例えば、債権者A(債権額120万円)と債権者B(債権額80万円)がいて、債務者をCとし、債務者の預金している銀行をDとします。
債権者Aが預金口座を差押えのみをし、差押え命令がDに送達されたときに、60万円の預金がありました。その後Aが取立て前に、債権者Bも同じ預金口座を差押命令と転付命令を申し立て、Dに送達されました。その時、預金口座はAの差押命令送達後に追加入金40万円があり預金残高は100万円となっていました。なお、転付命令は確定しました。
この場合、60万円は差押えが競合するので、Dは供託しなけれななりませんが、残りの40万円はどうなるのでしょうか。Dはその分も合わせて供託(権利供託)できるのでしょうか。もし供託できるとした場合、その40万円部分の払い戻しはどのような手順で行われるのでしょうか。
この点、個人的には、転付命令が確定すれば、40万円部分は債権譲渡と同じと考え、供託する理由が失われるので、供託自体認められないようにも思うのですが、、、。ひょっとして、あくまで同時に差押えをしている以上転付命令が確定しても、40万円部分は権利供託できるというふうに考えるのでしょか。
ご存知の方ご教授ください。
A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
>残りの40万円はどうなるのでしょうか。
Dはその分も合わせて供託(権利供託)できるのでしょうか。理屈で言えば、転付命令の確定「後」は、権利供託をすることができません。しかし、第三債務者には転付命令が確定したことを裁判所から通知されるわけではありませんし、第三債務者に確定の有無について調査義務を負わせて供託を無効とすることは妥当ではありません。
先例(昭和55年9月6日民事四第533号通達)も、供託原因の記載から転付命令が確定していることが明らかである場合を除き、供託の受理を認めています。
>もし供託できるとした場合、その40万円部分の払い戻しはどのような手順で行われるのでしょうか。
基本的には執行裁判所の配当等の実施として、裁判所書記官が供託官に支払委託をします。債権者は、書記官から貰った証明書を添付して、供託官に供託金の払渡の請求をすることになります。ただし、転付債権者から、転付命令確定証明書並びに供託書正本及びその下附証明書を添付して転付金額に相当する供託金の還付請求がなされた場合、競合債権者の存しない限り認可して差し支えないとされています。(同通達)
民事執行法
(配当等の実施)
第百六十六条 執行裁判所は、第百六十一条第六項において準用する第百九条に規定する場合のほか、次に掲げる場合には、配当等を実施しなければならない。
一 第百五十六条第一項若しくは第二項又は第百五十七条第五項の規定による供託がされた場合
二 売却命令による売却がされた場合
三 第百六十三条第二項の規定により売得金が提出された場合
2 第八十四条、第八十五条及び第八十八条から第九十二条までの規定は、前項の規定により執行裁判所が実施する配当等の手続について準用する。
民事執行法規則
(売却代金の交付等の手続)
第六十一条 各債権者及び債務者に対する売却代金の交付又は供託金の支払委託の手続は、裁判所書記官が行う。
No.1
- 回答日時:
民事執行法149条という規定があります。
「債権の一部が差し押さえられ、又は仮差押えの執行を受けた場合において、その残余の部分を超えて差押命令が発せられたときは、各差押え又は仮差押えの執行の効力は、その債権の全部に及ぶ。債権の全部が差し押さえられ、又は仮差押えの執行を受けた場合において、その債権の一部について差押命令が発せられたときのその差押えの効力も、同様とする。 」
この規定からすると,Aの差押の時点では,60万円全額が差し押さえたが,その後の追加入金により,Bの差押の直前には,差押のある部分60万円と,差押のない部分40万円になっており,ここに,残額の40万円を超えるBの差押がきたということで,少なくとも,Bの差押の効力は,100万円の全額に及ぶことになります。Aの差押の効力が拡張されるとは思われませんが,少なくともBの差押は,全額に及ぶことは間違いないと思われます。そういう意味で,60万円の部分は,差押の競合となります。
次に,転付命令は,差押の一部でも競合があれば効力がありません(民事執行法159条3項)。よって,この場合には,預金債権の一部がBに移転することはないということになります。
そうすると,少なくとも60万円は義務供託の対象となり,40万円は,少なくとも権利供託の対象となると考えられます。
執行裁判所としては,供託された100万円のうち40万円をBに先に配当し,残りの60万円をA:B=120:(80-40)の割合で按分配当することになると思われます。
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