
タンパク精製を主に実験でおこなっている大学生です。タンパクの凍結保存をする際、細胞の凍結方法と異なることに疑問を抱きました。
タンパクを凍結保存するときは、液体窒素等を使用して急速凍結を行うことが推奨されています。これはゆっくり凍結すると液体が大きな結晶をつくってタンパクの構造を破壊してしまうということでした。しかし、細胞を凍結するときは、凍結保護剤を加え、緩慢凍結法を推奨されております。
凍結保護剤を加えることで氷の結晶化の速度がゆっくりになり大きな結晶ができるのを防ぐということでした。
よく分からないのですが、細胞もタンパクと同様に急速凍結を行うこともあるのでしょうか?細胞の保存というと一般的に凍結保護剤を加えて緩慢凍結法です。逆に精製したタンパクも細胞の保存方法のように保護剤を加えて緩慢凍結をすることがあるのでしょうか?
細胞はタンパクと違って細胞膜と細胞質からなっているため、細胞内液の状態も考慮するためにこのような保存方法がとられるのでしょうか?
このようにして凍結された細胞内はガラス化しているという文献もあったのですが、急速凍結法(ガラス化保存法)と書いてある文献もありました。原理を考えると急速凍結の方がガラス化していると思うのですが、細胞内もガラス化しているのでしょうか?
長文になってしまって申し訳ございませんが、タンパクと細胞での保存方法の違いと、ガラス化についてよく分からなくなってしまいました。
どなたかご教授いただけたら大変嬉しいです。
よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
急速に冷却すると細胞内外での温度差により、水分子が針状の結晶を形成します。
この針状の結晶が細胞膜を傷つけ、細胞を傷害します。
ゆっくり冷却するのはこれを回避するためですね。
冷凍庫で過冷却でお肉を新鮮に保存とかって聞いたことありますでしょうか。
分かりやすく言うと0℃以下なのに凍らない水ってやつです。
衝撃与えると瞬間的に氷になるアレです。
あの状態を作り出し、ある時点で一気に凍結するために、ゆっくり冷やすわけわけです。
液体窒素じゃ過冷却状態はムリですよね。
DMSOは針状結晶の形成を阻害すると言われていますが、過冷却状態の形成にも貢献している気がします。
ガラス化ってのは初めて聞きますが、過冷却からの凍結では均一な大きさの結晶のみとなります。
これをガラス化というのかもしれないです。
送信に失敗していたようで、お返事ができていないことに気づきました。
大変失礼いたしました。
とてもご丁寧にお答えしてくださって本当にありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
私も似たような疑問をずっと抱えていましたが、現場では既成のやり方でさっさと保存するという科学者らしくない疑問を持たない単純労働者みたいな流れですよね。
保護剤の濃度や種類が違うのに冷却スピードだけでガラス化できないでしょう。
結果オーライの前に細胞は細胞膜に仕切られている複合的な構造体なんですから、細胞の中にただ存在したタンパクが変性しなければいいという次元じゃないですよ。膜の浸透に関する諸問題があります。
細胞骨格を保存するのと細胞骨格のタンパクの構造を保存するのは訳が違うでしょ。
受精卵やips細胞では急速凍結が評価されていますね。
要するに保存方法が命の科学者はガラス化を急速に適用させている最先端。保存がどうでもいい人らはテキトーに緩慢な流れ。
実験過程の一道具に過ぎない大腸菌なんかはどうでもいいからドボンですよね。
大切さの具合ですよね。
あなたのされているドボンは手間と金をかけた急速凍結法ではなくただ急速に冷凍したやり方です。
日本語力です。
それと化学用語。
ガラス化←→結晶化。
ガラス化とはそういう結晶を作らないという意味ですよね。
お礼が遅くなってしまって申し訳ございません。
ご丁寧に回答してくださってありがとうございました。
とても勉強になりました。
似たような疑問を抱かれているとのことで大変嬉しかったです。
>細胞骨格を保存するのと細胞骨格のタンパクの構造を保存するのは訳が違うでしょ。
確かにそうですね。
どうもありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
ヒト細胞の保存にはDMSOを加え、ゆっくり冷やすことが多いですが、メカニズムについてはあまりよく分かっていないと思います。
上の処理のあと、しばらく保存して、溶かして、蒔いて、生きていれば結果論としてオーケー。
たんぱく質でも、急冷で、溶かして、活性がよりよければ結果論としてオーケー。たんぱく質は制限酵素のように50%グリセロールで-20度Cで保存することもおおいですね。結果論としてオーケーならば、理屈がどうであろうと、知ったことではないという態度だと思います。
よって、この辺のことで新しい発見がある余地はあるかと思います。
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