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I仕事で新規事業の事業採算性を評価する必要があり、現在、IRRを勉強中なのですが、初めての経験で、技術屋には難しくて頭がこんがらがっております。現時点で、疑問点が2つあります。ものすごく、基本的なことだと思いますが、どうしてもわかりませんので、ご指導お願いしたいのですが。

Q1.ネットで以下のような説明がありました。この意味がよくわかりません。高い数字の場合、すなわち、リーターンが大きい場合にはハイリスクと単に決めつけていいのでしょうか?
「もしIRRで高い数字が出ても、その数字には資本コストが加味されていない、つまりビジネスリスクは加味されていないことになります。そのため意志決定の際には他の投資候補と比較して、高い収益率を上げているのは、その分のリスクを負っていることに注意をして選択しなければなりません。」

Q2.割引率が大きいと、当然、毎年のキャッシュフローを現在価値に割り引いた際に、その値は小さくなりますよね。割引率が大きいほど、その投資案件はいいように思うのですが、しかし、割り引いた値が小さくなるので、当然、NPVは小さくなり、リターン=NPV-初期投資額は小さくなり、リターンが少ないように感じるのですが、この考え方はおそらくどこか矛盾していますよね。

どなたか、よろしくお願い申し上げます。

A 回答 (1件)

毎年のキャッシュフローをある割引率で割り引いたものの合計から投資額を引いたものが正味現在価値NPVです。

このときの割引率として資本コストを用いたり、リスクフリーレートを用いたりしますが、割引率にどんな数字を採用するかによってNPVの値は変わってきます。

事業採算性を評価する場合、
1)割引率として長期国債の金利を採用すると、NPVがマイナスであるなら、事業をするよりそのお金で国債を買ったほうが儲かるから、採用しないほうがよい。という判断になります。
2)割引率として、調達可能な資金源からの資本コストを採用すると、これがマイナスなら、儲けが出ても金利が払えないから、結果的に赤字になるから、やめたほうが良い、という判断になります。

しかし、企業を拡大してゆくためには国債を買うより事業に投資したいわけです。そして資金の調達先がまだ決定されていなくて、資本コストも未定であるような場合は、NPVを計算したくても割引率が決まらないので計算できません。そこで、IRRで検討してみます。

IRRというのはNPVがゼロになるような割引率です。
NPVでは「利益が出るかでないか」を計算しました。しかしIRRで計算するのは、「利益がゼロになるような割引率」です。IRRが大きいということは高利貸しから借りてもも利益が出やすいということであり、IRRが小さいということはちょっと利息を払っただけで赤字になってしまう、ということです。
そして、高いIRRの事業を少ない資本コストで行えば利益がたくさん出るわけです。そしてIRRは、NPVがゼロになる割引率であって、実際にその事業を行うときに調達するときの資本コストではない、ということです。

Q1.IRRが大きいということは高い資本コストを払っても利益を出しやすい、というだけです。実際にその事業を行うときにIRRよりも高い資本コストを払ったら当然損失が発生します。IRRの数字にはその資本コストは考慮されていません。
たとえば、A銀行から融資を受けて事業を行おうとした場合、A銀行の方針として、P分野の事業には5%の利率で貸すが、Q分野の事業の場合は10%の利率でなければ貸さない、というような場合、IRRがP分野事業では6%でQ分野の事業のIRRが9%であったとしたらどうでしょう?

P分野の事業は5%の金利で資金調達をしますから、キャッシュフローの現在価値の計算では5%で割り引かなければなりません。これは割り引く目的が、5%の金利を払って利益が残るかどうかを知るためだからです。ですから、5%で割り引きます。ところで、IRRが6%ということは、6%で割り引くとゼロになるということです。であるなら6%より小さい5%で割り引けば、計算するまでもなくプラスになることがわかります。

ではQ分野の事業はどうでしょう?A銀行は10%なら貸すと言っています。ですから、10%の金利を払って利益が残るかどうかを知らなければなりません。ですから10%で割り引きます。ところでIRRが9%であるので、9%で割り引くとゼロになることがわかっています。であるなら9%より大きい10%で割り引くと、計算するまでもなくマイナスになってしまうことがわかります。

IRRが大きいということは利益が「出やすい」というだけであって、資金調達先が要求する資本コストが大きければ損をする場合もあるのです。IRRが6%か9%か、という数字の中には、銀行の金利が5%か10%か、ということは考慮されていないのです。ですから、「資本コストを考慮せずにIRRだけで決めてはいけない」というのがQ!のカギ括弧の中の文章の意味です。リスクが大きいということは言っていません。



Q2.
>割引率が大きいと、当然、毎年のキャッシュフローを現在価値に割り引いた際に、その値は小さくなりますよね。

その通りです。割引率が大きいと割り引いた値は小さくなります。
しかし、IRRというのは「その割引率で割り引きなさい」という意味ではありません。「もし仮にその割引率で割り引いたら」ゼロになります、という意味です。IRRが大きいということは、大きな割引率で割り引きなさい、という意味ではありません。大きな割引率で割り引かないとゼロにならない、ということです。つまり、高利貸しから借りれば利益がなくなるけれども普通の銀行から借りたら利益がたくさん得られるということです。

IRRが小さいということは、小さな割引率で割り引いてもマイナスになりやすいということです。ですから、銀行から普通の金利で借りても赤字になってしまい、政府系の○○特別融資というような低利から資金を借りないと利益が出ない、という意味です。

IRRというのは「その割引率で割り引きなさい」という意味ではないのです。
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この回答へのお礼

丁寧なご説明、ありがとうございます。頭の中がすっきりしました。今後も勉強を続けます。助かりました。感謝です。

お礼日時:2013/04/12 20:52

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