかなくては生きていられないと言う餓死に対する不安です。』身体に付いての場合や健康に関する不安なども『生命を脅かされている事に関しての不安です。』
『生きている間には』数限り無く不安が付きまとっています。ですがその不安の根底に潜んでいるものは、『唯一つだけです。』その原因とは『生と死に対する不安や恐怖』が、自覚出来なくとも『潜んでいる事です。
ですが、死の不安の元を辿ってゆく場合、又一つだけの原因に突き当たります。それは『恐れです。』
その恐れの原因の解消が『宗教の目的として』宗教文化の発展を促してきた事です。
その恐れの原因にまでたどり着いた場合に『全ての恐れが解消できる事』を意味します。それが宗教の目的です。『魂の救いとか、開放』を意味します。
永遠の命を求めていながら、『自分の死を認めなればならない事』が人間の苦しみになっている、と言う意味です。
有限の壁の前で、その壁を乗り越えられないでいる自分が、『全ての原因を作っている存在』と言う意味です。
永遠を嗜好していながら、永遠の存在になれないでいる自分が『人間の苦しみになっている事』を意味します。このジレンマからの開放が『宗教文化として花開いています。』
こういう芸当など出来る筈がないと思う心が『死に対する恐怖感となっています。』
罪の意識が芽生える事は、人間の脳の発達から言うなら当然の事柄です。脳の機能分化から言うならばです。そこで人間の脳の機能を簡単に説明しているものを紹介します。注目するべきは『一人の人間の脳内に、意識が二つ在る事です。』
”ロジャースペリー 分離脳
ノーベル賞受賞者
受賞年:1981年
受賞部門:ノーベル生理学・医学賞
受賞理由:大脳半球の機能分化に関する研究
ノーベル賞の受賞理由となった業績として分離脳研究がある。てんかん治療の目的で半球間の信号伝達を行っている脳梁を切断した患者に、片方の脳半球に依存することが知られている作業を行ってもらい、二つの脳半球が 『それぞれ独立した意識』 を持っていることを実証した。”
この二つの意識と『罪の意識が関係しています。』天国に一番近い存在が幼子、と言う意味は『未だ脳の機能分化が発達していないために、一つの者として働いているからです。』この状態が『知恵が付かない状態です』裸で何処にも行けて、裸でも恥ずかしいと思わない状態です。
思春期頃から『恥ずかしいことが判り始めます。』悩みも始まります、人と比べたり劣等感を持ったりします。この現象を『失楽園』と表現しています。丁度、中二病といわれる頃です。
この頃から精神疾患も多くなったり、神経症にもなり始めたり、自律神経失調症なども始まる頃です。こういう現象が『失楽園』と言われる由縁です。
又この頃から『自分は何者か?とか人生に付いて深く思考を巡らせたり』し始めます。
自分の心と会話が始まると言う意味です。そうして心が仲違いしたり、矛盾したり、分裂したり、対立を始める事を意味します。
脳の機能を説明するなら『左脳の意識』は自我意識です、或は顕在意識です。言葉で考えて、言葉で全てを処理する機能です。この言葉で全てを理解しようとする機能のために『人間が苦しむ事になります。』
この意味は、言葉を理解する機能では『永遠』は理解出来ないからです。永遠は『計算では割り切れない事柄の総体の別称だからです。』『割り切れない事柄を無限』と読んでいる事からも理解出来ます。
それに対して『右脳に存在する意識は』全ての意識と繋がっている存在です。生命として芽生えた瞬間から働き始めている意識です。細胞分裂でさえ熟知している意識です。
生まれるや否や『泣く事も笑う事も、不安になる事も安心する事も既に知っている意識です。』櫻ならその種としての色や形や匂いまでも体現できる意識です。昆虫でも動物でも『命あるものに既に備わっている意識です。』
お釈迦様が『一切衆生悉有仏性』と言った働きをする意識です。言葉にするなら『命あるものに働く命の働きです。』
右脳の意識が、良く表現出来ている動画がありますので参考にして下さい。注目する事は『右脳からの情報によって』自我意識に感情が湧きあがっている事です。
そうして『自覚出来なくとも、意識の根底では(脳梁の神経線維の中で)二つの意識が絶えず相談しながら、生命活動が維持されている事です。』
脳科学者が脳の障害によって、左脳の意識が出ている場面と、左脳の意識が薄れてゆく様を表現しています。
URL:
右脳の意識は『生命維持装置として働いている意識です。』その機能は『身体の生物としての維持装置や植物(ホルモンや神経系統)として働い手いる機能』と
そうして『行動する人間としての生命維持装置として働いている機能』と
『思考したり、感情として、湧き上がる心の操作によっての生命維持装置として働いている機能』です。
人間が感じる苦しみには大別した場合には、前記の働きと仲違いを起している場合です。つまり『心の矛盾を』どのように感じているのかが、その人が『自分の心の何と仲違いしているのか?』と言う意味になります。
一番目が『自律神経失調症や、過敏性腸症候群や、難治性の心身症』と云う事です。
二番目が『神経症』になります。自分の身体が自分の云う事を聞かないと錯覚する場合も生じています。
三番目が『心を病む事』になります。この場合も自分の心が、自分の言うことを聞いてくれないと言う錯覚をする場合もあります。
この三つの障害と思われるものは全て『心の矛盾の産物です。』共通項は『漠然とした不安です。』その他の共通項は『全てが検査をした場合では、異常がない事です。』
他の共通項は『意識する事』です。この意識した内容を『症状』と呼んでいます。その意識した状態は『意識地獄です。』
この状態からの開放が『魂の救いです。』
命の働きは『無意識の自分の身体と、行動と、心』を支配しています。簡単な言い方をするなら、『無意識の自分に、任せてもらいない事を』漠然とした不安として訴えています。
自分の『無意識からの無言の抗議が』何処から来るのか分らない漠然とした不安の正体です。
心の矛盾の解消が『宗教の中に存在する理由は』自分自身を知れと云う事になります。禅で言う『見性体験です。』
キリスト教における『神との和解です。』この意味は二つの脳における回路構成の確立です。是以後『二つの意識には争いごとが起きなくなる。』と言う意味になります。
二つの意識の間で『主導権いが起きている事を意味します。』自我意識がその戦いに負けて『自我意識が折れることを』『大死一番』と表現します。もう二度と主導権争いをしなくなると言う意味です。
自我意識が『命の働きの意志』の前に立とうとしない状態を『神の思し召しのままに』と表現しています。キリスト教的な表現方法をするなら『神の僕となる』です。
仏教的な表現方法をするなら、『自分に感情を湧きあがらせていた者に出会う事によって、生死の問題が解決する。』です。
表現方法は違いますが、心的な内容は同じです。共に心の矛盾が解消する事によって、二度と心が騒がない事を意味します。心の中が飽く迄も静まり返って、静寂に満ちた様の事です。この境涯を涅槃と表現しています。
博士のように『右脳に沿った生活の中に』安楽に満ちた安心できる世界があります。
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