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私が大学生の頃、経済学部で学ぶ友人からよく経済学のことを教えてもらいました。
当時は、「マルクス経済学」を学ぶか「近代経済学」を学ぶかの選択をせまられているようでした。

今は、マルクス経済学はほとんど学ばれていない(教える教授もいない)と聞きました。

マルクス経済学の全容を知っているわけではありませんが、過去に少し学んだものとして、今の状況こそ、マルクス経済学の考え方(ものの分析の仕方や経済のとらえ方や人類の方向性を考えるのに)が必要だと思うのですが、いかがでしょう。

社会主義国家が失敗に終わったとしても、社会主義国家に向かうためでなく、考え方として学ぶべきことが多いと思うのですが、なぜ取り上げられていないのでしょう。

A 回答 (1件)

 近代経済学の存在を前提としたうえで、そこでは説明しきれない問題点をマルクス経済学の立場からわかりやすく説明するには相当の力量が必要、というのが一因でしょう。


 立命の松尾匡先生は、そうした力量を持つ数少ない先生(『「[図解雑学]マルクス経済学』という面白い本を執筆されている)の一人で、他にも同様のスタンスで研究・教育をされている先生が何人か存在しますが、少数派です(まあ、近代経済学を分かりやすく説明できる先生も実は限られるような気がしますが)。近代経済学の教育であれば、自分の専門分野以外は、教科書レベルでの理解で事足りますが、近代経済学を前提としたマルクス経済学となると、ミクロ・マクロのかなりの分野で相当の専門的知識を身につける必要がありますし、学説史の知識も必要です。それだけの力量がある学徒だと、別の分野に進んでしまうというのが現状のような気がします。

 あと、近代経済学の問題点として、中立性を標榜している割に、市場メカニズムへの信奉の度合いが強く、そこに客観的な根拠がそれほどない(確かに純粋な理論の世界で市場メカニズムは上手く機能するが、実際の社会でそれが正しいか否かの判断は経済学者の直観にゆだねられている、で、直観の根拠は勿論多くの研究結果でもあるのだが、単なる信念に依存する面もある)という問題が存在します。
 既存の近代経済学で議論できない問題のかなりは、この信奉の問題を再検討したり、あるいは、この新法を切り捨てたうえで別の切り口から近代経済学のツールを適用する事で解決される面が多いので、これがわかってくると、マルクス経済学の出番は自然少なくなってしまいます(マルクス経済学自体が、19世紀の主流の経済学のツールを、当時の経済学の「信奉」を取り去って適用した経済学体系ともいえる)。
 このあたりも、マルクス経済学と絡めて論じると面白いのですが、やはり力量の問題が壁になって、論じる人は少数派になってしまうのが現状のようです。

参考URL:http://matsuo-tadasu.ptu.jp/
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この回答へのお礼

分かりやすい背景の説明ありがとうございます。
近代経済学を前提としたマルクス経済学には専門的知識が必要となると、もはや私には理解できない世界ですが、最近の経済学は、対症療法というか今がよければそれでよい的な印象を受けています。
そういう意味で、しっかりした柱(ものの考え方を捉える哲学のようなもの?)が無いように感じてしまいます。
根拠のない直感です。
近代経済学にも、マルクス経済学のような「考え方の土台」に当たるようなものはあるのでしょうか。

お礼日時:2012/07/08 10:13

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