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宇宙の広がりは、限りなく広がり続けるか、何かをきっかけにまた収縮し始める、というのを本で読んだことがありますが、現在ではそれがどちらになりそうだというのはもうすでに判明していることなのでしょうか(できればその情報の出所と本なら出版年も教えて頂ければ助かります)?
それとどちらになるかが決定される要因というのは何だったでしょうか?
広がり続けるか収縮し始めるか、ということ以外で有力な説が他にあったらそれも教えてください。
またできるだけ新しい参考文献などを教えて頂けたらたすかります。
できるだけ正確な情報をお願いします。

A 回答 (3件)

未熟者の私ですが僕が勉強した範囲で答えてみます。


今後膨張し続けるか収縮するかという問題に対する解答は、まだ出されていないはずです。

ハッブルという人が銀河の線スペクトルを調べたら、波長が長くなっていることが発見されたそうです。これは実は、地球上で観測される光の振動数が小さくなっていることを意味します。光のドップラー効果を考えると、銀河が我々から遠ざかっていると考えられるわけです。
(これは自動車が遠ざかっていくとき、エンジン音の音程(周波数)が低くなっていくことに対応します)

一方、万有引力の法則により、質量を持っている物体同士は引き合います。これは、膨張を妨げる方向に働きます。宇宙の質量が大きいと、やがて膨張が止まり、宇宙上のすべての星が引き合って、宇宙が一点に収縮していくと考えられます。

現在膨張し続けている宇宙。この膨張スピードと、膨張を妨げる万有引力のどちらが今後、打ち勝つのかは、まだ未知なはずです。

このことは「河合熟シリーズ 物理教室」の最後のページに記述されています。
出版年の記述が見当たりませんが、おそらく96年前半に出版されたものだと思います。

有力な説については学会誌を見るしかないのですが、勉強不足で僕は読んでいません。(ごめんなさい)
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この回答へのお礼

なるほど、ありがとうございました。
膨張して広がる勢いと宇宙の質量による引力との力関係によるわけですね。
とすれば、膨張していくスピード(つまり宇宙の中心から「宇宙の果て」が遠ざかっていくスピード)というのは少しずつ減少しているのでしょうか?
いずれにしてもどうもありがとうございました。

お礼日時:2001/05/27 20:12

すでにmsndanceさんが十分に説明されていますが、


>>現在膨張し続けている宇宙。この膨張スピードと、膨張を妨げる万有引力のどちらが今後、打ち勝つのかは、まだ未知なはずです。
という部分について、現在わかっていることなどを。
どちらが打ち勝つかは、宇宙の曲率によって決まります。
きわめて乱暴な言い方をすると、宇宙の単位体積あたりの平均密度がある一定より重ければ、宇宙はやがて膨張する速度に打ち勝ってお互いに引き合い、収縮に転じるようになるし、軽ければ、永遠に膨張を続けることになります。
この密度をなぜ「曲率」というややこしい言い方をするのかというと、重力というのはそのまま空間の歪みだからですね。
ある空間内に質量が一定以上存在すると、その重力で空間は閉じます。
一定より少なければ、空間は無限に開いた形(三次元に投射すると双曲面のような形)になります。
くわしくは下のページを。(参考URLも同)
http://www.com.mie-u.ac.jp/syudai/D/ronbun.html

ここで、宇宙に存在する物質の密度をどうやって試算するか、という問題になります。
銀河の恒星の数、そして宇宙に分布する銀河の密度は観測によってわかっていますが、これらを足し合わせた質量は、宇宙を閉じさせるにはあまりにも少ない。
ということは宇宙は曲率的に開いている(永遠に膨張を続ける)ことになりますが、実際には宇宙には恒星以外にも膨大な物質があるらしいことがわかってきました。
それは、恒星のように自ら光を発しない、観測できない物質で、ダークマターと呼ばれています。
ダークマターの候補としては星間物質やニュートリノが挙げられますが、このうち宇宙に充満するがほとんど質量を持たず、ハドロンと相互作用もしないニュートリノが、宇宙の総質量の決め手になるというのが、近年有力視されている説です。
ニュートリノもハドロン(通常物質)のクォークと同じように、3種類の粒子があることがわかってきましたが、これらが相互に反応して役割が入れ替わるのなら、ニュートリノにも質量がある証拠になるだろう、と言われています。
質量がゼロなら、お互いに反応することもないからです。
くわしくはこのページを。
http://flab.phys.nagoya-u.ac.jp/~ooba/universe_j …

一般向けの入門レベルでは、この手の宇宙論に関する啓蒙書は数多く刊行されていますが、最近読んだ中でおすすめなのは、
「宇宙 最後の3分間」ポール・デイヴィス著 出口修至訳 草思社 サイエンス・マスターズ 1995
でした。著者はオーストラリアの大学の物理の先生で、宇宙論関係の本を多く書いている人です。
http://spaceboy.nasda.go.jp/db/book/book_j/Utyu_ …

参考URL:http://www.com.mie-u.ac.jp/syudai/D/ronbun.html
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この回答へのお礼

丁寧なご回答ありがとうございました。なるほど、ニュートリノも宇宙全体でみるとかなりの質量を占める可能性があるということですか。
参考文献までありがとうございます。
たくさんの参考ページも興味深いものがありました。どうもありがとうございました。
わたしが最近読んだ本で感銘を受けたのはNHKブックス刊「トップクォーク最前線 超ミクロの世界から宇宙が見える」でした。尤もすでにトップクォークは見つかっているのでちょっと古い本になりますが。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2001/05/28 16:53

sesameさんに紹介していただいた

http://flab.phys.nagoya-u.ac.jp/~ooba/universe_j …のページの顛末について。

CHORUS実験で挑んだニュートリノの質量の探索ですが、どうやら宇宙を収縮させる数電子ボルトのところではニュートリノ振動が検出されず、一方スーパーカミオカンデの観測結果からもっと小さな1000分の3電子ボルトくらいのところに本当の解がありそうだというのが現在の有力な答えになりつつあります。ニュートリノが質量をもっていても軽すぎて宇宙を収縮させるほどではなさそうです。

ここで、それでは宇宙が膨張を続けるほうに決まったかと言うとそうではなく、ニュートリノ以外の物質(たとえばアキシオンなど未発見の粒子)の質量が宇宙を収縮させる可能性が残っており、色々な研究が進められています。
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この回答へのお礼

こちらでもどうもありがとうございます。
最新の情報ですね。
とにかくまだどちらとも言えないわけですね。さまざまな研究分野が残されていて面白そうです。
ありがとうとざいました。

お礼日時:2001/05/29 22:37

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