
私はエンジニアリングを業とする設備系です。固体培養の純粋培養に関しては経験ありますが、液体培養に関しては、あまりその経験はありません。又、生物の知識も浅いです。某顧客より「液体培養を進める中で、数日間は雑菌におかされる事なく純粋培養が出来ているのに、数日後、急激に雑菌汚染が進み、失敗してしまう。培地滅菌、装置滅菌、供給空気滅菌等が不充分であれば、直ぐに汚染されると思うが、何故か数日間は純粋培養が出来ている。このように数日後、急激に起こる汚染原因は何だろうか?」という質問を受けています。私もこの分野に、興味もあり、今後の仕事にも活かしたいので教えて頂ければ幸いです。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
「誘導期」という言葉を聞いたことありませんか?
雑菌が当該の培養条件に適合するための準備期間が必要です。それに数日かかっているのではないですか。
または,当初は純粋培養系の勢いが強いため,競合する雑菌は抑制されますが,数日経つと純粋培養系が弱ってきて雑菌に負けてしまうようになるのかもしれません。この場合は純粋培養の条件の最適化が必要です。
いずれにせよ,「数日間は純粋培養ができている」のは根拠なく先方がそう思っているだけではないですか?
この回答への補足
非常に解りやすい御説明である程度理解できました。有難うございました。以前、純粋固体培養設備を建設した時、微生物の専門家より、培養期間中は有用菌と雑菌の拮抗作用であるというようなお話しを聞いたことがあります。これと同様な現象と理解して宜しいでしょうか?純粋培養条件の最適化とは具体的にはpH、温度、通気量等の見直しでしょうか?お教え頂ければ幸いです。
補足日時:2004/06/02 22:08この度はお教え戴きまして有難うございました。mizu_atsu様より、「anakujira様の御回答は非常に的確である」というお話しも戴きました。今後の勉強の為とも思い、締め切らずにおいたのですが、その後の御回答はありませんのでここで締め切りとさせて頂きました。貴重なお話しを賜り本当に有難うございました。
No.3
- 回答日時:
♯2さんの
「数日間は純粋培養ができている」のは根拠なく先方がそう思っているだけではないですか?
が非常に的を得ていると思います。
最初から極微量の汚染がある可能性がありますね。
その微量の汚染が発覚する。すなわち固体培地にまくと違うコロニーが見えるとか、顕微鏡に映るとか。
なぜ、数日経って発覚するかも「誘導期」ですね。
もともと菌数が少なければ数の多い菌に負けて増えるのが遅くなる可能性があります。培養条件が少数派の方に有利だと話は変わってきますが優勢の方に最適化してあるため少数派にとっては住みにくい環境(養分、温度、酸素濃度など)なのでしょう。
それが培養に伴って優勢だった方が安定期に入り、培地の栄養状態などが変化して少数派(コンタミ菌)が増えてきた可能性があります。
あと考えられるとしたら機器の取り扱いでしょうか?
使用しているものはバイオリアクターだと推察します。
扱っているのはこれまでにリアクターを使って純粋培養をやったことがある人なのでしょうか?もしかして学生などではないでしょうか?
バイオリアクターを使っているところを何度も見たことがありますが滅菌後の扱いが結構シビアでした。
オートクレーブしたあと、オートクレーブ内で少し冷やして、クリーンベンチに持って行き、培地と菌を入れて測定機器をとりつけ攪拌装置につなぐ。。。これらのどこかで極微量に汚染されていたりするような気もします。
あとはパッキン等に傷があるとか。
一度、菌を入れずに培地だけで培養して頂いたらわかるかもしれませんね。それで菌が生えてきたら「取り扱い」が悪かったもしくは「設備」になにか問題があるといえるでしょう。
それがクリアされて、菌を入れて、それでコンタミするならそもそも最初に加える菌にコンタミがあるか、菌や培地を入れる作業に問題があるのでしょう。
非常に解りやすい御説明で良く理解できました。具体的な対策法も示して頂き、今後参考になります。私自身の勉強のためにも様々なお話しを賜りたいと存じますので、もう少し締め切らずにおきたいと思います。
No.1
- 回答日時:
そのような経験はありませんが。
第一にその雑菌はいつも同じものなのでしょうか?
いつも同じならその菌についての情報があればなんか参考になることがわかるかもしれません。例えば生育が遅い菌であるとか。耐熱性が非常に強いとか。
また、何をどんな条件で純粋培養しているかにもよりますね。
もしかすると非常に分裂の遅い菌を低温でゆっくりと培養していたりして。そんなときはコンタミ菌も生えてくるのが当然遅くなります。私は扱ってませんがそんな菌を大学の同じ研究室で扱ってました。コンタミ菌が生えてくるのは相当遅かったですよ。
この回答への補足
早速、貴重な御回答を頂き有難うございました。雑菌の同定、性質、培養条件等は顧客情報をより詳しく聞かないと判りません。御回答の通り、菌種によって分裂のスピードが違うという視点から、それらをチェックすべきである事を再認識しました。顧客情報を詳しく聞きたいと存じます(機密保持上、教えて貰えないかも知れませんが!)。情報が入手できれば再度、教えて頂きたいと存じます。
補足日時:2004/06/02 22:22この度は2回に亘って貴重なお話しを賜り有難うございました。お陰さまで大変参考になりました。今後の勉強の為にもと思い締め切らずにおいたのですが、その後の回答はありませんでしたので、本日(6/10)締め切りさせて頂きました。本当に有難うございました。
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