準・究極の選択

住宅を新築予定の敷地ですが、添付の図のように、
前面道路幅員の半分は私道、半分は公道となっております。
私の敷地は、道路に私有地を提供している側になります。

道路幅員は2.4mのため、新築時に中心線より2mまで
敷地境界のセットバックが必要になります。

今回市に確認したところ、セットバックの中心は「現況道路の中心」
となることが分かりました。図の赤い線です。

しかし素直に考えると、セットバックの中心は市道の中心である青い線
とするほうが自然なようにも思います。なぜなら、「現況道路の中心」
であれば、短期間に家を建替えた場合、自分のほうばかりセットバック
しなければなくなるからです。

市の言う「現況道路の中心」ということの根拠がイマイチよく分かりません。
お詳しい方に教えていただきたいのです。
よろしくお願いいたします。

「敷地境界セットバックの中心線について」の質問画像

A 回答 (2件)

こんばんは。



ご相談の道路は、建築基準法第42条第2項による道路です。
ちなみにこれを簡単に解説すると…
質問者さんのお住まいの市が都市計画決定された時点(基準時)で、
・道の形態があった
・建物の立ち並びがあった(最低2棟以上)
・幅員が1.8m以上で4m未満
で、特定行政庁が指定した路線です。

2項道路の中心線ですが、大都市だと都市計画区域に含まれた時期が建築基準法の制定とほぼ同じなので、約60年前ということになります。
60年前の道の境界なんて、今さらわからないですよね。
なので、いろいろな資料や事実から当時を予想(復元)することになります。

一番自然なのは、質問者さんが言うとおり、市道を基準時の道路と考えることです。
現況だけで考えると、片方が過去にすでにセットバックしている可能性もあります。
道路境界と見せかけて、門や塀などの外構だけを後退させているケースもあります。
で、基本は関係者で立ち会い、昔の道路の境界を確認し合うことになります。
80歳くらいのお年寄りがいれば、昔の記憶があるかもしれません。

今回で問題が起きるのは、市道だけでは幅員が1.2mしかないこと。
2項道路は前述したとおり原則として幅員が1.8m以上必要です。
1.8m未満でも絶対にダメとは言えないんですが、建築基準法第42条第6項の規定により、建築審査会の同意を得なければなりません。
実際に建築審査会が同意し、1.8m未満でも2項道路と扱うケースはまずありません。
道路があまりに狭すぎて、万が一火災などの災害が発生し避難に支障が出て死者が出たような場合、2項指定をした行政や建築審査会の責任が問われるからです。
そのような場合は関係者に協定を締結させ、それを担保に建築基準法第43条ただし書の空地と扱ったほうが行政側としては無難です。

たぶん市役所の担当は、質問者さんだけでなく、その路線に係る敷地の全員が再建築不可にならないよう救済として配慮したものと思います。
本当は当時の道は市道部分だけだったのかもしれませんが、あまり深く突っ込んで、基準時の幅員が1.8m未満だったと行政に認めさせないほうがいいですよ。
認めさせた時点でこの道が法の道路ではなくなり、今後の建て替えがアウトになりますから。

ちなみに2項道路は市道でも、認定外道路(里道)でも、私道でも、官有地でも、当時の道の形態があった部分なら何でも構いません。
1筆の大きな土地の中で、道路部分が分筆されていないケースもあります。
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この回答へのお礼

大変詳しいご説明ありがとうございます。
このような詳細な説明が頂けるとは思ってもおりませんでしたので、
大変驚き、かつ感激しております。

お答えいただいた内容によると、そもそも約60年前に幅員が1.2mの道路を
2項道路に指定したとは思えないですし、現状2.4mでクランクの無い道路ですので、
もしかしたら市道のほうも、もともと私有地だった等考えられますね。

回答者様のアドバイスも踏まえた上で、突っ込み過ぎないように
もう一度役所に行って、そのあたりクリアにしたいと思います。

どうもありがとうございました。

お礼日時:2013/11/16 14:42

お礼、ありがとうございます。


2項道路の判定方法を少し解説します。

基準時が相当昔の場合、道の形態の有無や建物の建ち並びは当時の地図や航空写真から判定できるんですが、道路境界線の確認はけっこう難しいです。
間接的に推測する方法として、
1.公図で道路部分が分筆されている場合は、そこを筆界と考える。
2.道路に立ち並ぶ家々の外構が整然としている場合、昔から誰もセットバックしていないと考える。
3.過去の確認申請の記録を調べる。(建築計画概要書などで情報がわかります)
4.昔からの住民に意見を聞く。
などが現実的です。
関係者による自己申告に近いですから、行政側としては3番を基準にするのが有力です。

気になるのは、市道の幅員が1.2mと中途半端であること。
市道の底地は里道(赤道)であることが多いです。
この場合は、尺貫法の数値が基本となります。
たとえば、
・3尺または半間(0.9m)
・6尺または1間(1.8m)
・9尺(2.7m)
・2間(3.6m)
など、0.9の倍数がほとんどです。
ご相談のケースの幅員はイレギュラーなので、里道では無いですね。
登記簿謄本を取れば、いつの時代にどこから分筆されたか、公衆用道路へ地目変更されたか、市へ帰属されたか、がわかります。
これは行政庁側の仕事ですので、2項道路と判断したときにたぶん判断材料としているでしょう。

私道部分は分筆されていませんか?
路線が比較的長ければ、どこかの家で道路部分を分筆しているかもしれません。
これも登記簿で時期が確定できます。

以下は余談ですが…
もし私道部分が分筆されていなければ、家を建てるときに市の課税担当部局に相談してみてください。
当市の場合、測量や文筆、地目変更などせずに確認申請の配置図情報で道路提供部分の固定資産税を免除しています。
各市で手続きが違うかもしれませんので。

市役所へ出かけるのなら、後学のために基準時がいつなのかを聞いてみるのもいいですね。
聞けばいろいろ教えてくれますよ。
クレーマーではない市民は大歓迎でしょうから(笑)。
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この回答へのお礼

再度のご回答ありがとうございました。
また、お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。
その後、結局その土地についての話が流れてしまい、役所で確認できておりませんが、
今回のご回答を通して大変に勉強させていただきました。
今後に必ず役立つことと確信しております。
改めて本当にありがとうございました。

お礼日時:2015/01/30 21:08

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