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虫歯に悩まされている友人が、口の中をアルカリにすればひどくならないのではないかと言っていました。糖が分解されて酸ができても中和すれば確かに効果がありそうですが、食物でも薬剤でもこの目的で使えるものはあるでしょうか。

A 回答 (2件)

 口腔内をアルカリにしても、常に唾液が循環していて、事実上無効です。



 殺菌も短時間の効果です。口腔内は、自然環境に例えると、アマゾンの密林くらいか、それ以上の環境で、わずかに残った菌がみるみうちに増えて、元通りとなります。

 ですので、歯科医にかかって虫歯になりやすいと判断されても、歯科医からは歯ブラシの使い方くらいしか、対策の指導はありません。

 もし口腔内をアルカリ性に保ったり、殺菌効果を持続させられるなら、歯科医は必ずそれを指導するはずです。ないのでできないのです。

 殺菌に関しては、殺菌後に別の無害で歯を含む口腔に無害で、しかも口腔に虫歯菌より強く定着する細菌の探求が続けられています。殺菌後、その無害な菌が広がると、虫歯菌は繁殖できません。細菌は種類がどうあれ、一定以上の密度で存在できないからです。ただ、未だに見つかりません。

 稀に虫歯菌を持たない人もいますが、虫歯菌は虫歯を作る有害性はあるものの、上に述べたのと同じ理由で、他の細菌の繁殖を阻止しています。虫歯菌がいないだけにして、その状態を保つと、もっと有害な細菌が容易に繁殖してしまう恐れがあります。それもあって、虫歯菌に代わる常在菌の研究は慎重に進められています。

 ただ、なぜかあまり知られていない歯ブラシのコツがあります。食前に軽く歯をブラッシングすることです。歯の表面にねっとりした何かがあることに気が付くと思います。そこには虫歯菌が大量にいます。

 食事が口に入った瞬間から、虫歯菌の活動が活発化します。よほどの早飯食いで無い限り、食事時間も虫歯菌の害を受けています。

 それを防止するのが食前の軽いブラッシングです。練り歯磨きは不要で、歯の表面のねばねばを取るだけなので、入念にブラッシングする必要はありません。

 もちろん、食後の歯磨きをしなくてい良いことにはなりません。それも行うことが虫歯予防になります。

 さらに、キシリトールのガムで追加効果を期待してもいいでしょうね(これが食後の歯磨きを不要にするわけではないです)。キシリトールは虫歯菌が栄養にできないため、歯にキシリトールが付着した部分では、虫歯菌が活動できません。

この回答への補足

口腔常在菌でアルカリ性物質を作るようなものはいないのでしょうか。

補足日時:2012/10/09 18:29
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この回答へのお礼

いろいろご教示いただき感謝いたします。

お礼日時:2012/10/09 18:30

 お礼、ありがとうございます。

補足、承りました。#1です。

>口腔常在菌でアルカリ性物質を作るようなものはいないのでしょうか。

 虫歯菌に取って代わる常在菌として、そういう細菌が期待されています。人間の体液はごく弱いアルカリ性ですから、いてもいいはずです。

 少なくとも、酸を作るような細菌だと、現在の虫歯菌の代りに常在させる意味はありませんね。それだと、別種の虫歯菌が常在することになります。

 酢をベースにした飲料を、健康に良いと思って、小さいパックを毎朝一つ飲んでいたら、虫歯と同じ症状がでた、という事例がいくつもあります。歯磨きの後に飲んでいたのかもしれません。

 そういう、虫歯菌でなくて飲食物の酸で歯が虫歯同様になるのを、酸蝕歯と呼んでいます。酢といっても、美味しく飲める程度に薄めてあって、しかも少量パック一つを1日1回でも、歯が酸でやられてしまうこともあるわけです。

 虫歯菌に対抗する常在菌が出すものは、中性かアルカリ性である必要があります。

 ただ、それが虫歯菌に対抗して弱アルカリ性で中和する物質を出して、しかも両者とも常在するとしたら、最も難しい条件になります。

 まず、口腔に永続的に常在して、虫歯菌を排除する力はないが、対抗できる程度には繁殖できる必要があります。

 そして、虫歯菌のコロニーに虫歯菌と同等に、新しい常在菌が存在できねば意味がありません。虫歯菌のコロニー、つまり虫歯菌が集中して存在するため、たとえ唾液で洗浄されても、酸が常に産生されるため、虫歯に至るわけです。それを中和しなければ、虫歯を防ぐことはできません。

 これは、微生物の性質上、難しいと言わざるを得ません。微生物がコロニーを作るのは、同じ微生物だけがいて、他の微生物をシャットアウトするほうが、生存に有利になるからです。

 酸性の代謝物を出す虫歯菌のコロニーに、アルカリ性の代謝物を出す別の常在菌が同等数、安定して存在することは困難です。酸性の環境を作ることが、虫歯菌のコロニーにいられる条件の一つですから。

 そういう新しい常在菌の可能性を排除することは決してないですけれど、それを直接の目標にするよりは、虫歯菌をほとんど全て排除できる新しい常在菌を探す方が簡単なわけです。もしかしたら虫歯菌と混在して虫歯を防ぐ常在菌が偶然見つかることも期待しながら、ですね。
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この回答へのお礼

丁寧にご説明いただき感謝いたします。

お礼日時:2012/10/10 00:47

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